1回戦、の前に
とりあえず一言
初めましての方は初めまして
…ということで本編です
とある時間。
とある部屋。
窓はおろか、ドアの一つもない部屋。
その部屋は一面を真っ白の壁、真っ白の床、真っ白の天井に覆われている。
そしてそんな真っ白な壁には、多種多様数多の小物が壁にびっしりと飾り付けられていた。
どこかで見たことのあるようなアニメの女性キャラ。
艶やかな髪色に、毛先だけが違った髪色の女性キャラ。
他にも、金髪の軍人女性キャラなどなど。
たくさんの女性…
いや、巨乳女性キャラのグッズが置かれていた。
それはイラスト集に始まり、アクスタやぬいぐるみ、それにフィギュア…
さらには、タオルやキーホルダー、Tシャツ、うちわ、缶バッジ、エクストラ、エクストラ…
大量のグッズたちが壁にぎっしりと立て掛けられている。
そんな部屋の中心…
グッズの女の子とは違う…一人の女の子の姿があった。
この部屋の主だ。
見た目は可憐。
比較的小さな体躯。
瞳は藍色。
髪の毛はクリーム色。
その髪の毛は腰の辺りまで伸びていて、数カ所アホ毛のように跳ねてしまっている。
顔は小さく、比較的丸みを帯びており、目はつぶらで大きい。
つまりは童顔で、さらに言ってしまうとカワウソのような顔だ。
一応言っておくがちゃんと可愛い。
というか、現実離れした可愛さだ。
その少女は今、女の子座り…
正座を少し崩した座り方で部屋の中心にて、空中に浮かび上がっている映像を噛り付くように見入っていた。
ピカピカと光る映像。
赤や青…
それ以外の色も、映像を見入っている彼女の顔を照らす。
今彼女の視線の先では、二人の人間が激しく刀を交えていた。
鋭く…、そして激しく相手へと刀を向け、それを受ける。
仕返しとばかりに、やられた側もやり返す。
拮抗した様子。
その様子を、彼女はじっと見入っている。
自分の胸の前で両手を握りしめ、まるで画面の中へエールを送っているかのように…
切り合いが進み、拮抗が崩れていく。
片一方だけが浅い傷を受けはじめ、さらには地面に手をつく回数が増えてくる。
そしてどうやら、分が悪いのは彼女が肩入れしているキャラらしい。
その証拠に、彼女はさっきよりも前のめりになっており、口は半開き、手も力なく握られているだけだった。
「負けるな。頑張れ、なのです…」
彼女の口から、小さくエールの言葉が漏れ出る。
その声の大きさは、もし仮に隣に人がいたとしても、聞こえるかどうか怪しいくらいの声量だった。
彼女はじっと映像に見入ったまま動くことはない。
だからこの部屋において、映像で映されるものだけが移り変わっていく。
そんな中映像の中では、彼女の応援しているキャラが窮地に立たされていた。
両膝をつき、そして両手までもが地面についてしまっている。
それでも譲れないものがあるのか、傍に落ちている刀を握り、その刀を地面に突き刺してなんとか立ち上がる。
立ち上がった身体はふらふらと揺れてしまっていて、立っているのも限界だ。
でも残った最後の力を振り絞り、敵へと向かう。
その姿に、彼女も応援の言葉を口にする。
「いけ…。あともう少し、なのです…」
応援された人物は、刀を大きく振りかぶり、敵めがけて振り下ろす。
それを相手も黙っていられるはずもなく、刀で対応する。
どう対応したのかというと…
敵は、彼女が応援していた人物の刀を手から弾き飛ばした。
「えっ…?」
そして手には何もなくなってしまった人物に向かって、敵は刀を…
「ちょっ、待っ…」
映像の中の出来事に対して、何一つすることができない少女から静止に声が向かう。
でもその声は、やっぱり何一つの効力も持っておらず…
敵は、彼女が応援している人物の首を刎ね…
ここで映像が途切れ、流される映像が物語からEDへと切り替わる。
「えっ…?えぇぇぇぇえ!!!ここでですか?ここでなんですか?ちょっ、待ってください!!あの後、あの後どうなるんですか!!!糖分ちゃんは?糖分ちゃんはあの後、いったいどうなるのですか!!!」
彼女が応援していたキャラの名前は糖分という名前らしい。
彼女は、掴むことのできない映像へと手を向かわせる。
映像の端を掴もうとし、何も掴めずスカってしまう。
それに、彼女は映像を睨みつける。
「ぬっ…!!そうでした…。これ、触れないのでした…。でも、そんなことはいいのです!!どうでもいいのです!!あの後!!あの後、糖分ちゃんはどうなるのですか!!どうなるんですか!!」
彼女は流れる映像に向かって問い詰める。
でも映像の返した答えは、EDでの映像と音楽だけだった。
「わー、もう!!うぅ…!!気になります!!すごく気になります!!これ、来週まで待たないといけないのですか!!こんなに気になるのに、来週まで待たないといけないのですか!!そんなの…、そんなの惨いです!!惨過ぎるのです!!」
彼女は映像に向かって文句を言い続ける。
ただやっぱりと、文句を言われる映像はEDを流し続けるだけだった。
でもこの時たまたま、彼女が好きな糖分の姿が一瞬だけ画面に映った。
「あっ!!糖分ちゃんだ。さっきの糖分ちゃんだ!!ぅへ~、やっぱり可愛くてきれいなのですぅ…」
彼女は頬を緩ます。
でも流れたのは一瞬だけ、だから…
「えっ…。あれ!?あれだけですか?糖分ちゃんのとこ、あれだけですか?もっと、もっと見たいのです!!あーもうっ!こんな奴らどうでだっていいのです!!それより、糖分ちゃん…!!糖分ちゃんが見たいのです!!」
また彼女は、映像に向かってに文句を言い始めた。
そしてEDの最後、キャラが総動員の絵が映されると…
「うへぇ~。糖分ちゃんなのです。可愛いのですぅ。」
彼女は映像に向かって頬を緩ます。
そしてEDは終わり、映し出す映像は次回予告へと…
「あっ、待ってください!!私、次回予告は見ない派なんです!!」
近くにあった二つのリモコンのうち、確認することもなく、彼女は片方を手に取る。
手に取ったそれで、彼女は画面を消そうと試みる。
画面を消すボタンがあるはずの場所を何度も…
でも映像が消えることはなく、次回予告の映像が流れていく。
「ちょっ…!!ほんと待ってください!!えっ、あっ…!!この子が、糖分ちゃんを助けに…。なるほどなのです!ナイスなのです!!って、そうじゃないのです!!早く、早く画面を消すのです!!」
彼女は画面に目を取られたまま、またリモコンのボタンを押す。
でも何故かやっぱりと、流れていく次回予告の映像は消えない。
だから彼女は、リモコンのボタンをテキトーに押しまくる。
「消えるのです!早く消えるのです!!」
でもやっぱりと、次回予告の映像は流れたまま…
「あーもう、なんでですか!!なんでなのですか!!故障なのですか?こんな…、とき、に…」
彼女は映像から目を切り離し、ようやくリモコンにへと視線を向ける。
その瞬間、手に持っていたものを見て、彼女の言葉が段々と途切れ途切れになってしまった。
「こ、これ…。なんか見覚えがあるのです…」
背中に嫌な汗をかく少女。
それは背中だけでなく、額にまでも…
「はは、は…。私、悪くないのです…。悪く…。これ、黙ってたら…、ばれない、ですよね…」
彼女は困った笑みを浮かべながら、そんなフラグのようなことを言っていた…
場面は移り変わる。
【主人公サイドへと】
時季は夏。
夕方の時間。
日はまだ高く昇ている。
キーンコーン。
授業の終わりを告げる鐘の音が校舎全体に響き渡る。
それは当然、自分の教室で授業を受けていた俺…や、教室にいた人全員にも聞こえてきた。
黒板に板書をしていた先生が、書く手を止め振り返ってくる。
「じゃー、授業はここで終わりな。テストの復習…中途半場になったから、次はまたこの問題からやり直すからなー。各自、自分でも復習してくるように。じゃ―終わり。はい解散。」
号令の挨拶も必要とせず、男性教師は机に広がった自分の教材の片付け始める。
それを見た俺たち生徒は、色んな動きを見せた。
固まった身体を伸ばす人たち。
「終わった~。」や「部活~。」、「テストどうだった?」などと言った言葉を口にする人たち。
寝ていたのか、起きてぼけーっとしている人たち。
そして…
俺のようにそそくさと帰り支度を始める人たち。
今の授業が今日最後の授業だった。
部活にも委員会にも入ってない俺は、今日はもう学校にいる用もない。
だから、帰るために机の物を仕舞っていく。
数学、93点だったテスト用紙や教材を。
荷物の片付けも終わり、帰ろうとする俺。
荷物を手に取ったところで、よく一緒にいる奴の声が聞こえてきた。
「なー、たかし。」
俺の名前だ。
フルネームだと、田中たかし。
振り返ってみると、そこにはやっぱりイツメンの地味顔があった。
「なんだ?佐藤。」
俺を呼び止めてきたやつの名前だ。
振り向いた俺に、佐藤は言葉をかけてくる。
「この後さ、本屋、行かないか?糖尿の邦の新刊が出てて、買いたいんだよ。」
糖尿の邦…
最近人気が出てきた漫画で、佐藤もはまっている漫画だ。
聞く度に思うけど、すごく甘ったるそう…
「あー、パス。」
「えーなんでだよ。テストも終わったんだしいいだろ。」
佐藤は少しむすっとした表情で尋ねてきた。
「いやさ、この後…、大会があるんだよ。」
大会…
カードゲームの大会のことだ。
ほぼ毎週開かれる、そこまで規模が大きいわけでもない大会。
それがこの後、この学校から少し離れたカードショップで開かれることになっている。
「大…、あー、好きだねー。」
「好きっていうかなんていうかさ、この前は負けたから…、だから今日はそのリベンジに行きたいんだよ。」
「なるほどね。相変わらず、負けず嫌いなことで。」
「うっせー。」
俺の言葉に佐藤は頬を緩め、それにつられて俺の頬も緩むのが分かった。
だけどすぐ、何故か佐藤は、笑顔をニマッとした笑みへと変えてきた。
「勉強も、それくらい頑張ればいいのにな。」
今日は、期末テストが明けての一日目の授業。
さっきの数学の授業の始めにテストが返されたが、それが今回のテストで初めて返されたものだった。
そして、俺を見てくる佐藤のニヤつき…
きっと返ってきたテストが良い点で、俺に自慢したいんだろう。
前回のテストでも散々自慢されたし。
ほんと、嫌な性格してるわ。
「うるせー。これでもまだやってるわ。」
「まだ、ね…」
「まだだよ。悪かったな。」
「ははっ…」
俺と佐藤は言葉を交わしていく。
だけど途中で、佐藤は返事を返してこなくなった。
きっと、テストの点を聞いて欲しいのだろう。
今目の前でまさにそういう目をしてるし。
しょうがない。
「で、佐藤は何点だったんだ?」
「あー、それはな!」
やっぱり聞いて欲しかったのか、佐藤は分かりやすく楽し気な表情になった。
そして、どこからか取り出した答案用紙を見せてくる。
採点のとこに、87と書かれた答案用紙を。
よし、勝ち!!
俺の勝ちーっ!!
しゃーっ!!!
うっれし…!!
あー、うっれし!!
佐藤の答案用紙を見た瞬間、俺は心の中でガッツポーズをした。
正直、顔にまで喜びが出てないか不安だった。
でもそれは杞憂のようで、佐藤は俺の反応を楽しそうな顔で見つめてくるだけだった。
「はー、今回もすごいな…」
「まーな。それほどでもあるかもしれないな。」
ほんと嬉しそうだ。
自画自賛するほどだし。
「でさ、たかしは何点だったんだ?」
来た。
やっぱり聞いてきた。
ちょっとわざとらしいかもしれないが、油断させるため、俺は答案用紙の入ったカバンを自分の方へ引く。
「いや…。それは、なんていうか…」
「いいだろ?俺も教えたんだからお前も教えろよ~。」
佐藤が俺の肩を軽く揺さりながら聞いてくる。
軽くじゃれてくる感じで、自分がテストで勝ったと油断しきっているように見えた。
もういいか…
もういいよな?
「は~。しょうがないなー。」
「さすが!で、何点だ?何点なんだ?」
さー、どっちだ。
口頭か。
それとも、いきなり答案用紙を見せるか…
口頭だな。
口頭の方が、二度おいしそうな気がする。
俺は自信の無さそうな声で…
「93…」
「93か~。また今回も、俺のか…。え、今なんて言ったっ!?」
佐藤が目を大きく見開かせて、驚きの表情で聞いてくる。
「んー、93だけど?」
もう我慢する必要もないから、俺は満面な笑みでもう一度テストの点を口にした。
「はっ…?93?93!!?えっ…?はっ!?」
佐藤は大きく目を見開かせ、驚きの表情を見せてきた。
「ん-、そんな信じれないなら…。はいよ。」
俺はカバンの中から答案用紙を取り出して、それを佐藤へ差し出す。
そうするとすぐさま佐藤は答案用紙を俺の手から奪い取り、口を半開きにさせた。
そして呆気にとられながら、小さく言葉をこぼしてくる。
「ほんとに、93だ…」
「そー。93なんだよ。」
俺は笑みを佐藤へと向ける。
佐藤の顔がすぐに歪み、歪んだ顔のまま言葉を絞り出してくる。
「お前…、なんでこんな点取れてんの?」
「ん-、まだ勉強したからかな。」
「まだって…」
佐藤は再度答案用紙を見る。
見ながら…
「まだってレベルじゃないだろ…」
確かに、まだっていうレベルではない。
正直言うと、この前のテストの時に散々煽られたのが悔しかった。
だから今回のテストではやり返してやろうと思い、かなり頑張っただけだ。
すごく頑張っただけだ。
「まぁ、運が良かっただけだよ。」
そんなことこれっぽちも思っていないが、そんなことを言ってみる。
すると佐藤はすぐ、悔しそうな目を向けてきた。
「嘘くさ。」
当たりだ。
嘘だし、運が良かっただけとか全然思ってもいない。
「はい、俺の勝ちー!」
「うっぜ…」
佐藤の言葉は負け惜しみにしか聞こえなかった。
十分に満足した俺は、佐藤の手にある答案を取返しカバンへとしまう。
そしてカバンを手に取り…
「じゃー、先帰るな?」
「お、おう…」
「じゃーな、87点。次も頑張れよ?」
「うっせー。はよ帰れ!!」
「ははは!!」
俺は立ち去る。
そして最後、佐藤から…
「一回戦負けしろ!!」という声が聞こえてきた。
はははっ…
気持ちいー。
ということで、俺は教室を出た。
【一瞬だけの佐藤目線?】
あー、田中には勝ってると思ってたのになー。
クソ!
佐藤は心の中で愚痴った後、自分の席へと戻る。
もう自分も帰宅しようと思っているからだ。
そして自分の席へと戻っている際中に、同級生たちが窓の外を見ているのに気づいた。
釣られて、窓の外を見る。
すると…
「へっ!?今夏なのに…?」
驚きのあまり、そんな言葉を漏らしてしまった。
【主人公サイド】
俺は校舎の出口へと進む。
佐藤と思ったよりも話していたのか、廊下にはもうそこまで人が残っていない。
いやもしかすると、まだみんな教室にいるとかだけなのかもしれない。
どっちにしても人が少ないというのは事実で、いつも気にしないといけない人の往来を気にせず、俺は出口へと向かって行く。
その最中…
「ハックシュン!!」
くしゃみが出てくる。
あれ?
風邪かな?
さっきから、なんか妙に冷える気もするし…
でもまぁ気のせいか…
俺は出口へと歩みを進めていく。
それにしても、佐藤の最初の驚いた顔。
それにその後の悔しそうな顔と言ったら…
前回は佐藤の圧勝だったからあいつ、俺には絶対に勝ってると思って油断してたよな。
それでまた佐藤に勝ちかと臭わせてからの、実は負けてるって分からせるの…
いやー、最高だわ。
ざまぁだわ。
はは。
俺は自分で自分のことを正確悪いとは自覚しつつ、気持ちよく建物の外へと出る。
そして外へ出た瞬間、俺の足は止まった。
だって…
雪が降り、地面が積もっていたから…
今は夏なのに…
「はっ…!?」
驚きのあまり、声が飛び出た。
暗い…、曇天よりもさらに暗い空。
白く大きい雪が、空を見上げる視界いっぱいに広がっている。
地面にはまだ薄い、だけど白い層が出来上がっている。
雪に気を取られて気づかなかったが、出口の傍には雪を眺めるたくさんの人がいた。
今は7月。
それに俺が住んでいるこの街では、めったに雪は降らない。
だから雪自体も物珍しく、周囲の人たちが雪に興味を抱いてもおかしくはなった。
少しばかり、雪に…
白い景色に目を奪われる。
でも思い出す。
この後大会があることを。
俺は空を見上げるのを止め、カードショップへと歩みを進めることにした。
学校を出て、少し歩いた。
周囲には、同じ学校の制服がちらほらといる。
そして彼彼女らから聞こえてくる話題は、もっぱら雪についてだった。
彼ら、での会話では…
「雪…、積もるかな?」
「いや、さすがにそれはねぇだろ。」
「そうか?でもこの感じで降り続ければ、もしかしたら明日にはさ…」
「いやないない。」
「えー、そうか?」
「そうだって…」
「でもさ…」
「なんだよ?」
「雪…、積もった方が楽しくね?」
「確かに!!確かにな!!」
「だろ?」
「あぁ…。おっと…」
ずるっ…
二人組のうち、片方が雪に足を取られる。
それを見た相方の男子生徒が…
「ははっ、だっさ…」
「うっせーわ。歩くのむずいんだって…」
「そんなむずく…、おっと…!!」
足を滑らせた方をイジっていた男子生徒も、言葉の途中で足を滑らせた。
「お前もじゃねーか。」
「うるせー。」
「ははは!!」
楽しそうな会話を繰り広げていた。
彼女ら、では…
彼らの会話が聞こえていたようで…
「男子って子供っぽいよね。」
「分かる―。雪でテンション上がるって子供っぽい。」
「ねー。それに、雪で足滑らすとか…」
「そう、それ。マジダサい!」
「ね!わっ…!!」
彼女たちの片方も足を滑らせた。
「優美、ださー。」
「うるさいなー。愛花だって、油断してるとこうなるんだから…」
「ならないって!」
「そー?」
「そうだって…」
こちらもこちらで、和気あいあいと会話を繰り広げていた。
彼、彼女らのそんな光景を見ていて思ったのは…
これ、何人かで帰ってるから笑い話で済んでるけど、今一人の俺とかが足滑らせたらクソ恥ずかしいやつだよな。
こけて、周囲から見られ、クスクスと笑われる…
うん、絶対恥ずかしくていたたまれなくなるやつだ。
気をつけよ…
そう思い、今でさえ少し慎重気味に歩いているのを、より気をつけて歩くことにした。
そしてそう決めた第一歩目、右足を上げた瞬間…
何故か軸足の方の足が滑った。
「え?あっ…」
足は滑り、身体は傾いていき、そして…
俺は白い空間にいた。
ということで…
俺は1回戦負けですらなく、0回戦負けだったとさ。
まじか…
てな感じで、20話ちょいをほぼ毎日投稿な感じでいきます
その後については作者も今は知りません
まぁ、気楽にだら〜と応援してもらえると嬉しいです