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Mystic world  作者: ロンロンの弟子
真実編
100/115

最終決戦9.偽り続けてきた歴史4

こんばんは、ロンロンの弟子です。時間開けて申し訳ありません。自分も友人もかなりモチベーション下がり気味だったので・・・。

さて今回はようやく主人公の登場です。果たして最後の英雄を倒せるのか、詳しくは本編で。今回後書きではいろいろ語ります。

ではどうぞ!

古寺歩はエルドイの住む小屋までたどり着いて、助手に話を通し部屋まで連れていってもらった。


「・・・先生は男性嫌いですけど・・・・・・大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ。・・・秘密兵器を持ってきたんで。」


そして話しているうちに部屋の前まで辿り着く。助手の女性は部屋をノックし声をかける。


「先生お客様です。古寺歩さんを連れてきました。」


「・・・ふむ、仕方ないから通してあげなさい。」


「!?・・・・・・は、はい。」


助手は驚いていた。あの子供のティルスさえ男だからといって門前払いだったのに。・・・驚愕しつつも古寺歩を部屋に入れる。




「やぁ、俺だ。・・・はじめましてだな。」


古寺歩はとても馴れ馴れしく話しかける。エルドイは椅子に座りながら古寺歩の方は見ようともしない。


「・・・私の話が聞きたければ・・・・・・」


「分かってるさ。こいつでどうだい?」


そう言って古寺歩が懐から取り出した一枚の写真、それに写っていたのは・・・・・・


幼少時代の莉麻の真っ裸な入浴シーンだった。


「ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ」


それを取り出した瞬間、エルドイは頭がおかしくなった。・・・・・・いや、元々だったすみません。

速攻で写真を奪い取ると穴が開くかと思うぐらいまじまじと見つめる。・・・目が血走っている。


「ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ・・・っと、いいだろう。聞きたいことがあればなんでも聞きたまえ!」


「(泰人、莉麻・・・すまない。俺はお前らの兄貴分として失格だよ・・・・・・。)」


古寺歩は自らの最低な行為を心から謝りつつもエルドイとの話し合いに臨んだ。






観客室・ミーアサイド


バンッ


「ありえない!!」


悪夢神は机を思いっきり叩きながら声を上げる。なぜ彼がこうも興奮しているのか、原因は・・・そう、ティルスのことだ。

ティルスには空間転移以外にも空間創造能力を持っていた。それだけではなく英雄の力を使用する王冠まで持っていた。これらは全て予想外であった。


「この我ですら知らないことがあったとは。・・・とにかくこれはまずい。」


まずいというのは要注意人物が3人に増えたということである。更にティルスはまだしもあれから時間も経ち、スィングは大分回復している。動き出すのも時間の問題だった。


「・・・ならば茅野泰人を消すか。本当は祇亞に任せたかったが要注意人物を3人も残すと危険だ。・・・・・・ま、泰人ならば仕留められずとも無力化はできる。問題はないだろう。」


というものの流石に2度も失敗しているため慎重にならないといけないことは悪夢神も分かっていた。

そして、悪夢神は再び動き出した。






秋の島

沙汰の対決が終わり結界は解除されたものの、泰人と青龍の戦いは続いていた。

・・・とは言っても泰人が一方的に攻撃をし、青龍が捌いているのだが。


「ネクステッドラルゴシュート!!」


泰人はスネイルシューターのトリガーは5回引きつつ横にスライドする。すると泰人の横一列にラルゴシュートの弾が並ぶ。


「行くぜ、・・・受けてみやがれ!」


弾は時間差で青龍へと向かっていく。その弾は上下左右とあらゆる方向から青龍を狙っている

しかし、青龍は一切表情を変えない。相変わらず涼しい顔をしたままだ。


「・・・そうか、この程度なら期待はずれだな。」


そう呟くと背負っていた大剣を抜き、地面に突き刺す。それと同時に突き刺した場所を中心に魔方陣が展開する。そしてそこから電気の球体が5つ出現すると、バチバチと豪快な音を立ててラルゴシュート一つ一つに向かっていき・・・


ジュー


と焼けるような、蒸発するような音を立てて相殺される。

その後、泰人は諦めずに攻撃を放つが全て電気の球体に相殺され青龍には届かなかった。


「・・・やっぱ相性が悪いのはキツイな。」


「それ以前に実力差がかなり開いています。これは厳しいかと思いますよ。」


フィルディアの言う通り、誰が見てもどちらの腕が上かなど一目瞭然だった。でも、泰人は諦めるわけにはいかなかった。それは・・・全員の期待を背負ってこの場に立っているからだ。


「その通りだ。・・・だが、お前には俺を超えてもらわないと困るんだよ。」


その一言には重みを感じた。そう、本心であると泰人は感じ取った。・・・だが疑問もある。


「・・・あんたは俺に強くなって欲しいと思っているみたいだが、何故悪夢神側のあんたが例のアクセサリーを渡したりと手助けをするんだ?明らかに矛盾していると思うんだが・・・。」


ふむと一つ頷く青龍は少し考える。そして数十秒後、答えを出した。


「・・・そうだな。ではこれを受けきったら教えようか。」


そう言うと地面に刺さった大剣を引き抜き泰人に剣先を向ける。すると剣先で魔方陣が展開し、そこからかまいたちのような風の刃がいくつか発生し泰人へと向かっていく。どうやら青龍は雷以外の術も使えるようだ。


「・・・・・・試してみるかな、ラルゴウォール!!」


それに対して泰人はラルゴを掲げてそう唱える。そしてラルゴが巨大化したと思うと、泰人を守るようにかまいたちの間に割って入る。

だが、そう簡単にはいかない。かまいたちは軌道を変えてラルゴウォールを避けるとその後ろへと向かっていく。どうやら起動を変える機能があったらしく青龍はそれを使ったのだ。


「(確かにラルゴウォールは防御力だけではトップクラスだが、こうなることは予想がつくはず。どうして蝸牛結界で逃げなかった?)」


蝸牛結界の転移で避けることが可能のはずだが、敢えて泰人はそうしなかった。その理由はすぐに分かることとなる。

かまいたちはウォールの裏側で目標を切り裂くために動いている。だが手応えがない。かまいたちはただ空を切るのみだ。それを見てどうやら青龍も気付いたようだ。


「・・・・・・フェイクか!!」


「そういうことだ!」


気付いたときにはもう遅かった。泰人が死角から飛び出してきたのだ。流石の青龍も不意をつかれて、かまいたちを戻す時間もなく防御の構えを取るしかなかった。

だがこの作戦には穴があると彼は考えた。ラルゴを囮にするということは唯一の武器を手放してしまうということ。泰人がラルゴを手放してしまえば自分にダメージを与えられないのではないか・・・という疑問はすぐに意味がないと分かることとなる。

泰人は左手に持っていた・・・ボロボロのプラスドライバーを自らの腕に突き刺す。痛そうな光景だが血は出ない、ダメージはないようだ。そしてそのまま時計回りにグリっと回転させると・・・


ボコボコボコボコッ


泰人の右腕が奇妙な音を立てて巨大化する。そうまさに・・・悪魔の右腕だ。

それを見た青龍は確かに感じた。あの右腕にヴィントルの力を。そして泰人の右足が不自然に膨らんでいるのを確認すると確信に至る。さっきのかまいたちもこれを使って避けたのだと。


「そうか、そのプラスドライバーには奴の力が・・・」


「あぁ、俺の大事なものだけどあいつに頼んで強化してもらった。・・・んじゃま、一発食らっとけ!」


そうして振り上げた悪魔の右腕を振り下ろし、渾身の右ストレートを青龍に叩き込んだ。青龍は避けきれずそれをモロに食らって無様に落ち葉の中転がる。どうやら今の一発は青龍も予想外だったようで防御しきれなかったようだ。

青龍がダメージを受けた為かまいたちは消滅する。それと同時にラルゴは元に戻り、そのまま泰人の手元へと戻る。対人の右腕も元に戻るが後遺症なのか少し膨らんでいるように見える。


「・・・今の作戦は見事でしたよ。泰人さんもちゃんと成長しているのですね。」


「当然ですよ。俺はあの祇亞を倒さなければいけませんからね。」


そう言ってガッツポーズを決める泰人。それに対し青龍はむくりと起き上がり泰人の方を見る。かなりのダメージを受けているはずなのに表情は少し嬉しそうに見える。


「なるほど、ラルゴだけに頼らない攻撃方法があるのは予想していなかった。見事だと言わなくてはいけないな。」


「そりゃどうも。・・・それじゃあ教えてもらおうか。あんたの知っていること全てをな。」


いいだろうと頷いた青龍は、まずは何から話そうかと少しの間考えてまとめると語りだす。






まず約50年ほど前、ミーアに俺たち3人がやられたことは聞いたとおりだ。そのせいで満身創痍になっていた俺たちはなんとか逃げようと考えていたんだが、その時弱っていた俺たちに悪夢神は呪いをかけた。その呪いが絶対服従だ。

そのせいで白虎の奴は完全に奴に飲まれたようだが、俺と朱雀はギリギリで踏みとどまっていた。ま、奴は面倒くさいとか言って谷田沙汰との試練以外は何もしていなかったな。

だが俺は影で動きたかったため、抵抗しているとバレたくなかった。そう考えてリスクを減らすために自分を二人に別けた。お前も知っているとおり、白マントの男とシュパルツは俺の分身のようなものだ。そして奴の命令通りティルスを王にするために仲間を集めつつ動きながらも奴を倒すためにお前を試していたんだ。宇木風梓由を仲間に迎えたのは奥の手が欲しかったからだがあまり意味はなかったな。

ヴィントルのやつは最初からお前に悪夢神を倒せるほどの力を付けさせるために近づいたらしいが、俺にはお前がそこまでのやつだとは思えない。いくら玄武の孫とはいえあいつより潜在能力もかなり低くスネイラーを覚醒させるほどの器だと思えなかったからだ。お前の妹の方がとても高かったから茅野莉麻、そして谷田沙汰の方が有望と思ったこともあった。それでも可能性を繋げたかったため、アクセサリーを渡したりはしたがな。うまくティルスに渡ってホッとしているよ。

俺が考えを変えたのは夢世界に来たお前を見てからだ。白虎を倒しラルゴの覚醒には成功し強くなったお前を見てもしかしたらいけるかもしれないと思ったよ。確かに祇亞は強い。奴の能力は危険極まりないからな。あれでもまだ本気を出していないようだし、本気のやつをお前が倒せるかは分からない。・・・・・・お前の妹が潜在能力に目覚めれば何とかなるかもしれないがな。だが前よりは可能性がある。覚醒していなくても俺を倒せるくらい強くなればなんとかなるかもしれないな。

というわけでお前に稽古をつけるためミーア側にいるってわけだ。それに悪夢神の命令に抵抗してきたが俺だがそろそろ限界がきていてな、消える前にお前には俺を倒して強くなってもらわないと困るということだよ。






青龍が語り終わると泰人は納得したように頷いた。色々と合点があったからだ。


「今の放送は全員に聞かれている。もちろん悪夢神にもな。だから・・・そろそろ最後の稽古に入ろうか。」


そう言うと大剣を空へと向ける。すると空が急に曇りだした・・・と思うと、バチバチバチッと物凄い音がしたと思うと雲の間から青い蛇のような生物・・・・・・いや、青い龍が姿を現した。


「さて、こいつとの一騎打ちが最後の稽古だ。スネイラーを召喚してこいつを倒してみろ!」


「言われずともそうするさ。・・・現れろ、スネイラー!!」


泰人はスネイラーを召喚し、青い龍と対峙する。スネイラーも十分大きいのだが青い龍の大きさは桁違いだった。空一面が龍の身体に覆われており雲も隙間から少し見えるくらいだ。朱雀のスラディスとも比べ物にならないほどの大きさと威圧感に泰人は押しつぶされそうになるが必死に耐える。


「では始めようか。行け、蒼電滅消そうでんめっしょう!!」


「・・・決まっとけ、ラルゴブラスタああああああああああ!!」


ぶつかり合う蒼き雷と巨大な水の弾丸、しかし先ほども言ったとおり相性はそう簡単には覆すことはできない。ラルゴブラスターは徐々に雷により蒸発し小さくなっていく。


「・・・泰人さん。無理ですよ、こんな勝負!」


「すみません、男には負けると分かっていてもやらなくちゃいけないときがあるんです。いっけえええええええええええええええ」


泰人は力を込める。すると水の弾丸が少しずつ大きくなっている。どうやら空が曇ったことにより湿度が上がり、それを受けたスネイラーがラルゴブラスターの威力を増幅しているようだった。


「(行ける・・・か?)」


可能性が見えた泰人。彼には一筋の光が見えただろう。しかし・・・・・・それもすぐに消えることとなる。



ピンポンパンポーン



「我は悪夢神なり。今重大な発表をする。」


「・・・!?」


どうやら悪夢神がスピーカーをジャックしたらしい。泰人はこの放送が罠だと分かっていても聞いてしまう、それが人間のさがなのだ。そしてこの放送を聞いた泰人は・・・後悔することとなる。


「フロンという女の妹たちは救えずに悪魔化したぞ。」


・・・・・・衝撃の一言が飛び出した。


「・・・何?」


「・・・え?」


青龍とフィルディアも驚く。同じ驚くでも意味合いは違う。青龍は今何故ここでそんなことを言うのか、フィルディアは純粋に知らなかったからという二種類の驚き方だ。そして、一番驚いたのが・・・


「・・・たすけ・・・・・・・られなかった?」


泰人だった。明らかに動揺して目が虚ろになっている。聞かないようにしても耳に入る、気にしないようにしても一瞬でも気にしてしまう。仕方ないといえばそうなのだがこの状況ではそうはいかない。気を抜いてしまえば・・・命取りだ!

泰人が気を抜いていたためラルゴブラスターの威力も極端に下がる。そんな攻撃で蒼い龍の雷に勝てるはずもなく



バチバチッ



ラルゴブラスターは蒼い雷により蒸発し


「・・・しまっ・・・・・・!?」


気付いたときには全て遅かった。ラルゴブラスターを突破した雷は止まらず・・・



ドドーン!!



「た、泰人さん!?」


泰人に落ちた。




沙汰はその光景を見ていた。変人な彼にも男同士の対決に手を出さないという考えが分かっているようで見ているだけだ。


「流石にもう駄目かもな。・・・ここまでなのか?」


沙汰は悔しそうにそう呟いた。






「くそ、ヤバいことになった!」


体力が回復したスィングは勝者の特権で秋の島に来ていた。そして、来てすぐに例の放送を聞いたのだ。移動速度も自ずと速くなる。そして・・・



ドドーン!!



「!?・・・今のは?」


スィングは嫌な予感がした。とにかく音がした方に向かう。


「ぐっ・・・、やはりちゃんと真実を言うべきだったか。俺っちのせいだ!」


まさか言わなかった真実をこんなことに使われるとは思ってもみなかったスィングには後悔しかなかった。空は一面蒼い龍の身体で覆われており威圧感を感じる。それでもスィングは気にせずに泰人の元へ急ぐ。それしか彼にできることはなかったからだ。




そして何とか辿り着いた彼が見たものは・・・・・・


「・・・マジ・・・・・・かよ!?」


悲しそうな表情をする青龍と・・・・・・・・・・全身火傷だらけで倒れている泰人の姿だった。











続く

どうでしたか?今回で明らかになったのが災害後の英雄達の動きですね。

白虎はあれから操られっぱなしで、ヴィントルの術を食らって元に戻りました。

朱雀は抵抗し続けて働きませんでした。一応沙汰のために稽古?のようなことはしてくれましたけどね。最後の試練では沙汰もかなり得るものがあったようです。

青龍は基本仲間をつくり、悪夢神を欺き続けてきましたね。語られてはいませんでしたが、ティルスの父と青龍は弟子と師匠のような関係でティルスの父はとてつもなく術の才能があったようですが、普通に暮らすことを選んだようです。ティルスに王の資格を移させたのもこのためですね。ティライズも確かに才能はありましたが、悪夢神を倒すには届かないと判断したためティルスに移しました。後は敵対するフリをしてティルスや泰人を鍛えていたというわけですね。一応こういう設定だたりします。もしかしたらミスがあったりするかもしれませんがそこは大目に見てください。

そして今回初なのがプラスドライバー。ボロボロなのには理由がありますがそれは今後明らかになります。効果は単純に強化。蝸牛結界の強化より遥かに上位の効果となります。ヴィントルの力に加えとてつもない思いが込められているためとんでもアイテムの一つです。これにも秘密がありますが、それも後ほど。

あと今回泰人が雷に耐えられたのはラルゴ自体持っていると身体能力が上がるのでギリギリ耐えられました。しかし何とか意識があるものの、朱雀戦の沙汰以上のダメージを受けているのでとても危険な状態です。早く回復させないと、少しでもダメージを受ければ消滅するので気を付けなくてはいけません。

さて次回ですが、もちろん決着編です。果たして傷だらけの泰人は青龍を超えられるのか、沙汰はどう動くのか?・・・そして観客室の動きにも注目ですね。ここで泰人を失えば悪夢神に対抗する手段が減ってしまうのでここが正念場ですね。

次回の投稿は未定です。また就活全滅したので・・・遅くなる可能性大なのでそこはご了承ください。

それではみなさん、元気でまた次回お会いしましょう!!


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