侵入者
こんにちは。また少し時間ができたので投稿します。それではどうぞ!
泰人とティルスは手紙を受け、老人の家へと向かっている。
「意外に遠いな。自転車で来ればよかった。」
「ティルス!(まぁ、急いで出てきたわけですから仕方ありませんね。)」
3キロ離れた場所まで走っていた。
20分後
「・・・よ、ようやく着いた・・・。」
「・・・ティルス。(さすがに疲れますね。)」
早速中に入るため呼び鈴を押そうとする・・・と、ドアが急に開き老人が現れる。
「来たか。入るといい。」
泰人とティルスは老人の家に入った。
老人の家はどことなく古風な感じがする家で、ほとんどの部屋の床はが畳だ。
「ここだ。」
そのうち一つの部屋に入る。机があるだけのシンプルな部屋だ。
「とりあえず座りなさい。」
言われた通り、泰人とティルスは座る。
「・・・さて、ここに呼んだのは君達に話しておかなくてはいけないことがあってな。」
「・・・莉麻のことですか?」
泰人は聞き返す。
「うむ。どうやら事態はかなり厄介なことになっておるようだ。心して聞いてくれ。」
一息つく老人。
「まずは君の祖父、玄武が戦ってきた敵についてだ。ディオールには世界を安定させるために光の精霊、ミーアが存在している。そのおかげで今までは特に変わりない生活をしておった。しかし、50年ほど前に一人の男が災害を起こした。男の名はヴィントルといい、その災害のせいで世界のリズムが崩れそうになっていた。それを食い止めようと、ミーアは四人の騎士と共にその男に戦いを挑んだ。」
「・・・・それって!?」
泰人が反応する。ティルスは・・・反応がないところを見ると知っているのだろう。
「そう。玄武、白虎、朱雀、青龍からなる親衛隊のことだ。」
老人が頷く。
「ミーアと親衛隊はヴィントルの災害からディオールを救うことに成功はしたが、ヴィントルにミーアが攫われてしまった。奴の本当の目的はディオールで最も力を持っていた光の精霊であるミーアの力の強奪にあった。奴の野望に気付いた親衛隊は別行動でヴィントルの捜索を開始した。そして、玄武がメディスクローズの神殿という所で儀式をしているのを見つけた。しかしヴィントルはすでにミーアを取り込み、闇の精霊へと姿を変えていた。白虎と合流した玄武は奴と戦ったが、あまりに強力すぎる力の前に追い詰められてしまう。だが、彼らは諦めなかった。ヴィントルをミーアとの分離は出来なかったが、ミーアの中に完全封印することに成功した。しかし、そのせいで、ミーアは衰弱していった。己の中に反発する力を抱えておるし、ディオールのために力を使っておるから当然だろう。そこで玄武はこの世界にミーアを連れてくることで、休養をとらせることにした。玄武はミーアを連れてこちらの世界に来てそのままこっちで暮らすことになった。ミーアも最近ようやく力を取り戻したが、1年ほど前に行方不明になってしまった。それからの事はワシにも分からない。」
一気に話して疲れたのか少し話を止める老人。
「・・・それで、その話と莉麻はどんな関係があるんですか?」
静かな雰囲気でいち早く声を出したのは、泰人だった。
「・・・それは・・・」
突如玄関からガチャッと音がする。瞬間老人の表情が変わる。
「もう来たのか。・・・手の早い奴だ。君達、話は後だ。この部屋の奥の奥の部屋に行け。急げ。」
いきなりの事で何が何やら分からない泰人とティルスだったが、言うとおりに奥の部屋を目指すことにした。
泰人達が部屋を出て行ってすぐに一人の男が部屋に入って来た。見た感じサラリーマン風の男性だ。
「よう、門番!早速だが、茅野泰人をこっちに渡してもらおうか。」
ものすごく軽いノリである。
「まったくお前は訳が分からんな。だが、あの少年は渡さん。相手になってやるぞ、ヴィントル!」
老人は構えをとる。
「俺はヴィントルじゃないが・・・まぁいい。相手になってもらうぜ!」
男は老人に襲いかかった。二人の戦闘が始まった。
泰人とティルスが奥の部屋に行くと、いつもと違った空気を感じてディオールの神殿に似たような扉を見つけた。
「な、なんでこれがあるんだ?」
「ティルス!?」
驚く二人。その時門から
「試験を受けにきた者達よ。入るがいい。」
という声が聞こえて扉が開く。
「訳分かんないけど、入んなくちゃ駄目っぽいな。」
「ティルス!」
二人は扉の中に入って行った。
その頃沙汰は、
「このバイク、いい感じだぜぇーーー!!」
バイクで町を走っていた。
いい感じで走っていたが
「ん?変な感じがすんな。」
ある家の前で止まる。家の中では乱闘しているような音が聞こえる。
「うーん。面白そうだし、見に行くか。」
沙汰は近くのコンビニにバイクを停めて、その家の中に侵入した。