ep.II
「喜怒哀楽」
人間が人間垂らしめる基礎的な、標準的な、重要な感情の大まかな括り。
「喜び」
とてもポジティブで、暖かくて、気分が高ぶるような感覚。褒められたり、認められたり理解されたり。ほんの些細な事でもその感情は胸から零れるように溢れてくる。沸々と沸騰するお湯のように。いや、床に落としたビー玉の束のように。今まで無かったところに急に唐突に弾けるように。
「怒り」
これは相手と自分に使う感情だ。
悔しさや悲しみや身勝手さや憎しみを込めて。心を、精神を痛め付けるように。生身の心を、精神を殴る暴力であり、抵抗。やりきれない自分の無力さと相手の不理解さを天秤に掛けて、どっちが悪いかを推し量って、ぶつける行動。そこに真実はなく、ただただ自分か相手のエゴと理不尽さがあるだけの何の益もないもの。
「哀れ」
哀愁。これは人によって分かれるものかもしれない。私にとっては、思いやりという名の偽善で固めた同情。
「楽しさ」
喜びと似た感情。これは歪なもの。
この感情の本質を理解はできない。
だから、どうしたというのだ。
無意味に必要性を見出そうとして…
まだ何も成し得ていないというのに。