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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
悪夢編・再出発
40/115

5.学園へ・前編

場所は再び莉麻達の所へと移る。

あれからすぐに莉麻の部屋にサミーが戻ってきた。


「おかえり、どうだった?」


「駄目だ、見つからん。この屋敷内にいるとは思うんだが。」


そう言うと、サミーと水晶に分離する。


「わーーい。」


サミーはまた元気よく部屋の中を飛び回り始めた。


「どうやらそう簡単には見つかってくれないようだ。・・・仕方がない、お前にも手伝ってもらうか。これをやる。」


そう言うと水晶の前にころんと音がして、服につけるピンク色のボタンのようなものが出てきた。


「これは何?服につけるの?」


ボタンを手にとって莉麻は言う。


「まぁ、身につけていれば何でもいいさ。とにかく役割を分担する。お前はあの雪美とかいう女を見ているだけでいい。何かあったらこのボタンで連絡をくれ。」


「う、うん。それはいいけど、貴方はどうするの?」


莉麻は戸惑いながら聞き返す。


「俺はサミーと共に奴の捕獲ととある場所の調査だ。まぁ、おまえが嫌なら別に・・・。」


「ううん、私やるよ。よく分かんないけど、なんか黒水晶さん、悪っぽいけど本当の悪って感じしないもの。信じるわ。」


水晶の話に割り込んで、明るく莉麻が答える。


「ふん、バカが。・・・まぁ、礼は言ってやらなくもないが。」


水晶は照れくさそうに言う。


「うーん、眠くなってきちゃった。サミー寝る。お姉ちゃん一緒に寝よ。」


しばらく飛び回っていたサミーは眠くなったようで、莉麻に甘えてくる。


「そうね、今日はこれくらいにして本格的に動くのは明日にしましょう。」


「ああ、じゃあ寝ろ。ゆっくり休んでおけ。」


莉麻はそれに頷き、サミーと一緒に眠りについた。


「さて、俺も休んどくか。何があるか分からんから、すぐに起きれるようにしようか。」


水晶もスリープモードに入った。







夜も更ける。メイド達の仕事も終わり、それぞれの部屋に戻る。どうやら泊まり込みで仕事をしているらしい。


「お疲れ様!」


「園実、明日も頑張りましょう。」


美納下園実も部屋に戻った。

部屋の中は必要最低限のものしかなく殺風景だ。


「ふーん、やっぱり仕事上こんな感じなのね。あたりまえだけど。」


美納下は部屋を一通り見てから服を脱ぐ。


「まぁ、力も8割戻ったし闇の奴よりも上になった。安心できるわね。」


シャワーを浴びにバスルームに入る。


「なんか次元転移魔法のおまけつきだし、すぐに戻れるならこの世界をもらってからでもいいわね。」


物騒なことを言いながら身体を洗う。


「・・・へぇ、面白いことが分かったわ。この子色んな事知ってるわね。」


何か考えながら身体を洗い流す。


「動くなら・・・明日ね。メイドさんも惜しいけど、ここにいるといつ奴に気付かれるか分からないし。」


バスルームから出て身体を拭き、着替え始める。


「今日の所は下手に動いた方が危険ね。もう寝ましょうか。」


着替え終わって、すぐに寝る支度をする。


「さて、私をどれくらい楽しませてくれるかしら?」


そう呟いて美納下は眠りについた。










次の日の朝6時30分、莉麻達ははまだ寝ていた。

そこにコンコンとドアをノックする音が聞こえる。


「莉麻ちゃん、起きてるかしら?」


雪美がきたようだ。その声に莉麻は目を覚ます。


「・・・えっと、どうぞ!」


寝覚めはいいようだ。すぐに思い出したように返事をする。

がちゃっとドアが開き、雪美が入ってくる。


「おはよう、調子はどう?」


雪美はすでに制服に着替えているようだ。


「はい、おかげさまで。まだ色々と思いだせませんが。」


とりあえずこう言っておけば大丈夫だろうと莉麻は考え言った。


「そう、なら話は早いわね。これを見てくれる?」


雪美は制服を取り出した。莉麻の着ていたもののデザインとは異なるセーラー服だ。


「実は記憶が戻るまで学校に通わせようと思うの。学校の方は私と同じ学校ね。」


雪美の学校は小、中、高とエスカレーター式の学校である。


「え、でも迷惑じゃ・・・。」


「もう学校には許可とってあるの。記憶が戻るまで・・・ね?」


こう言われると嘘だったとはとても言いにくい。


「あ、ありがとう雪美さん。」


こう言うしかなかった。


「いいのよ。さぁ、着替えて。先に行って待ってるから。」


そう言い雪美は部屋を出ていった。


「・・・じゃあ着替えましょう。」


莉麻は着替え始めた。






「・・・・・・うにゅう、ん。」


着替え終えた所で、サミーが起きたようだ。


「あわん、・・・・・・おはよ。」


ということで


「さて、俺はそろそろ行くとするか。サミー、行くぞ。」


「行く行く行く行く行く行く行くよ。」


そう言って水晶触って融合!


「さて、あの女は任せた。何かあったら連絡しろよ。」


サミーは窓から出ていった。


「じゃあ私も行こうかな。ボタンをポケットに入れてっと・・・。」


莉麻はドアから出ていった。


その後朝食を済ませた莉麻と雪美は、屋敷を出て学園に向かった。






「・・・えっと、ここかな?」


着いた所はとんでもない大きさの学園だった。学園というより一つの街みたいだ。


「うん、凄く広いから迷わないように私から離れないでね。」


二人は手をつなぎながら学園内を歩いていく。

そして中等部前まで来ると雪美は地図を渡してくる。


「これがここの地図ね。・・・そろそろ先生がむかえにくるはずなのだけれど。」


すると昇降口から一人の女性がやってくる。金髪で眼が青いことからどうやら外人のようだ。


「遅れてごめんなさい。では行きましょうか。」


「お願いします。」


その場で雪美と別れ、中等部の校舎に入っていった。




教師と共に校舎内を歩く。


「そういえば、莉麻さんは記憶喪失のようね。」


「あ、はい。名前と年齢位しか覚えていなくて。」


いつものことながらそう話す。


「そう。・・・・・・ならいいわ。」


教師は少し悲しそうにそう言う。


「じゃあ、授業が終わったら少し付き合ってくれるかな。」


「え?・・・まぁ、いいですよ。」


いきなりの事で驚くが何か知っているような教師の態度に少し興味を持ち、話に乗って見ることにした。


そうこうしている間にも教室に着いた。


「はい、皆さん席についてください。転校生を紹介します。」


そして、莉麻が教室に入る。


「こんにちは、莉麻です。少しの間ですがよろしく!」


とりあえずありきたりな挨拶をする。


「はい、みなさん仲良くしてあげてくださいね。それでは莉麻さん、空いている席についてください。」


後ろの方が空いていたのでそこに座る。


「そういえばまだ、私の紹介をしていませんでしたね。私は新しくこの学園に来た英語教師の・・・」


そこで彼女は自己紹介する。そうこれが


「・・・フィルディアです。」


彼女と彼女の初めての出会いだった。











続く

どうでしたか?また次回見ていただければ嬉しいです。

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