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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
真実編
110/115

最終決戦19.スネイラー覚醒! 究極の技、largo

おはようございます、ロンロンの弟子です。遅くなってすみません。年末はやはり忙しいですね。

さて、今回は主人公無双です。とんでもなく強くなった主人公をお楽しみください。

今年中に終わらせるというのは無理そうですみません。詳しくは後書きで。

それでは本編をどうぞ!


少し前の謎の空間


「あ、忘れてたわ。」


出発直前、虚唱は泰人にブラックラルゴを手渡した。泰人はそれを受け取り腰に身につける。


「これで覚醒スネイラーを制御できる。・・・後、沙汰に一言頼めるか?」


「・・・・・・はい!」


そう言って虚唱は泰人に沙汰へ伝える最後の言葉を言う。

そして・・・


「お前ら、頼んだぞ。後は全て託す!」


「分かりました。任せて下さい。」


「俺は希衣成を助ける、それだけだ。」


そんな言葉を交わし、泰人と祇亜は最終決戦の場所へと飛んでいった。




「・・・・・・沙汰、最後にお前に・・・会いたかったよ。」


虚唱は今のでもう限界だった。最後に弟に会いたい、そう言い残して・・・消滅した。






「さて、またちょうどいい時に戻って来れたな。」


泰人は辺りを見回しながら言う。悪夢神は泰人のいきなりの登場に驚き少し言葉が出なかったが、あることを思い出したのかフフフと不敵な笑みを浮かべる。


「・・・なるほど、まだ協力者がいたのか。祇亜と和解でもしたのだろうがもう遅い。貴様等にはもう参加資格は・・・」


「・・・なければ渡せばいいんだろう?」


「・・・何?」


この時を待ってましたと言わんばかりにニヤリと笑う沙汰。どや顔で語り出す。


「お前がこの大会に参加しているのは祇亜からリーダーの証を奪ったからだ。それができるなら参加資格を他の奴に渡すことも出来るはずだぜ?」


「・・・くっ!」


その通りだった。泰人がいなくなって油断していたのか悪夢神はそのことを忘れていた。沙汰とスィングが息切れを気にせず全開を出していたのは全てこの時の為だったのだ!


「さて・・・と」


沙汰は泰人に近づいて手を取る。すると淡い光が沙汰から泰人に移って行くのが見えた。


「・・・ありがとな、信じてくれて。嬉しかったぜ!」


「親友だからな。それとお前の兄貴から伝言があるんだが・・・ん?」


待ったと言わんばかりに泰人の顔の前に手を出す沙汰。どうやらその先を言わせない気らしい。


「その続きは全部終わってから聞かせてもらうわ。時間もないしな。」


そう言う沙汰の身体が消えかかっているのが見えた。参加資格がなくなったため、消滅するのだろう。


「・・・後は頼んだ。お前なら出来るって信じてるぜ。」


「当たり前だ。全部終わらせて莉麻の作ったお菓子でパーティーしようか!」



パンッ!



ハイタッチを交わした二人。消えいく思いを受け継ぐ瞬間だった。こうして沙汰から泰人に参加資格は受け継がれた。




「・・・次は俺っちだな。」


沙汰に習い、スィングは祇亜の手を取り参加資格を渡す。


「俺っちはアンタのことを許した訳じゃない。今は戦力が足りないから仕方なくだ。」


「勘違いするな。俺は希衣成を助ける為だけに来ただけだ。・・・敵は同じだがな。」


祇亜はやはり素直じゃないようだ。まぁ、いいっすけどとスィングが少し笑いながら言い、泰人に耳打ちをする。


「・・・サミーが鍵になっている可能性が高い。絶対に守りきれよ!」


「当然だ。任せてくれ!」


頼もしいなと一言呟いてスィングは消える。これで祇亜も参加資格を手に入れ、準備は整った。


悪夢神はその光景をジッと見ながら考えていた。あまりに想定外が多すぎて流石に何かおかしいと気づくまでそうはかからなかった。


「(・・・まさか女神の力か?この世界のどこかにあるコアがこの現象を起こしているのか。)」


現在夢の世界とディオールは融合している。ディオールにあった女神のコア、本体がこの展開をサポートしていたとすれば納得できる。悪夢神も神のため、ある程度は未来の予想もできるのだがことごとく外れている。となれば同じ神である女神の力が働いていると考えるのは難しいことではなかった。


「(とすればますますこれが手放せなく・・・・・・む?)」


悪夢神は何かを探していたのだが・・・見つからない。どうやら大切な物みたいだが。


「(・・・あそこに置いてきたか。まぁいい、この場にないなら逆に好都合だ!)」


長考を終えた悪夢神は泰人たちを見る。既に戦闘態勢に入っているのか泰人が一歩前に出る。祇亜が出てこないところを見ると一人で戦うようだ。


「一人でいいのか?我は二人でも問題ないぞ。」


「・・・いや、一人でいい。問題ないさ。」


自信満々に答える泰人。悪夢神はあまりに清々しい泰人に少し呆れながらも最強闇呪文ネスティングディオスフィアの術式を高速で組み立てる。


「ならばこれで消えるがいい。覚醒スネイラーの力を貴様から感じない、ならばこれを受けきれまい!」


そして完成する。泰人は腰に手をあてるが悪夢神の方が早かった。


「闇黒弾印・ネスティングディオスフィア!!」


再び放たれる闇の塊。それを見ても泰人は顔色一つ変えないのを見てティルスは慌てる。


「泰人さん、甘く見ちゃ駄目です!その技は・・・。」


と、ティルスの言葉の途中で泰人は振り返りニヤリと笑う。


「大丈夫だから見とけ。いいもん見せてやるよ!」


「・・・え?」


そう言って泰人は腰に付けているラルゴと・・・ブラックラルゴを両手に持った。そしてそれを、一つに合わせた・・・・・・瞬間!



バチバチバチッ



何かが反発する音を鳴らしながら二つのラルゴは一つとなる。色は・・・ない。透明なメジャーで中が丸見えになっている。しかし誰が見てもわかるように異様なオーラに包まれている。


「・・・・・・く、ここで来たか!」


「あれがラルゴの完全体か。全くあれはヤバイってもんじゃないな・・・。」


ヴィントルの言う通りだった。あの悪夢神さえ身震いするほどである。しかし最強闇呪文ネスティングディオスフィアが迫っているのは確かであまり時間もない。泰人は完全体ラルゴをギュッと持つと・・・呟く。



「・・・覚醒せよ、スネイラー!!」



ドスンッ


最初の祇亞との対決以来の登場で、相変わらずの迫力と威圧感だった。泰人はそのまま指示を出す。


「・・・吹き飛べ、ラルゴテンペストおおおおおおおおおお!!」


今度は命令通りスネイラーが従い、嵐の如き一撃が放たれる。・・・その攻撃は覚醒前のスネイラーが放ったものとは全く比べ物にならないほどの威力だった。



ゴオオオオオオオオオオオオオオ



・・・ものすごい音を立ててぶつかる二つの技。ほかの音が全く聞こえないほどの音で泰人と悪夢神、祇亞以外は耳を抑えるほどだ。ぶつかった二つの技はどちらかが消えるまで力の放出をやめようとはしない・・・が、どちらが勝つかは見ている者から見れば明らかだった。



グググググッ



「わ、我が負けている・・・だと・・・!?」


ラルゴテンペストが押していた。徐々に闇を飲み込んでいきその力を増加させていくのが分かる。先ほどの雷の亀とのぶつかり合いよりも・・・一方的な展開だった。


「・・・今の俺は全盛期のヴィントルより強いぜ。悪いがこれで終わりだ!」


完全に闇はラルゴテンペストに飲まれる。そのまま悪夢神へと向かっていくが、悪夢神は回避のしようがない。・・・だが奥の手がある。


「・・・場面変更!」


そう、現在悪夢神がこの夢の所有権を持っている。場所を変えるのも自由自在である。しかし場面が変わるには多少の時間がかかる。その間に・・・



ジジジジッ



「ぐ!?」


ラルゴテンペストが当たる寸前まで来た。近くにいるだけでも体力を持っていかれるような感覚に陥り、只でさえ消耗している体力は限界まできた・・・ところで場面は変わり、場所は川辺に移る。咄嗟の事で悪夢神も場所を選択できなかったようだ。


「・・・ハァハァ、本当に死ぬかと思ったぞ?」


冗談には聞こえない、悪夢神は心の底からそう思っているのだと分かる。今まで余裕だった彼が遂に弱音を吐いた瞬間だった。


「だったら降参しろよ。・・・あと後ろにいる3人は返してもらうぜ。」


「・・・ぬ。」


悪夢神の後ろにある3つのカプセル、悪夢神はちらりとそちらを向くとあることを思いつく。・・・そう、梓由達を人質にすれば泰人を抑えられるのではないかと。だが、泰人はその視線が動くところを見逃さずすぐに何を考えているのか当てる。


「・・・今、梓由達を人質にしようと考えているんだろうがそれをこの俺が許すと本気で思っているのか?」


「・・・何!?」


泰人はラルゴを悪夢神に向ける。輝きは更に増し、これから何をしようとしているのか悪夢神には予想できた。慌てて泰人を止めにかかる・・・


「貴様、まさか・・・」


が既に遅かった。泰人が禁断の言葉を口にする。




「・・・largo」




その瞬間・・・・・・未知なる力が発動した。











「・・・ぐ、何が起きた?」


悪夢神はラルゴから発せられた光により一瞬意識が途絶えたようだがすぐに立て直し辺りを見回す。するとそこには・・・


「お姉ちゃん、ミーア!」


「・・・梓由、もう大丈夫だから。」


「心配かけてごめんね。」


宇木風姉妹とミーアが感動の再会をしているシーンと


「にゃーにゃー」


「おう、元気そうで何よりだぜ。」


プレストとじゃれあっている祇亜の姿が目に入った。後ろを見ると先ほど2人と1匹を入れていたカプセルは破壊されていた。いきなりの出来事で混乱しかける悪夢神だが、泰人の口にした言葉を思い出し納得したように頷いた。


「覚醒スネイラーを制御できるようになった今、奴がlargoを使えても不思議ではないということか。」


「そういうことだ。どうやら俺達の勝ちみたいだな。」


largo、それはprestと対になる力である。prestの時間を早める力に対してlargoは時間を遅くする力を持っている。泰人はその力を使い、悪夢神の時間を遅くすることで動きを止めてその間にカプセルを破壊し梓由達を救ったのだ。

悪夢神は当然そのことに気付いているため、自分が明らかに不利な状況にあることを自覚していた。


「・・・だが、largoやprestには大きな制限がある。まだ我にも勝ち目があることを見せてやろう。」


そう言って再び術式を組み立てる悪夢神。当然最強闇呪文ネスティングディオスフィアなのだが、泰人はそれを見逃さない。再びlargoを唱えようと口を開くがその瞬間を悪夢神はニヤリと笑みを浮かべ術式を強引に変更し即座に完成させる。そして泰人と同時に唱えた。


「largo!」


「波動印・カースオーラ!!」


とは言ってもやはり悪夢神の方が戦い慣れているのか先に発動する。紫色の霧が生まれそれに包まれた時にlargoが適用される。カースオーラは防御を上げるだけではなく特殊な力を無効化する能力も持っていた。だが、カースオーラもかなりランクの高い魔法なのだがlargoはその上をいく。そのため悪夢神は動きが鈍くなる程度で済んだ。


「・・・完全にlargoがかからなかったか。やっぱりそう簡単には勝たせてくれないようだな。」


ある程度防がれたことは泰人も感じているようだ。とは言っても動きが鈍い今ならば避けることや追加の術は使えないため、あのオーラを突破できる技を叩き込めば泰人の勝ちはほとんど確定する。・・・だがそう簡単にはいかないようだ。それを分かっているのは悪夢神と泰人だけではなく、その戦いを見ていた祇亜も気付いていた。


「largoの最中にはスネイラーに変形させることはできないっぽいな。俺のプレストと違ってラルゴはパワータイプみたいだし、強力すぎる技の併用は無理ってことか。・・・悪夢神の奴、守りきってlargoが切れた隙にさっきの技とかで泰人を倒すつもりだな。」


largoやprestは強力なのだがデメリットもある。prestは使用制限が厳しいがある程度融通が利くのだが、largoはprestよりも使用制限は少し緩いみたいだが力の大幅な制限を受けるようだ。タイプの違いのようなものらしい。つまりカースオーラを突破するのは今の泰人には厳しいという結論に至る。悪夢神はそれを読んでいたのだ。


「(・・・残念だったな。今から加勢を呼んでもlargoが切れる方が早い。我の勝ちだ!)」


祇亜達は戦いの巻き添えを受けないようにかなりの距離をとっていた。祇亜は別に問題ないのだが一人で戦うと言った泰人を考えて今はまだ力を貸さないようだ。

しかしこのままでは泰人はやられてしまう・・・のだが本人は至って冷静で既にラルゴウィップを手にして攻撃態勢をとっていた。だがいくら完全体でパワーアップしたラルゴウィップでもカースオーラには届かない。悪夢神はそれが分かっていたからこそこの戦術をとったのだ。

largoが切れる時間が迫る。勝ちを確信した悪夢神だったが、泰人はポケットからあるものを取り出して言う。


「残念だったな。俺達の勝ちは揺るがないみたいだぜ?」


取り出したもの、それは・・・プラスドライバーだった。


「(・・・しまった!?)」


どうやらlargoに気を取られすぎてプラスドライバーの存在を忘れていたようだ。それが悪夢神の失敗だった。

泰人はラルゴのネジをプラスドライバーで再びきっちり締める。するとラルゴウィップが太く凶悪なものに変貌し、悪夢神を覆う膜を貫かんばかりに反り返っている。

・・・断っておきますが、下ネタではありません!本当ですよ?


・・・んん!さて、気を取り直していきましょう。

悪夢神はそれを見て驚く。流石にそれはカースオーラでは防ぎきれないほど凶暴な物のようだ。


「(我が・・・こうも一方的にやられるだと!?)」


「・・・終わりだ。食らっとけ!」


そして捻りを加えて最大の一撃を叩き込む。



「ラルゴパワードウィップ!!!」



ビッターーン!!



「ぐがああああああ!!」


すごい音を立てて地面に叩きつけられる悪夢神。どうやらオーラも貫通したらしく、それは誰が見ても・・・決定打だった。






地面に伏せた悪夢神。消えかかってはいないものの相当なダメージを受けており立ち上がるのはほぼ不可能だろう。


「・・・やったか?」


「やったあ、お兄ちゃん!」


走ってきた莉麻が抱きついてくるのを受け止める。そして他のメンバーも向かおうとするが、・・・何かに気がついたのか祇亜が手で制する。


「・・・これで終わりなんてありえないだろ。あいつはまだ何か隠している手があるはずだぜ。」


「なるほど。流石に勘がいいな。」


「「!!?」」


祇亜の言葉に応えるように悪夢神が顔を上げる。だが身体はもう限界なのか動かない。それを見た泰人は莉麻を後ろに下がらせる。


「全く、イレギュラーが多すぎる。・・・こうなっては我も結構本気を出さなくてはならないようだな。」


「・・・なんだと!?」


驚く泰人。今の言葉が本当だとすると悪夢神はまだ本気ではないということになる。


「黒の魔術師の姿で十分かと思っていたが甘かったか。・・・prestとlargoが相手ならば我も真の姿にならなければならないようだな!」


そう言うと悪夢神の身体がぐねぐねと変に動き始める。あまりにも気持ち悪いので女子組とティルスは目を逸らしてしまう。

その間にも悪夢神は形をグロテスクに変えていく。そして、形になったときその場にいたのは・・・



「さて、こうなっては貴様等には消えてもらうしかないようだ。覚悟するがいい。」



巨大な寄生虫だった。

・・・只今の時間は午後7時45分。タイムリミットまで、残り4時間15分。











続く

どうでしたか?ちょっと悪夢神がちょっとアホの子すぎましたかね。一応神なのですが・・・

largoはprestと真逆の力を持っています。この2つは神の力に匹敵するほど強力です。今回説明したとおりデメリットもあるので連発できませんがね。

さて、現在の主人公はヴィントルより強いです。完全体ラルゴを所持しているので、それだけで能力がハンパなく上がっています。今の主人公なら親衛隊にも勝てますね。やっぱり主人公最強です(笑)

助けた梓由とミーアはサポート扱いに変わっています。参加資格は消えた扱いですが、実際はなくなってません。そのためサポート扱いに変更されたというわけです。サポーター増えましたが、ちゃんと全員活躍します。期待していただければ嬉しいです。

さて、次回は真の姿の悪夢神との対決、そして決着です。泰人と祇亜の最強タッグでの本当の最終決戦になります。最後の対決なので大接戦の予定です。この2人相手に大接戦を繰り広げる悪夢神の真の姿がどれほどなのか、それは次回です。

次の投稿は今年中に頑張ります。今年中に終わらせることはできませんでしたが、年明けすぐにエピローグを迎えるために何とかします。

それでは皆さん、大晦日に元気でまたお会いしましょう!!


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