2.決意の旅立ち
場所は移りフレムリー。
沙汰とスィングは少し落ち着いたようだ。
「とりあえずティルスが心配だ。俺は宿に行くが水の芸術家はどうする?」
「俺っちも行くよ。ここまで来たら付き合うよ。」
二人は宿に向かった。
宿に着くとティルスとティライズが椅子に座って休んでいた。
「来たか、ティルスはもう大丈夫のようだ。」
「ご心配おかけしました。・・・何かあったようですね。説明をお願いします。」
沙汰はさっきあったことをすべて説明した。
「・・・僕がお二人を危険に巻き込んだ。なんということを・・・。」
「・・・俺に考えがある。」
沙汰が言うと3人は彼を見る。
「敵がティルスの転移能力をコピーしたなら、ティルスも同じことが・・・。」
「面倒なことにそれは無理ですね。」
部屋の扉が開き、朱雀が入ってくる。
「あんたは・・・・・・。」
「初めての者もいますか。朱雀です。では本人から説明してもらいましょう。」
朱雀は入ってきてすぐにそう言うと全員ティルスを見る。
「・・・はい、僕は今能力を失っています。どうやらコピーではなく奪われたようです。」
朱雀を除いた全員が驚く。
「その通り。では自分のすべきことも分かりますか?」
「恐らく試練をすべて超えた先にあるのでは?」
ティルスが即答する。
「そこまで分かっているのなら面倒ではないですね。それでは!」
そう言うと部屋から出ていった。
「つまりあの二人を助けるためにも残りの試練を超える必要がある訳か。」
ティライズがそう言うとティルスが頷く。
「でもなんでそうだと思ったんだ?そんな確証はないのに。」
沙汰が言う。
「僕にも分かりません。でもなぜかそんな気がしたんです。」
「そうか、まぁいいさ。じゃあ次の所行く前に確認するか。」
沙汰はそう言って全員を見る。
「ティルスには俺と水の芸術家がついていく。ティライズは一度ウィンディームに戻ってフィドゥと合流して伝えてほしことがある。」
沙汰はティライズに耳打ちする。
「分かった。どっちにしろ一度ゴルデールに戻るつもりだったからな。」
「よし、じゃあ今日は一泊して次の日にも行こうか。」
という訳でその日は全員宿に泊まった。
場所は移り神殿内。
「・・・みんな助ける。」
ミュアはそう言って神殿を出ていった。
次の日、4人は宿屋を出た。
「では私は列車でウィンディームに戻る。後は頼んだぞ。」
ティライズはそう言って列車乗り場へと向かって行った。
「僕達も行きましょう。行き先はまずはここから少し行ったところにある青い森です。草木がすべて青いことからそう呼ばれています。」
「よし、じゃあカイチョーを呼ぶぜ。」
沙汰がパソコンを取り出すと
「・・・待って。」
いつの間にか目の前にミュアがいた。
「・・・どちらさん?」
沙汰は驚く。いきなり目の前に現れたのだ。そりゃ驚きます。
「・・・私、ミュア。助けたいの。」
「いや、いきなり言われても・・・。」
そこにティルスが入る。
「目的が同じだから協力しようということですか?」
それにミュアは頷く。
「・・・なんだか分からないが訳ありのようだし俺はいいぜ。」
「沙汰君が言うなら俺っちも。」
特に怪しがることもなく二人が承諾する。
「・・・ありがと。」
ミュアが頭を礼を言う。
「では行きましょう。沙汰さん、お願いします。」
「残念だがカイチョーは3人乗りなんだ。歩いていくしかないな。」
全員が落胆するがすぐに気を取り直す。
「じゃあ行きましょうか。」
3人頷くとフレムリーを出て次の場所へと向かって行った。
「理由も聞かずに同行許可とは。面倒なことにならないといいですね。」
4人が行くのを町の死角から見ていた朱雀はそう言った。
続く
どうでしたか?また次回見ていただけると嬉しいです。