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ep.V

「相手を気遣い、思い遣る心が大切です」


そんな言葉を幼少の頃に教わった。

日本人特有の思いやりの精神だ。


けれど、相手を気遣い、思いやりをもって接しようとすると、相手の悪い所を言えないまま時間が過ぎる。


良い所だけを相手に伝える。それは優しいとは言えないだろう。けれど、悪い所を率直に伝えると、相手は私を蔑み侮蔑する。その悪い所が相手により核心に近く、相手が障ってほしくない場所なら尚更。だが、そんなものは長年一緒にいても分からないだろう。ならば、悪い所を指摘するのは、相手にとって良い事ではないのではないか?

相手を思いやり気遣うならば、悪い所を指摘するべきではないのではないか?

と。自分の事で手一杯なのに、相手の事を考えて考えて考えてゴチャゴチャになって閉鎖的に閉じていく。

色んな憶測や色んな未来を妄想想像して、たらればの展開や思考を巡らせていく。これが複数人で話し合っているなら、また話は違っただろう。しかし、一人で考え思考するのには重過ぎて、どんなに時間を費やそうともキャパオーバーで負の感情を産むだけの無意味さがある。


でも、考え思考して演算して手探りながら頭の中で構築して…

そうやって、ずっと生きてきた。じゃないととっくに潰れ消えているだろうから。


だけど、この前親戚にこう言われた。


「めんどくさ」


何も言い返せない。けれど、ただハッキリと明確に思う事は、言いたい言葉をそのまま口に出してなんでもかんでも開いていける意志の強さは私には無いと。

嫌悪も憎悪も侮蔑も軽蔑も怖くは無いが、「否定」される事が分かっていて、尚、食らいついてやろうだなんて。

一度は思っただろう。

でも出来なかった。挫折した。頓挫した。諦めた。失望した。


私が私らしく私たらしめるこの生き方を、性格を、考えを、

「否定」されたらもう、

"伽藍(から)"からは解放されるだろう。


良かった。

解放されたら、大好きな人を*す為に真っ黒に染まるだけ。






そう思っている私は、やはり面倒臭いモノなのだろう

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