08話 スタートは早い方が良いに決まってる……のか?
実は、夏休みを3日間ほど取りまして、これを書いているのは3日目の夜でございます。
いやぁ、もうちょっと時間を作れよとは思うのですが、どうにも仕事がそれを許してくれないようで(苦笑)
女性にもてない青春時代を過ごしていましたが、おっさんになって仕事にモテモテのようです(爆)
では、続きをどうぞ……
スポーツの天才はいつから始めても一流になれる可能性を秘めているだろうが、天才じゃないとしたらスタートは早ければ早いほど良い。
となれば、今から出来ることを始めるべきだ。
「……とは思ったんだけど、どうしたら良いもんかなぁ……」
やれることは思いつく。
ハードなトレーニングを自主的にやると言うのが真っ先に思いついた。
しかし同時に、成長期に筋肉をつけ過ぎると成長の妨げになると言うのが頭をよぎった。
野球の自主トレで変な癖がつくと、未経験者の方がスムーズに上手になると言うのも目にしたことがある。
「俺、どうしたら良いの?」
必死に考える。
前世でスポーツマンだったりトレーナーであったなら答えも出るだろうが……残念ながらそうではない。
まずは、何が駄目なのか整理してみよう。
筋肉のつけ過ぎが成長の妨げになると言うのは、骨が成長するのに筋力によって妨げられるからって理由だった気がする。
馬の躯体が小さいと、人間と同じような弊害はあるのだろうか……
「そりゃあるだろ」
思わず力弱く嘶くくらいに駄目だと思われた。
足が短ければ当然ながら一完歩での距離に差が出る。
あと、これも聞きかじった知識でしかないが、体格の差は筋力の上限の差らしい。
身体が大きければ、それだけの筋力を身に付けることが出来ると言うのだ。
馬の身体に対しても同じことが起きるかはわからないが、なるほどと思えるのだから考慮すべきだろう。
変な癖は強制しにくい。
う~ん、そもそも走るフォームなんて競走馬は仕込まれるのか?
……馬として生まれて本格的な調教はされてないからもしかしたらあり得るのかもしれないけれど、競馬ファンとして聞きかじった中では走るフォームを評価されていたとしても、それを調教で直したと言うのはきかない。
むしろ、素晴らしいと言われたフォームを知識として知っているのだから、それはチートの一つだろう。
なので、フォームを整えると言うのはアリだろう。
柔軟も程度を知らずに勝手にやると、関節がルーズになるって聞いたことがある。
競走馬の馬体でルーズになって困りそうな関節……飛節かな?
負担の大きい関節はルーズになったらダメな気がする。
負担の大きい関節?
……飛節以外は、手根関節とか、趾節とか……この細い脚だよなぁ。
スポーツ選手に限らず、腰痛などは筋肉をつけて補強すると良いと言うけれど、そもそも筋肉をつけ過ぎたくないのだから、後回しにするべきだな。
あとは、体重か。
体重が必要以上に重いとそもそも身体を動かすのが億劫になると聞いた。
走って成績を出してナンボの競走馬がそれじゃあ駄目に決まってる。
よく食べる必要はあるが、その分の運動もして成長分以外のぜい肉は付けないようにしないと。
なにより、毛艶の良さは買って貰うためにも気にしなきゃいけないからな!
商品価値を上げるの大事!!
そう、競走馬は『商品』なんだ!!
それを自覚しなくては!!
それこそ、奴隷がオークションでより良い主に買い求めた貰うために!!!
……奴隷……そうなんだよなぁ、経済動物であるサラブレッドは、高く値段で買われてナンボ、稼いでナンボ……そんな事実に直面してしまった……
とりあえず、凹んだりもしたけれどやるべきことは見えてきた!
運動強度の高い運動はNG。
しかし心肺機能は高める必要があるので、軽い運動を永続的に行い心肺機能を高める。
その中でフォームが適当ではいけない。
なので、しっかりと一完歩を大きくゆったりと走る。
なんなら、そのフォームの美しさで関係者の目を引き付けることが出来れば上出来!
母であるアブンダンティアだって、跳びの大きい地方競馬向けとは言えない美しいフォームが印象的だったし。
「ってか、成績優秀な母馬と同じようなフォームって、凄く評価ポイントが高いのでは?!」
思わず興奮してしまった。
母のアブンダンティアすらちょっと引いているようだ。
いやしかし、推し馬の子供に転生したからにはそう言う『ドラマ』もあって良いのではないだろうか?
……母の成し遂げられなかったことを、子供の自分が達成する……
それはつまり、ジャパンカップの制覇。
出来ることならば地方所属馬のままで。
……いや、中央競馬に所属したいと思ってるよ?
でも……地方競馬、それも船橋競馬から中央に乗り込んで世界一へ……良いんじゃなぁ~い♪
まさかトネっこがこれだけ具体的な目標と方針を持って自主トレをするなんてありえまい。
……努力でより上を目指す。
その上で天才だったら、俺は最強の馬になれる!!
トレーニングについてどこまで言及すべきか悩んでいますが、『身体はサラブレッド、頭脳は人間』と言う転生チートを発揮するための下準備に関しては書けました!
こう言う条件のサラブレッドが競馬界にどんな旋風を巻き起こすのか!!
それを書けるのはいつのことやらorz