俳優の卵の場合
はい、二回目の登場です。
「俺は、俳優の卵。演技で憂さ晴らし、いや、八つ当たり?をしてやるぜ。」
足を早め、女の子の方へ向かう。
「おはよう、〇〇ちゃん、今日も綺麗だね。」
「え?」
戸惑った顔をした女の子に何も言わせないように話し続ける。
「隣にいるのは友達?朝は彼氏である俺と一緒に行こうよ。」
「か、彼氏?!」
男のほうが明らかに動揺した。
そう。これは「彼女二股かけてますよ」作戦。
男が動揺している今がチャンス。
更に畳み掛ける。
「今日の夜はうちに来るんだよね?」
ここまで言ったら男は居づらくなって逃げるか、逆上するかだろうと予測していた。
そうすればまともに話などできず誤解は解けない。
けれど実際はそうはならなかった。
「さすが〇〇ちゃん、やっぱりモテるんだね。僕も嬉しいよ。」
予想外の言葉に男の顔を見るが、そこに嫌味な様子は見当たらない。
こいつは心底喜んでいる、そうとしか思えなかった。
「最後の最後には僕を選んでくれる、これは運命だから。今日のところは先行くね。」
この考えが全く理解できなかったのは俺だけのようで。
「待って。」
女の方は素早く反応した。
「最初から最後まであなたが好き。」
きっとこのあと二人は絆を確かめ合うのだろう。
そういう展開しか見えなくなった。
俺は居づらくなってその場から逃げ出した。
筆者はリア充にここまでの恨みはもっておりません!