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朝のファンタジー
風よりも透明なクリスタルの
窓の向こうから
徐々に聞こえてくる
ドラゴンのうなり声で
僕は目を覚ました
ペガサスのたてがみで織られた
カーテンを開けると
太陽を隠すほど 竜 竜 竜 竜
空の支配者と言わんばかりに
彼らは そう 風よりも自由に飛んでいた
こすった手をどけると
魔法の日常の魔法は消えた
冒険 ではなく 学校へ行ってきます
日が昇ったから起きたのではなく
時計を見て 時間になったから
いつものように 何となく起きただけ
毎日が同じことの繰り返しで
つまらなくて飽き飽きしてても
考える必要なんてない
どうせみんなくだらないに決まっている
ゼロから無限までの永遠の道を
目を閉じて 手探りで
歩いてるふりをしている
始める前から諦めていて
夢なんて意味ないと
全てが色あせてみえる
心の目が曇っていては、何にも見えないよ。