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Episode6











『じゃあね、また明日〜』



「ばいば〜い!美嘉ー!また夢見たら教えてねー!」




零に手を降って別れる。

1日中零と大輝とあの夢の話をしていたらあっという間に時間が過ぎて学校が終わっていた。

夢の話だけでこんな時間使うことはこの先の人生あるだろうか、否ない。という感じで電車に乗って家路を急ぐ。

高校生になってから電車通学になったが、帰りの電車は急げばまだ空いていて快適に帰れる。少しでも遅れればサラリーマンの帰宅時間とかぶって帰るだけで体力をもっていかれるのが少しトラウマ。

ふぅ、と息を吐いて外を眺める。

都会ということもありたくさんのビルが立ち並んでいる。大きいものもあれば控えめのものもある。

夢の中で見た村とは大違いだ。





『ただいま〜』



「あら、美嘉。おかえりなさい」



『ん、お母さん。今日は帰ってくるの早いね』



「そうなの、しばらくは美嘉より早く帰ってこれそうよ」



『やったーお母さんが家事してくれる〜』



「あらあら、お母さん頑張った分だけお小遣い減らしちゃおうかしら〜?」



『お母さんはいつもどおりの家事でいいからね?!』




声高らかに笑う母親にはいつまでも勝てないんだろうな、と母親の夕飯作りを手伝う。

そのあとは家族との時間を過ごし、自室へと戻った。




『…また、寝たらあの夢の続き、見れるのかな』




正直眠気はしないけど、気にはなる。

ベッドに寝転んでスマホをいじる。横になっていれば自然と眠気が来るかもしれない。

しばらくスマホを触っているとピコンとスマホに通知が来た。




「やほ〜私も良い夢見れるようにRPGゲームしてから寝ることにするよ〜∠( ˙-˙ )/」



『ふふ、零ってばすごい執念…w』


「美嘉は早めに寝るんだよ!そして何が起こったか教えてね!b」




零からのトークに和みつつ返信をする。

これは明日も夢の話題から逃れられないんだろうなぁと考えつつあくびをする。リラックスして眠気が徐々に来た。

誘われるように目を閉じるとすっと意識は手放されていった。





























「……みお…て…なみ……起きて、ナナミ、お姉様」




『んんん…』




耳元で囁かれる声にまぶたを開く。

ぼやけた視界にはまんまるの黒い瞳の持ち主が顔を覗かせていた。徐々に鮮明になっていく視界。




『ハカちゃん…』



「ん、ナナミ、お姉様、おはよう」




身体を起こして伸びをする。

ハカはベッドの縁に腰を掛けて足をぷらぷらと揺らしている。

また戻ってきた。この世界に。

前日と同じように元の世界で眠りにつくとこっちの世界に来た。




「ナナミ、お姉様、もうすぐ、ご飯できる」



『…うん、支度しなくちゃね』




あくびをして立ち上がるとハカがぴったり横に並ぶ。

部屋にある洗面台で顔を洗って、歯磨き…ができないのは悲しかったがその間もハカは私の隣にぴったりとくっついていた。

フードをかぶっていてあまり表情はわからないが、頭を撫でると上目遣いにこっちを見上げる顔はどことなく嬉しそうに見えた。

お姉様呼ぶくらいには姉のように慕ってくれているのだろうか。




『ハカちゃん、お姉ちゃんって呼べる?』




フルフル、と首を横に振る。お姉様が良いらしい。

うーん、と悩みながらしょうがないか、と受け入れることにした。

私が困ったように笑うとハカも少しだけ微笑んだ。





『ユージーン、おはよう』



「お。おはようふたりとも。朝飯手伝ってくれるか」




広間のようなスペースに行くと同じタイミングで起きたであろうユージーンが食材をカゴに入れてキッチンへと向かうところだった。

本当に帰ってきたんだな。なんで私は夢の中でここに来るんだろうか。

そんな疑問をご飯と一緒に飲み込んだ。









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