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Episode17








「美嘉の寝付きの速さすごいね」



「あんなに渋ってたけど安らかな顔して寝てんな…」




目の前ですぅすぅと子息をたてて眠る七海の姿に友人ふたりは少しだけくすっと笑った。

だが、その雰囲気も急に入った音によってかき消された。

ふたりとも音源の方に振り向くと例のモニターの映像が最初のものから切り替わっていた。




「…まじかよ」



「…本当に美嘉が眠ったら別の世界にいってるってこと?」




モニターは七海を3人称視点で見ているかのような様子だった。

寝起きで伸びをして部屋を出る。

大輝が零の手元を見るがコントローラーで操作をしている様子は全く無かった。

むしろ手にコントローラーを持っていないのだ。

やはりこれはゲームではなくただの映像なのか?七海の世界を共有できるだけの映像?

いろいろ頭の中で仮説が湧き出て来るが今はこの映像に集中することにした。





「ナナミ!俺やっぱりハカを助けに行く!」



『ま、待って何も準備もなく飛び出したって死に急ぐだけよ!』



「…分かってるけど…でも今まで苦しんできたからこれ以上苦しんでほしくない」



『ユージーン…』





ふたりのやり取りに本当に映画でも見てるんじゃないかと錯覚しそうになる。

前のめりで見ていた姿勢を楽な姿勢に直す。




「美嘉ってこんな性格だったっけ」



「え?あー…うーん。優しいやつではあるけど」




ボソッと呟く零の言葉に歯切れの悪い言葉で返すとそのまままた沈黙が流れた。

真っ直ぐとこちらも見ずにモニターを見ている零。




『…分かった。けど、ちゃんと対策も考えながら進もうね。』



「ありがとう、ナナミ。じゃあまずは資金を集めて装備を揃えよう」



『なんだ、ちゃんと考えてるじゃん』



「当たり前だろ、俺にはもう守るものがあるんだ」





ザッザッと村の出入り口に歩いていくふたりを村の人々は追いかける。

ふたりとも交流があったのか村を出ていこうとする姿で何かを察して食料やらなんやらを渡しているようだった。

笑顔でそれを受け取って手を大きく降って村をあとにする。




「最初の村すら出てなかったんか…」



「…まぁ、言ってやるなよ…」





すると何かを思いついたようにバッと床を見てコントローラーを手に取る零。

大輝もその行動を目で追うと、カチャカチャとボタンを押し始める。




「なにしてんだ?」



「んーいや、もしゲームならステータスみたいなの見れないのかなって」



「ぉぉ、確かに。でも前も何も反応なかったんじゃ?」



「前はほぼムービーだったからさ、ほらムービー中ってスキップくらいしかできないじゃん?」



「そうだな、でも今は探索パートってところだからか」



「しょーゆーこと。でも、ないなぁやっぱり」




カチャカチャと変わらず押しているが画面は変わらず。

その間もふたりは平野を歩き続けている。

すると、画面の奥からこちらに向かってくる影が見えた。

これはまさかー














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