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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
ディオール編・動き出した闇
26/115

分散

こんにちは。ここのところ時間があまり作れません。更新も1週間に1回位になると思います。しかし、時間が作れればもう少し早く更新したいと思います。

それではどうぞ!

そうして、ティルス達はディオールに戻って来た。ティルスが目を覚ますと、知っている場所にいた。ウィンディームの町外れの丘の上だった。


「・・・どうやら無事に戻って来れましたね。」


立ちあがって辺りを見渡す。よく見たが、近くに沙汰が倒れていただけで泰人はいなかった。


「あれ?とりあえず沙汰さんを起こさないと。」


近くに倒れている沙汰に呼び掛ける。少し経って、目を覚ます沙汰。


「・・・おはよう。つーか、ここ何処?」


けっこう混乱しているようだ。とりあえずティルスは、あの後あったことをすべて沙汰に話した。


「分かった。じゃ泰人を探しに行こう!」


すんなり分かってもらえたようだ。


「ではまず、白虎さんの家に行ってみましょう。このことを話しておいた方がいいですからね。」

「おう、行こう!」


二人は白虎の家へと向かった。







「只今戻りました。」

「以下同文。」


白虎の家に着き、ドアを開けそう言う二人。中からティライズが現れる。


「おかえり。私以外いなくなったがとりあえず話がしたいから中に入ってくれ。」


とりあえず中に入りその辺に座る。ティルスが向こうであったことをすべてティライズに話す。


「そうか、莉麻が何かの事件っぽいものに巻き込まれているのか。そして、泰人は別の所に飛ばされた。厄介なことになったな。」


頷きながら言うティライズ。


「だからこれからの行動プランを練り直したいんだ。」

「なんかすぐに全部終わる作戦だったらいいな」


意見を述べるティルスと沙汰。


「よし、白虎の帰りを待ちながら話し合いといこう。目的は泰人と莉麻の捜索と、本来の目的である神殿周りだ。それでどうするかだが・・・・・・」


こうして3人の話し合いが始まった。







場所は変わって、とある街道。白虎は走っていた。


「あいつが行きそうな所はっと・・・・・・。」


考えている。・・・ひたすらに考えている。


「・・・・・戻ろう。」


どうやら気付いたみたいでもと来た道を戻って行った。それを見ていた一人の白いマントの男。浜辺の男とは違うみたいだ。


「・・・なんか俺の仕事代わりにやってくれるっぽいな。じゃあ任せて俺は本来の仕事しに行こうかな。」


男はそう呟いて白虎と反対方向の道をだるそうに歩いて行った。


「ふぁ〜〜。・・・おかしいな、昨日20時間寝たのにまだ寝みいや。」


・・・・・・どうやら寝すぎで逆に疲れているようだった。







場所は戻り、白虎の家。どうやら3人の意見もまとまったようだ。


「よし、確認しよう。まず白虎については、けっこう時間が経ったのに帰ってくる気配がない。まぁ、何か面白いものを見つけたんだと思う。なのでもう忘れてあげよう。」


頷く二人。白虎はあまり人受けしないらしい。


「そして、本来の目的と茅野兄妹の捜索は並行して行うこととする。ちょうどいいことに、少し前に町中でフィドゥを見つけた。多分この町にまだいると思う。彼にも手伝ってもらう。そして私達は目的通り次の神殿のある町に向かいつつ彼らを探す。まぁ、こんな感じだがいいな?」


頷く二人。


「よし、それではフィドゥを探しに町に出よう。」


3人は白虎の家を出て町の中心へと向かった。







そして場所をまた移す。

ティルス達がいるところからずっと離れた場所、ディオールの端にある一つの小さな町、レクナム。ここでは近くに海があり、漁業が盛んである。今日もたくさんの漁師が魚を捕まえるために海に出ていた。

その中で一人で船を出し魚釣りをしている若い男がいた。男の名はスィング。レクナムの人間で、今日はなんかそんな気分らしく、他の人に黙って自分の船を出し海釣りをしていた。


「うん、なかなかいい感じに釣れとるな。いや、俺っちの勘も冴えてるぜ。」


けっこう釣れているみたいで気分が乗ってきているスィング。・・・しかし突然辺りが真っ白に光った。


「うぉ!?なんだ?」


びっくりして倒れるスィング。・・・だんだん光が収まってきて周りを見渡せるようになったのでスィングはその原因が何か見渡してみた。・・・しかし何も見つからなかった。


「・・・俺っちの見間違いか。いや、そんなことは・・・。」


考えていると足に何かがぶつかる。


「あれ、こんなところに何が・・・。」


スィングは驚いた。そこには一人の青年が倒れていた。年は16,7位で見たこともない恰好をしていた。


「・・・な、なんかよく分かんねえけど、とりあえず村に運ぶか。」


スィングは釣りを止めて、村に戻って行った。村に着き急いでその青年を病院に連れて行った。どうやらその青年は気を失っているだけらしくすぐに目を覚ますようだ。


「良かった。まぁ目覚ますまで見といてやるか。」


青年は病院のベッドに寝かされスィングは付き添っていた。しばらく経ってその青年は目を覚ました。


「・・・ここ何処?」


混乱しているようだ。


「おう、起きたか。いきなり光ったと思ったらあんたが倒れてるもんだからびっくりしたよ。」


スィングは青年に話しかける。


「・・・あれ?ティルスや沙汰がいない。」


青年が話す。


「ん?お前以外には誰もいなかったぞ。」

「・・・マジか!?こんなの初めてだぞ。つーかここディオールだよな。多分莉麻もこっちに来ているはずだ。探さないと。ありがとう、そんじゃ!」


そう言って青年は走り去っていった。


「・・・・・・何なんだ?」


良く分からないスィングだった。






「畜生、なんでこんなところに?早く探さないと。」


青年は泰人だった。泰人は病院を出て辺りを見回す。勿論ここがどこだか分かるはずもない。


「・・・ぐ、まずは町から出る。行くぜ!」


当てもなく泰人は走りまわった。そして出口はすぐに見つかった。


「・・・今行くからな。」


泰人はそのまま出口を抜けて走っていった。その後ろからスィングがついてくる。


「おい、待てよ。この辺知らないだろ。俺っちが教えてやるって・・・って、待てよぉ~~。」


スィングは泰人を追いかけて町を出て行った。




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