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第2話 馬ってのはここまで臆病だった……のか?

ちょっと生放送の監視をしてる裏でちょちょいと……

時間的には1話からほとんど進んでません!


読んでてもまだ面白い感じでは無いと思いますが……

もしも馬になったら、こんな感じじゃないかな?

 吾輩は、馬である。名前はまだ無い。

 しかし、馬は馬でもサラブレッド種と思われる。


 だって、俺はこの母馬を知っている……


 ホクトベガの再来を言われ、俺の生前の主戦場、船橋競馬場の重賞競走ダイオライト記念で男どもを直前でぶち抜いて見せた牝馬『アブンダンティア』だ。

 その年、ジャパンカップに挑戦するも競走中止、屈腱炎で引退して繁殖入りした……ついこのあいだのようだ。

 今が何年か判らないけれど、そんなに時間は経過していないらしい。


 アブンダンティアの馬主は誰だったっけ……くそう、冠が無いからすぐに思い出せない……でも、所属は船橋だったはずだ。

 中央ではぱっとした成績では無かったけど、期待されないと言う事は無いはず。


 つまり、俺の生存戦略は……競争馬として馬主に買って貰う。そして、怪我無く競走生活をする上で、出来ればいい成績を上げる。

 余り活躍し過ぎると種馬として大変らしいから悩ましいけど、そもそも父親は誰だ?


 期待されてたとしても地方競馬での人気馬でしか無いわけだし、ディープインパクトだとかキングカメハメハなんてことはないだろう。


 ただ、血統はどうであれ、人間の事の記憶・知識を持った状態でサラブレッドに転生したと言う事実。

 生粋の馬よりは複雑な思考が出来ていると思われる。

 ……今まさにこんな考え事をしているくらいだしな。


 なによりも武器になるのは、人間の声を聞き取って理解が出来る!

 こっちが人間の言葉をしゃべるのは出来ないけれど、一方的にでも言葉でコミュニケーションが取れると言うのは圧倒的なアドバンテージだ。



 ……けれど、前世の記憶と言うのか、人間の時の感覚まで残ってるから……身体の使い方がわからん……

 環境適応で慣れてくるだろうけれど……まず、身体の使い方が解からない……

 耳の感度も高いのか? 正直うるさいくらいだ。

 一番困るのは……この視野だな……


 基本的に人間の身体を比べて情報量が多過ぎる!!


 パニックになりそうだけど……まずは目を瞑って、耳から慣れさせようか。


 ………………


 …………


 ……


 やっぱりうるせー!!

 賑やかと言うより、音の洪水。


 凄く広がりがあると言えば広がりがある。

 ちょっと意識すれば、ここではこんな音がすると言うのが把握出来る。


 ……ん? ちょっと待って……



 ………………


 …………


 ……



 やっぱりそうだ。

 なんて表現したら良いのだろう?

 音が立体的に聞えると言うのが、ぐわーって凄くなってくると……見える。

 目は瞑ってるんだけど、音だけで景色が見える気がする。


 そう、『見える』んだ。


 最初は人間の時の癖で『聴こう』としてたんだけれど、そうじゃなくてふわっと音を『掴む』感じ。

 なんて表現したら良いんだ?

 何か一つに集中して音を拾うのが『聴く』なら、広く音を『見る』感じ。


 ……馬になれば解かる……


 もしかして、馬って人間みたいに音に対してそばだてるってことをしないんじゃないか?

 よくよく考えれば、馬は本来警戒心が強い草食動物だし、自分を害する動物に対して常に隙を見せない様にしていなきゃいけないから、意識を一つに縛られると言うのは危険な行為なのか。


 慣れてくると、面白い!

 音に対して慣れてきたら、次は目かな?


 ……耳を塞げたら良いのに……馬には出来なかった……


 ゆっくりと目を開けてみる。

 やっぱり視野が広すぎて、変!!

 VRゴーグル……とも違うか……


 ……


 あ、あれだ!!

 全方位カメラの画像データを目の前にどデカく表示して覗き込んだら、こんな感じな気がする!


 ……知らんけど……これも馬になって貰わないと……


 しかしコレ、どうやって慣れたら良いのやら皆目見当つかない。

 耳の時は、聴くと言う行為自体が間違えと言うか、そうじゃない感覚だった。

 と言う事は、きっと目も人間の時と違う感覚があるんじゃないか?


 見るんじゃなくて、感じる……なんか、そんなのが格闘技だかの極意であった気がする。

 感じる……感じるには……それにしても、ハエが気になるな!

 ちょろちょろと……ん?


 なんか、似た感じを人間の時にしてたな……ハエじゃなくて、蚊だ。蚊を捕まえようとするときに、目の端で拾う感じ。

 ……そうだそうだ! その感じだ!

 目も耳と一緒で、集中しちゃ駄目なんだ♪


 解かってきた、解かってきた!!

 なるほどなるほど! 馬の感覚器官は、とにかく全体を把握する。集中しちゃ駄目なんだ!!


 そう感じれば感じるほど……馬はとにかく、警戒して逃げるのに適した作りになってるんだな。

 馬は競争馬としか見て無かったけれど、本来どんな生き方をしてたかって考えれば納得。


 脅威から走って逃げる。それが馬の本能。


 そう言えば、本当に強い馬はスタートダッシュで一気に引き離してそのままゴールする馬だって言う奴がいたな。

 それが正解なのかもしれない。

 そしてそれ以上に、最後の直線でぶっこぬく追い込みって実は馬としては非常識な事をしてるんじゃないか?


 ……馬、奥が深いな……

……僕自身馬になった事はございません。

なので、ぜーんぶ想像です。

しかし、第2話を書き終って、いまだに主人公の名前が無い……いいのか?

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