表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

俳優の卵の場合

俺は俳優の卵。

演技でこの状況を乗り切ってみせる。


俺は

「おえっ、」

と、えずくフリをした。


今度は新聞から眼をあげた男に見せつけるように手を口にあてて

「うっ」

もう一度えずく。


息を止めることで顔の色を変え、呼吸も浅くなり、病人そのものにしか見えないだろう。


こんなところで吐かれたら困る。

と、周囲の人が俺から一定の距離をとりはじめたと同時に目の前に座ってた男も席から立ち上がり逃げ出した。


占領していた2席のうち一つを開けてくれればよかったんだが。


2つ開いた席にゆっくりと座り荷物に顔を埋める。



俺の隣に座ってていた神経質そうなサラリーマンも逃げていった。


両サイドの開いた席には俺が降りるまで誰も座ることはなかった。


もちろん降りるときも具合悪そうなフリは忘れなかった。

なんと言っても俺は俳優の卵なんだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ