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Episode8








『さて、2回目の話し合いだけれども…』



「おう…この魔力爆弾をどうしたものか…」



『まさか…こんな森を半壊させるような威力があるとは…』



「聖属性魔力を持ってたら闇属性の魔力にはある程度敏感なはずなんだが…全くわからなかった…」




ふたりでハカを見る。

当の本人は杖を鉛筆代わりに地面にガリガリと絵を描いて遊んでいる。

とてもじゃないけど先程とんでもないことをしでかした子とは思えなかった。

頭を軽く振っていろいろ考えていたことをかき消す。

とりあえず、戦力にはなることはわかった。

コントロール次第ってことも。





『しばらくハカちゃんは魔力のコントロールを覚えていかないと…それで戦闘はどうにかなるかもしれない』



「ぁぁ…そ、そうだな」



『次はユージーンの実力よ』



「お、俺かぁ…」



『勇者あるまじき自信のなさよ…』




魔物との戦闘のために森のダンジョンへと進むことにした。相変わらず不安そうなユージーンの背中を押しながら奥へとずんずん歩く。




「…ナナミ、お姉様」




突然ハカが立ち止まる。ハカの声に私もユージーンも振り返ると、ハカは横の茂みの方を見つめていた。

不思議そうにふたりで顔を見合わせているとハカが見つめていた茂みが急にガササっと大きく揺れた。




「ナナミ、下がってろ!」



『う、うんっ』



「…ナナミお姉様…」



バウウッ!!!





大きな声とともに茂みから飛び出す影。

私達の前に着地したその影は額に鋭い角が生えた犬のような魔物。しかも群れのようで戦闘に他よりも一回り大きい魔物に後ろには6匹控えている。

まだダンジョンの浅いところだというのにこんなにも強そうな魔物が群れで襲ってくることなんかあるの?!




「う…さすがに分が悪いな…」



『……ハカちゃん、さっきの魔法撃てそう?』



「…!う、ん。大丈夫。」



『ユージーン…ハカちゃんの盾になれる?』



「…お、おう。シールドは張れる」




ユージーンが剣を構える。そのままハカの前に立ち集中している。

私はハカに駆け寄って話しかける。

ぎゅっとハカは杖を握りしめている。




『ハカちゃん、タイミングが大事だからよーく聞いてね。魔物が襲ってきたらユージーンがシールドを張って耐えてくれるからその間にハカちゃんはさっきの魔法を貯める。溜まったら少し放つのを我慢してユージーンに合図を送って、ユージーンが避けたら一気に放つ。できそう?』



「魔法…ためる…ユージーン、言う、ハカ、魔法、うつ、できる…!」



『…っよし!ユージーンも聞いてた?』



「ぁあ、その作戦のった…!シールド展開!」




ユージーンの声とともに金色にまばゆく光るシールドがユージーンを覆った。

初めての聖属性魔法の輝きに目が奪われた。

だが、ユージーンの動きとともに魔物の群れはユージーンめがけて突進してくる。

シールドにぶつかりながら唸り声をあげて引っ掻いたり噛み付いたりしている。

シールドに攻撃を受け続けているユージーンは歯を食いしばって耐えている。

ハカは杖をユージーンの背中辺りに向けている。




「ゆー…じぃーんっ」



「…!任せたぜ、ハカ!」




ハカの呼びかけにユージーンが反応をして力を込めてシールドで魔物を弾いた。その刹那、ユージーンは横に飛ぶ。

ユージーンが避けたタイミングでハカは杖の先から闇属性魔法を放った。異次元の威力の魔法は魔物を跡形も残らずに消し去り、あたりは静寂に包まれた。

無事に倒せたことに安堵して呆けていたが、ユージーンが倒れ込んでいるのに気付いて駆け寄った。





『ユージーン!大丈夫!?』









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