箱
こんばんは。すみません、遅くなりました。書いていた物が一度消えたり色々ありました。次から気をつけます。とりあえず次は9月中に一回投稿する予定です。10月入ると責任者やら何やらで末にしか投稿できないと思います。10月は2回投稿と考えています。
長々とすみません。
それではどうぞ!
「・・・・・・マジかよ。」
泰人は困っていた。町を出てまっすぐ走っていたら、行き止まりに着いたからである。
「うーん。ここは町の出口じゃないのか?」
泰人が考えていると後ろからスィングがやってきた。
「・・・はぁはぁ、あんた速いよ。追いつくのも大変だ。」
スィングは普段からあまり激しい運動をしないので走るのが苦手である。
「あぁ、助けてくれた人か。ちょっと聞きたいんだが・・・」
「待った!まずは名乗ろう。俺っちはスィング。船は持ってるけどまだ見習いの漁師だ。」
「そうか。俺は泰人。宜しく!」
二人は握手を交わした。
「とりあえずこっちは町の出口じゃないから町に戻ろう。」
「そうか。分かった。」
二人はもと来た道を戻った。
そして町に戻ってきた。
「とりあえず俺っちの家に来い。色々話が聞きたいからさ。」
「・・・まぁいいけど。」
とりあえずスィングの家に移動して妹を探していると話しをした。
「なるほど。それじゃあ急ぐのも分かるな。んでどこに行きたいんだ?」
「とりあえずウィンディームに行きたいんだが、最短ルートはどんな感じだ?」
「・・・・・・。」
急に黙るスィング。
「どうした?ちゃんとウィンディームって場所はあるはずだけど。」
「・・・知ってるさ。その前に俺っちの話を聞いてくれ。」
「???」
戸惑いながらも頷く泰人。
「実はこの島はお前の知ってる所とは違う島なんだ。お前の言っているウィンディームがある島はこのディオールの中心の島。その中心の島と離れた所にいくつか小島がある。ここもその一つだ。」
地面を指さすスィング。
「・・・・・じゃ、じゃあその中心の島までは最短でどれくらいか掛かるんだ?」
驚いたがすぐに冷静に戻り聞き返す泰人。
「うーん。中心の島まで行くとなると船を使って7日は掛かるな。」
「・・・・・・え!?」
あまりの事で驚きを隠せない泰人。そう期限ぎりぎりまで使ってようやく戻ることができるというわけなのだ。
「・・・嘘だろ。もっと、すぐにでも行く方法はないのか?」
「・・・残念ながらそれは無理だな。すまん、力になれなくて。」
「・・・・・・・・。」
その言葉を聞いて泰人の頭の中は真っ白になった。
「・・・おわびといっちゃなんだが、好きなだけうちに泊まっていってくれ。」
「・・・・・・。」
「・・・じゃあ俺っちは船を片づけてくるから考えをまとめておいてくれ。」
そう言ってスィングは家から出て行った。
一人になった泰人はボーっとしていた。しかしすぐに打開策を考え始めた。
「・・・考えろ。何か手はないのか、必ず探してやる。」
とりあえずポケットに手を突っ込む。すると指先に何かが当たる感触がする。
「ん!?」
泰人はそれをポケットから出してみる。それは・・・小さな箱だった。
「そういやまだ開いてなかったな。・・・もう一回やってみるか。」
泰人は箱を開けてみた。
すると、カチャっと音がすると箱は開いた。
「・・・開いたよ。中身はっと・・・。」
箱の中には、手紙とさらに小さな箱が入っていた。
「・・・また箱か!!もういいよ。」
ぼやきながら手紙を読んでみる。そこにはこう書かれていた。
これを読んでるってことは、ラルゴの力が半分以上取り戻したってことだな。
じゃあご褒美といこう。一つだけ願いを叶えよう。ただし叶えられる範囲内ならの話だがな。
大きいほうの箱の中身を全部出して願い事をその箱に言う。良かったらOK、駄目ならNGとふたに文字が浮かぶ。NGの場合は何度もやり直せるぞ。
因みに小さい箱は今度本当に必要になったら開く。
いいか、絶対にタイミングを間違えるなよ。
では頑張れ!
こう書かれていた。
「なるほど、タイミングって言葉が気になるがまずは願いの方が先だ。」
泰人は箱の中身を出して空っぽにした。そして
「・・・莉麻の元に行かせてくれ!!」
場所は移る。
沙汰、ティルス、ティライズは町をうろついていたフィドゥを見つけた。
「あ、お久しぶりです!どうしました?」
「実は・・・。」
ティルスは茅野兄妹を探していることを伝えた。
「そうですか。ならば僕が情報を集めておきましょう。その時は連絡しに行きますよ。それで次はどこに行くんですか?」
「ここからだと一番近いのはメノス火山のふもとにあるフレムリーだな。そこに伝説の親衛隊の一人、朱雀がいるらしいからな。」
「分かりました。・・・それで話は変わりますが・・・」
急に小声になるフィドゥ。
「例の少年について分かったことがいくつかあります。」
その言葉に驚く三人。
「・・・ついに分かったか。」
「はい。どうやら不思議な術を使う男が最近この辺りに出没しているようです。その術式記録をあの病院長さんに見てもらったところ、間違いないそうです。」
その言葉に一番反応したのは沙汰だった。
「その記録を見せてほしいんだけど。」
「いいですけど、ここではちょっと。どこか落ち着ける場所に行きましょうか。」
「では白虎さんの家に行きましょう。」
四人は白虎の家に向かった。
また場所を移す。
サミーはとある男を探し飛び回っていた。
「なかなか奴の気配が掴めないな。・・・なんか飛び回って汗かいたな。家に戻ってシャワーでも浴びるか。」
サミーはもと来た道を戻っていった。
その頃家探し白虎君は浜辺に戻ってきた。相変わらず白マントの男が突っ立っている。
「浜辺に戻って来たけど、やっぱり彼以外いないな。気配は彼のすらないけど。・・・こういうときは振り出しに戻るんだ!」
そう言ってヴィントルの家に向かった。
「相変わらずテンションが高い奴だ。」
白マントの男はそう呟いた。