3
整列したわたし達は、目の前に覆いかぶさるようにそびえ立つ壁を呆然と見上げていた。
「どの位の高さがあるんだろ」
思わず口に出でたレナの言葉に、わたしも頷き返す。
「俺の身長の5~6人分くらいかな……」
確かにジョンの言うとおりの高さは有るだろう。
「これを登るのかよ……」
誰かのつぶやきは、ここにいるみんなの気持を形にしたものだった。
「全員揃ってるか?」
みんなが歩いてやってくる声の主を見る。
その顔には、わたし達をみて堪えているだろう笑いが見て取れた。
さすがのわたしも、目の前の壁に圧倒され、軽口も叩けないでいた。
「待たせたな、今からこの壁を登る訓練をする。見ての通りの高さだ。落ちればただではすまない。今日が最初の脱落者の出る日になるか、それとも、全員で待ちに待った食事を迎えられるか、君たちの努力しだいだ。さて、最初に挑む勇気のある奴はいるか? そうだな、そいつにはこの後の食事の時間、好きなものを好きなだけ食べる権利を与えよう。もちろん、生きていればの話だが」
わたし達の前に立った髭は、そう言うとゆっくりわたし達を見回す。
みんな下を向いたり、目をそらす。
それはそうだ。
誰だってこんな高い所に上りたくなんてない。
もし上のほうで手を滑らせたりしたら、髭の言うとおり、ただじゃすまない。
そんな事を考えていると、髭と目が合う。
ほんの一瞬わたしを見た髭は、きっとわたししか気付かなかっただろう、小さく笑った。
「わたしが最初に登るわよ!」
思わず口から出る言葉。
「ほお、お前が勇気ある挑戦者か。せいぜい頑張ってくれ」
にやにや笑う髭を睨みながら壁の前に向かう。
壁の前に立ち、見上げると余計に高く感じる。
それに闘志がかき立てられる!
なんて事もなく、大絶賛後悔中だった。
思った事が勝手に口に出るって怖いわね~。
なんて現実逃避をしていると、髭が頬を震わせながら、わたしの肩や体を何度も叩く。
「この期に及んで怖気づいたなんて事は無いと思うが、怖かったら止めてもいいんだぞ。いや、お前に限ってそんな事はないと思うけどな」
むかっ!
いいわよ、登ってやろうじゃないの!
落ちる時は、あんたの上に落ちてやるから!
肩を叩く髭の腕を振り払い、右手を壁のくぼみに手をかける。
体重を掛けても大丈夫なのを確認してから、左手をくぼみに掛ける。
これもまた、体重を掛けても平気か確認してから、今度は右足をくぼみに掛け、次は左足。
壁が脆くなっていないか、必ず確認しながら登ってゆく。
それは、昔木登りをした時に、平気だと思って太めな枝に体重を掛けたら、無残に折れて落ちた時に学んだからだ。
あの時は、せっかく美味しそうな果物を見つけた時だったから、忘れたくても忘れられない出来事だった。
「ほう……」
下の方で髭の呟きが聞こえたけど、今は登る事に集中する。
だが、いくら登っても見えてこないゴールに、段々焦りが生まれてくる。
腕の力も限界に近づいてきた。
もう9割くらいは登っただろうか?
それとも、まだ6割くらいだろうか?
余計な考えが浮かぶたびに、集中しろとそれを振り払う。
ただ、登る事だけを考え、腕を伸ばす。
そして、右腕を伸ばした時に、指先にそれまでと違う感じを受けた。
バランスを崩さないように上を見ると、抜けるような空の青色が広がっている。
「きれい……」
思わず口から漏れた言葉と同時に、限界まで酷使した腕から力が抜ける。
「あ、やば!」
落ちる!
背中から落下しそうになったわたしは、壁をけって体を半回転させる。
これで地面が見えた!
これで上手く着地できれば、死ぬ事はないはず。
地面までの距離を間違えないように集中すると――
途中でガクンと体が止まった。
「えっ、何?」
空中で浮いている事に驚いていると、髭がわたしの下に向かって歩きながら指示を出す。
「ゆっくり下ろせ!」
その言葉を合図に、わたしの体がゆっくり降りてゆく。
何だかよく分からないうちに、地面に立つ事になった。
「最初の奴でばらされるとは思わなかった。せっかく準備したのに、お前のせいで台無しだ」
わたしの前に立った髭は、わたしの体の周りをナイフで切るそぶりを見せた後、文句を言いながら手早く何かを巻き取ってゆく。
よく見ると、髭の腕には太陽の光できらきらした物が見えた。
糸?
「何それ?」
壁を登る前にわたしを叩いたりしたのは、その糸を巻きつけるためだったのかな?
だけど、すごく細そうなんだけど、よく切れなかったわね。
「あぁ? キラースパイダーの糸だ。こんな壁の影だったらほとんど気が付かないくらい細いくせに、結構強く引いても切れないんだ。冒険者の時に偶然出くわして戦った事があってな、あの時は本当、苦労したぜ」
手を止めながら壁を見つめる髭。
まあ、壁を見てるわけじゃなくて、その時の事を思い出してるんだろうけど。
「それを、お前……。こんなに早くばらしやがって……。低い所からだったら、そのまま落としてたのに。あんな所まで登ったんなら、これ使わない訳にはいかないじゃねえか」
ぶつぶつ言いながら、糸を巻き取りだす髭。
みんなの所に戻るために、そっと髭から離れるわたし。
べっ、別に文句を言われるのが嫌だからって、気付かれないように離れようとしてるわけじゃないからね!
なんてわたしが誰かに言い訳していると、まだ髭がつぶやいている。
「まあ、初めてであそこまで登れれば上出来だ……。って、聞いてねえのかよ!!!」
あ、気付かれた……
その後、みんなは体にロープを巻きつけて壁登りの練習をはじめた。
辺りが暗くなってくると、やっと今日の訓練の終わりだ。
そして、待ちに待った、ご飯の時間だ!
朝から体を動かしてお腹が減っていたので、黙々と食事を口に運んでいたら、ジョンに見つめられていた。
「どうしたの?」
食事の手を止めずに聞くと、口元を押さえたジョンが答える。
「おまえ、よく食えるな……」
「お腹減ったもん」
なに心底嫌そうな顔してるのよ。
あ、そうか。
食が細い事気にしてるのか、昨日もあまり食べてなかったもんね。
「13は鉄の胃袋を持ってるんですよ。気にしたら負けです、15」
「そうだな」
ぶつぶつ言いながら頷きあうジョンとヘンリー。
そういえばヘンリーもあまり食べていないわね。
「あなた達も、もう少し大きくなればたくさん食べられるようになるよ」
「そうじゃねえよ!」
「男のくせに、食が細い事気にしてたんじゃないの?」
「人を心配してるふりして、しれっと悪意に満ちた事を言うな」
「違うの? てっきり14より食事が進んでないから、気にしてるのかと思った」
初めて気がついた様にレナを見る、ジョンとヘンリー。
あ、レナ赤くなってる。
「ちょっと、じろじろ見ないの」
「ああ」
「そうですね」
お、ジョンが珍しく素直に言う事を聞いたと思ったら、またヘンリーと内緒話を始めた。
なんかお互いに肩をたたき合ってるわね、変なの。
そんなこんなで、何とかわたし達は上手くやっていった。
だけど、二年位経つ頃に、わたし達は思い知らされる事になる。
アサシンにならなければならないという事に。
―――二年後―――
「おい、13。いい加減起きろ。訓練に間に合わなくなるぞ」
「ふぁ~。もう朝? ぜんぜん寝た気がしないわよ。もう少し寝かせてよ~、寝不足で死んじゃう」
ベッドから声の主を見上げる。
あ、もう訓練用のソフトレザーアーマーに着替えてる。
「鍵開けの居残り訓練なんかやってるからだろ。自業自得だ」
「うるさい。 ちょっと自分が鍵開け得意だからって、偉そうにしないでよ」
「13が壊滅的に鍵開け苦手なだけだろ」
むかっ!
ベッドから抜け出しジョンに指を突きつける。
だけど、訓練所に来た頃と違って、体力が付いてちゃんと食べられるようになったからなのか、急に背の伸びたジョンを見上げるような体勢になる。
「壊滅的って何よ! みんなよりちょっと苦手なだけじゃない!」
「まあまあ、せっかくすんなりベッドから出られた事ですし、朝食を食べに行きましょう」
ヘンリーが横からとりなすように言う。
ジョンと違って、最近すっかり気遣いの出来る男になって来たわね。
ヘンリーも背が高くなって、見上げる形になって来たけど、ジョンと違ってあんたは許すわ。
「おはよう、13。急がないとご飯冷めちゃうよ」
あ、レナ起きてたんだ
当たり前か、いつも早いものね。
「おはよう、14。15、今回は14に免じて許すけど、今度言ったらぶっ飛ばすわよ」
「はいはい。じゃあ早く行こうぜ」
「ちょっと、『はい』は一回でしょ」
「はいはい」
「あんたね!」
さっさと部屋から出て行くジョンを追いかける。
あ、その前にわたしも訓練用の装備にしなきゃ。
いそいそと寝間着を脱ぐ。
だけどジョンの奴、この前までわたしより背が低くてかわいかったのに。
最近はすっかりわたしの言うことを聞かなくなってきたけど、しつけはちゃんとしないとね。
よし、着替え終わった。
今度こそジョンをこらしめるために走り出す。
「じゃあ、僕たちも行こうか?」
「うん」
わたしはジョンの相手で忙しいから、ちゃんとレナをエスコートしなさいよ、ヘンリー。
食堂の入り口を潜ると、いつもわたし達が座っているテーブルへ向かう。
「おはよう、15、13。14と16は寝坊?」
席に着くと、隣のテーブルからアメリアが声を掛けてきた。
くっせ毛で、黒髪。(まあ、ここにいる子供は地毛は分からないけど、みんな黒髪だ)笑うとそばかすの見えるかわいらしい女の子だ。
もちろん訓練用のソフトレザーアーマーを身に着けている。
そのアメリアは、わたし達の隣の部屋に、クルト、ダニエル、フランクの四人で暮らしている。
訓練に慣れ、周りを見る余裕が出てきた頃に、話し掛けて友達になった。
番号も近いので、自然と訓練も一緒にする機会が多い事も、わたし達が仲良くなるきっかけになった。
「後から来るよ」
ぶっきらぼうに答えるジョン。
だけどしっかりアメリアの隣に腰を降ろす。
じゃあわたしはジョンの合い向かいに座るか。
「13。昨日は大変だったね」
「おはよう、17。髭がしつこいから大変だよ」
「13は鍵開け苦手だからな」
アメリアの隣に座っていた、大柄な彫りの深い顔立ちをした男の子が笑いながら言う。
「ちょっと、18!」
アメリアが注意すると、クルトは肩をすくめ食事を再開する。
あ、ジョンがにやにやしてるわね。
クルトもアメリアの事が気になってるみたいだから、ライバルが減点されて喜んでるのかしら。
女の子が少ないから競争率高くて大変ね。
えっ? わたし?
子供には大人の魅力は分からないのよ。
別に強がってる訳じゃないんだからね!
「ごめんね、13」
おっと、考え込んでたら、アメリアが不安そうな顔でわたしを見てた。
「謝る必要は無いよ。本人が一番分かってんだから」
ジョン、あんた何勝手に自分の事みたいに言ってんのよ。
わたしがジョンを睨んでいると、アメリアがおろおろしだす。
「おやよう、17。13は本当に怒ってる訳じゃないよ」
涙ぐんできたアメリアに、遅れてやってきたレナが席に着きながら微笑む。
「でも……」
わたしを見るアメリア。
もう、しょうがないわね。
「気にしてないよ、器用じゃないのは本当だし。そんな事より、今日の訓練はよろしくね」
「うん、私じゃ練習にならないだろうけどよろしくね」
わたしが話題を変えると、アメリアが表情を引き締め答え、クルト、ダニエル、フランクもわたし達を見る。
食事の後は、わたし達とアメリア達のグループが順番に相手を変えて、戦闘訓練の予定だ。
負けたグループはありがたい事に、リベットの奴のしごきが待っている。
引き分けの時は両方のグループがしごかれる。
リベットが仕事熱心でやってる訳じゃないのは、この訓練所に初めて来た時、うれしそうに焼きごてを肩に押し当てていた事からも間違いじゃない。
思い出したらイライラしてきた。
教官との戦闘訓練がたまにあるけど、さすがにまだリベットに勝てない。
もう少し強くなったら、あいつけちょんけちょんにしてやるんだから!
本当、絶対だよ!
「おい、13! もう行くぞ!」
あっ、考え込んでたら、みんな食べ終わって待ってる。
「ごめん、先に行ってて。食器片付けてから行くから」
「早くしろよ! 一人でも遅れたら、部屋全員で罰だからな」
「分かってるよ」
ジョンに言うと、残りのご飯を急いでかき込む。
「まだ飯食ってるのか? ずいぶん余裕だな」
声の方を見ると、髭が腕を組んで立っていた。
「ちょっと考え事してたら、みんなより食べるのが遅くなっただけよ」
「ふむ。まあ訓練に遅れなければかまわないが……」
むっ、何か含みのある言い方ね。
「何か言いたい事あるの?」
「いい加減思ってる事を口に出すのは直せ。リベットの奴が聞いたらヒスるぞ」
「また口に出てた?」
「ああ、俺だったらかまわんが、他の教官がいる時は気を付けろよ。ただでさえお前は目を付けられてるんだからな?」
「へ? そうなの?」
「分かってるくせによく言うな」
あきれる髭に小さく舌を出す。
「まあ、ほどほどにな。俺だっていつでもかばえる訳じゃないぞ」
「ありがとう。いつも感謝してるよ、口には出さないけど」
髭が苦笑いする。
「今日の戦闘訓練は、お前たちのグループは4回戦ったら交代だ。相手の、17のグループは一人毎に交代だけどな」
ん? わたしたちは、一人で4回続けて戦った後次の人に交代だけど、アメリア達は一人と戦ったら次の人に変わるって事?
「ちょっと髭! めっちゃきついよ、それ!」
「だから言っただろ、目を付けられるなって」
ちくしょう、覚えてろリベットの奴。
後で絶対泣かしてやる。
そうとなれば、さっさと食べて準備しなきゃ。
残ってるご飯をほお張る。
髭はひとしきり笑った後、他のテーブルで食べている子へ声をかけに行く。
「まあ、俺もお前がどこまでやれるか見たいんだけどな」
「なんか言った?」
「何でもない、せいぜいがんばれ」
励ましてるんだか何だか分らないセリフを残していく髭。
まあ、いいけどね。
それより早く食べなきゃ。
「苦しい……」
「なあ、13。分かってはいたけど、本当にお前は馬鹿だな」
食べ過ぎで苦しむわたしを呆れた表情で見るジョン。
あっ、レナ、今慌てて視線そらしたわね。
ヘンリーは聞こえない振りしてるし。
「なによ、ちょっと食べすぎただけじゃない」
「それがバカだっていうんだよ。今日は戦闘訓練だって分かってただろ」
「だってしょうがないじゃない。おなか減ってたんだから」
「お前のせいで負けたらどうするんだよ」
「みんなで仲良くしごかれるかしら?」
「なんで疑問形なんだよ!」
「でも、わたし達が勝ったら、17達がしごかれるんだけどいいの?」
「ぐっ!」
お、言葉に詰まったわね。
「だけど、訓練だからしょうがないわね。17だって、自分達がしごかれたとしても、15のせいだなんて思わないわよ、きっと。優しい子だから、そんな事考えたりしない」
「本当か?」
ぷぷ! 情けない顔してるわね。
しょうがない、フォローしてあげるか。
「本当よ! でも、もしかしたら、やさしい17でも、わたし達の事を恨む事も無い事も無いかもしれないけど」
「どっちなんだよ!」
そんな事アメリアに聞けばいいでしょ。
最近のジョン可愛くないんだもん。
べ、べつにアメリアにやきもち妬いてる訳じゃないんだからね。
「13、どうしたの? 」
あ、アメリアだ。
「ちょっと、15が……」
「なんでもないよ、17。13が食べ過ぎたって言うから注意してた所なんだ」
ジョン、あんたごまかすのに必死ね。
だけど、それじゃあ、アメリアに心配させるだけよ。
「そうなの!? 大丈夫? 13」
ほらね。
心配そうな表情でわたしを見るアメリア。
本当、優しいんだから。
「平気よ。15が大げさに言ってるだけなんだから」
「そう、よかった」
笑った顔がまた可愛いわね。
「あ、教官だ」
レナの声で教官達の普段いる建物の方を見ると
「何かもめてる?」
思わず声に出してつぶやく。
「そうみたいだね」
レナにもそう見えるんだ。
髭がリベットに何か言ってるもんね。
リベットも珍しく言い返してるし。
「あ、終わったみたい」
髭が不機嫌そうな顔をしてこっちに歩いてくる。
「早く列に行こうよ」
レナの声を合図に、みんなでそろいつつあった列に並ぶ。
「全員揃ってるか? 前に言ってある通り今日は戦闘訓練だ。対戦相手は分かっているだろうから、他の対戦グループの邪魔にならない位の距離を開けて準備しろ」
どことなく不機嫌な声色の髭の指示に従って、アメリア達と一緒に他のグループの邪魔にならない所へ移動する。
「今日はよろしくね」
頭を下げるアメリアに、みんな思い思いの答えを返すと、軽く練習用のダガーを振るったり、体をほぐし出す。
しばらくすると、審判役の教官がやってきた。
「ちっ! 今日はリベットが審判か」
ジョンが嫌そうに呟く。
「そうですね、露骨にこちらに不利な判定をしますからね」
ヘンリーの顔も曇る。
「……ごめん」
思わず呟く。
リベットが嫌っているのはわたしだ。
同じグループの、レナやジョン、ヘンリーもそのとばっちりを受けてるだけだ。
「気にするな。あいつが変な言い掛かりつけられない位圧勝すればいいだけだ」
真っ直ぐ前を見ながら言うジョン。
「えっ、何か悪い物食べた?」
「をい!」
ジョンがわたしをにらむ。
「13、15は気にするなって言ってるんですよ」
わたし達の間に入るヘンリー。
分かってるわよ、でもジョンに気を使われてるのが嫌なの。
それに、嬉しかったから。顔に出てたら恥ずかしいから、憎まれ口を叩いたの。
「13だって分かってるよ、16。ただ、気恥ずかしいだけだよね」
「ちょっと14、何勝手なこと言ってるのよ。そんな訳無いじゃない」
アメリアのくすくす笑い声が聞こえる。
「仲がいいのね、13と15は」
「そんな訳無いだろ」
「そんな訳無いじゃない」
あんた、何ハモってるの!
アメリア達がめちゃめちゃ笑ってるじゃない。