サミー
こんな遅くにすみません。一応、一段落ついたので投稿します。八月に入ったら更新ペースが上げられればいいとは思っています。
それではどうぞ!
時間は戻り、泰人達が戻ってすぐのこと。白虎とサミー、ティライズはとりあえず白虎の家でゆっくりしていた。
「暇だね。」
「暇ですね。」
「暇だな。」
とにかく暇みたいである。
「白虎。暇なのでその辺を散歩してきます。」
「あ、私も行きます。」
あまりにも暇なので、ティライズとサミーは散歩に行くことにした。
「うん、僕はここにいるから。お土産宜しく。」
「・・・・・・。」
二人は微妙な表情のまま外に出て行った。
「うーん、準備はもうしちゃったしな。・・・よし、こっそりついていこう。」
そう言って白虎は部屋を出て行った。
ティライズとサミーはまた町外れの野原に来ていた。晴れてるし、あまり風も強くない、いい天気だ。
「休息なんて久しぶりだな。」
「とりあえず座りましょう。」
野原に腰掛けるティライズとサミー。近くに湖もあるので景色はなかなかいい。
「・・・ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
突然話しかけるティライズ。
「いいですよ。私が答えられる範囲内でならお答えします。」
にこやかに答えるサミー。・・・しかし
「・・・莉麻との合体について詳しく聞きたい。」
「・・・・・・。」
ティライズの質問に対して無表情になるサミー。
「私の知っている限りでは、妖精と人間の融合には契約が必要なはず。しかし、お前達は契約をしていない。つまり・・・・・」
「何か共有しているものがあるといいたいんですね?」
急に喋るサミー。相変わらず無表情だ。
「・・・そのことについては答えられません。まだ時ではないので。」
「まぁ、無理に答えなくてもいいがな。」
あっさりと引き下がるティライズ。
「だが次の質問には答えてもらう。・・・お前は誰だ?」
「・・・・・・。」
黙るサミー。
「答える気がないのか?私は・・・・・。」
ティライズの話の途中で急に光るサミー。そして
「・・・どうやら俺はお前を甘く見ていたようだ。こんなに鋭い奴だったとは。」
サミーの雰囲気と喋り方が変わる。
「まぁ、このことは黙っていな。まだその時じゃないんでな。」
「・・・・・分かった。」
そう言わないといけない気がしたティライズは頷いた。
「いい子だ。じゃあ俺は行かなきゃいけない所があっから行かせてもらうよ。」
そう言うとサミーは飛び去ってしまった。
「・・・・・・・。」
ティライズはしばらくその場で考えていた。
サミーはとある家に来ていた。山奥にひっそりと建つ家だ。昔、ここには一人の男が住んでいたが今はいない。
「・・・ふぅ。いくら1年経ったといっても羽とか色々と慣れないな。」
サミーは家の中に入ると、人形用の椅子に腰掛けて一息つく。
「だけど、もうすぐだな。・・・久しぶりに奴に連絡しようか。」
サミーは目を閉じ、念じる。
「・・・久しぶりだな、古寺歩。」
「お、久しぶり・・・・女の子?」
サミーの頭の中に男の声が響く。
「・・・俺だよ。俺俺詐欺じゃないけど俺だ。」
「その言い方はヴィンか。どうした?」
分かってくれたようなので、サミーはとりあえずあったことをすべて話す。
「ほう、それは面白いじゃないか。もっとやれ!!」
「・・・相変わらずだな。そう思っているなら協力してくれよ。」
サミーはあきれながらそう言う。
「いいよ。お前の頼みなら断るわけがない。楽しそうだしね!!」
とても楽しそうに話す古寺歩。
「じゃあ、茅野泰人が持ってるラルゴの力が目覚める前に破壊してくれ。」
「あいよ、明日にでも行くよ。これから仕事だし、切らせてもらうよ。」
話を終え、サミーは再び目を開ける。
「さて、俺はシュパルツとかいう男のボスでも探そうか。」
サミーは1時間ほど休憩し、外に出た。
しかし、外には白虎が待ち構えていた。
「君、今他の世界の人間と会話していたようだね。」
あくまで冷静に話す白虎。
「あぁ。俺はこの世界の友達少ないんだ。」
笑みを浮かべるサミー。
「じゃあ俺はこれで。人の家を荒らすなよ。」
そう言ってサミーは飛び去った。
「僕はそんなの守る可能性は47%だよ。全くね。」
47%にも関わらず、白虎は迷わずサミーの家?に入って行った。
家の中は普通に綺麗だった。どうやらまめに掃除をしているみたいだ。
「家探し白虎君!!」
ノリノリで家の中を物色する白虎。小さめの箪笥があったので中を開けてみる。すると中には妖精用の服やら下着やらが綺麗にたたまれている。
「彼はロリコンだったのか。種類も多いようだね。」
とても楽しそうな白虎。調子に乗って机の引き出しの中を見る。しかし、次の瞬間
「・・・・・。」
急に真面目な表情になる白虎。中を見て驚いているようだ。
「・・・どうやら遊んでいる暇はないようだね。そろそろ彼を追おうか。」
そう言って家を後にする白虎。
彼が開けた引き出しの中には、鈍く光っている水晶が入っていた。