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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
ディオール編・動き出した闇
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止まった世界

こんばんは、というよりおはようございます。日が変わってしまいました。こんな遅くにすみません。

とりあえず、この話が一区切りついたら新しい話を書こうと思っています。何を書くかはだいたい決まっていますが、その時になったらまた報告します。

それではどうぞ!

世界の時が止まった。


「・・・どうすればいいんだろう。」


止まった世界に一人残されたティルスは途方に暮れていた。今彼以外のすべてが止まっていた。


「僕が動けるのは向こうの世界の住人だからだ。もしこの辺に向こうの住人がいれば、動いているかもしれない。少し探してみよう。」


そう考えたティルスは、老人の家を出て近くを見て回ることにした。




ティルスが家を出てすぐの事、・・・なんと老人が動き始めた。


「・・・さて、ティルス君が帰ってくるまでに準備を進めておかなくてはな。」


そう呟くと、老人は奥の部屋に入って行った。




ティルスはとりあえず近くの公園まできてみたが、やはり誰も動いている様子はなかった。


「うーん、この辺にはいないね。もうちょっと遠くまで行ってみよう。」


とりあえず、適当にその辺を歩いてみたが結局何も変わりはなかった。

気がつくととある土手まできていた。ティルスはとりあえずその辺に座り、川を眺めていた。


「僕は一体どうすればいいんだろう。」


また途方に暮れるティルス。考えもまとまらないようだ。


「一応打開策は考えた。止まった人はこの世界によって縛られている。つまり、向こうの世界に連れていけば動くことができる。だけど、この止まった世界では僕の能力を使うためのエネルギーが集められない。結局意味がないんだ。」


手段が思いつかずに落ち込むティルス。もう何をしても意味がないと考え始めようとしていた。




その時ティルスは近くで異様な能力を感知した。


「・・・行ってみよう。」


能力を感知した場所に行ってみることにした。しばらく歩くと、目的の場所である病院に辿り着いた。


「そういえば前に泰人さんが病院の話をしていたような気がするけど・・・・・うまく思い出せないな。」


そう言って、ティルスは病院の中に入った。


「暗くてよく見えないな。でも力は二階の奥の部屋から発せられているようだね。行ってみよう。」


ティルスは二階に上がり、奥の扉を開けた。そこは、何にも置いていない殺風景な部屋だった。少なくともティルスにはそう見えた。


「時間が止まっていてこの部屋の真の姿は見れないようだね。でもこの異様な力は何かあるに違いない。時間が動き出したらまた来てみよう。」


そう思ったティルスは、とりあえずその場を後にした。そして病院を出ると、そこには一人のサラリーマン風の男が立っていた。


「う、動いている?あなたは一体!?」


ティルスはいきなり動いている人を見て驚いている。


「力がある人間は時間が止まってても動くことができんのさ。俺みたいにな。」


男は何やら笑って話しかけてくる。そんな男を見て、ティルスは警戒しつつ後ずさる。


「別に君には何もしないさ。泰人もパワーアップしたようだしね。心配しなくていいよ。」

「だったらあなたは何しにここに来たんですか。」


当たり前の疑問をぶつけるティルス。


「君達にはディオールに戻ってもらわなくちゃいけないんだ。つーわけで、早く老人の家に戻んな。んじゃ!」

「な、なんでそのことを?・・・ちょ、ちょっと待って!!」


しかし男はものすごいスピードで走り去ってしまった。


「うーん。とりあえず戻ってみよう。」


そう思ったティルスはもと来た道を戻っていった。






場所は変わりディオール

家探し白虎君はサミーを追うのをやめて、何やら不思議な感じがした浜辺に来ていた。


「この辺だったような・・・ん、あれは?」


人影を見つけた白虎は岩陰に隠れる。そこには二人の少女が歩いていた。一人は莉麻、そしてもう一人は・・・・・。


「へぇ、よく分かんないけど凄いことになってるね。」


しばらく見ていると、彼女ら二人に近づく白いマントの人が見えた。


「久しぶりね。元気にしてた?」

「・・・・・まぁまぁ。」


声を聞く限りマントの人は女のようだ。その後も彼女らは色々会話を交わしたが体調の事や最近のあった話ばかりだった。白虎はその辺に興味がなかったので聞き流した。


「では移動しましょう。梓由、ミュア。」

「はい、姉さん。」

「・・・・・こっち。」


ミュアという少女に連れられて彼女らはその場を去った。


「おっと、追わなきゃね。」


彼女達を追うことにした白虎だったが・・・


「・・・待て。」


一人の男の声が聞こえ、白虎の前に現れた。白いマントをした男のようだ。


「お前を行かせるわけにはいかない。この場を去れ。」

「・・・・・・君か。コスプレなんかして、何企んでんの?」


どうやら白虎には誰か分かっているようだ。


「言えない。だが、彼女らは大切な客人だ。邪魔するなら俺自らお前を消すぞ。」


何やら青白い光を放つ剣を取り出したマントの男。


「・・・君と争ってもどうせ僕が負けるんだし止めとくよ。しょうがないな、素直に奴を追いますよ。」


白虎は渋々その場を去った。


「・・・奴の狙いは俺だからこの場からいなくならなくても良かったものを。」


マントの男は海を見ながらそう呟いた。




場所は戻る。

ティルスは老人の家に戻ってきていた。そして


「もう準備は出来てるよ。こっちおいで。」


老人が動いていることに驚いたが、さっきの男の言葉を思い出し素直についていくことにする。

連れてこられた場所は何やら大きな部屋だった。部屋の真ん中には陣があり、泰人と沙汰が横たわっている。


「この陣の中ならば、移動に必要なエネルギーはすぐに回復するぞ。」


ティルスは言われた通り陣の中に入る。するとみるみる力が回復するのが分かる。


「これだったらすぐにでも行けます。」

「ならば行って来い。二人は忘れずにつれて行けよ。」

「はい。」


ティルスはいつものように呪文を唱える。そして三人はその場から消えた。


「頼んだぞ!莉麻君を、・・・ミーアを救ってくれ。」


老人はそう言ってその部屋を後にした。





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