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生産性が必要

作者: 天本有泉

・生産性のない人間を排除する政党が誕生し、国民の圧倒的な支持を得た。


 20xxねん、水田党が、生産性のない人間を排除することをマニフェストに掲げて、総選挙の結果、圧勝した。

 なんでこんなことになったのか、わたしにはさっぱりわからないのだが、近日中にも、水田ミオ総理大臣が、誕生する運びとなるんだろう。


・ホモやゲイをはじめLGBTは、テレビから消える


 早速、忖度が、そんたく、ソンタクが始まり、マツコ○ラックスがテレビから消えた。マツコの本音トーク、割と面白かったのに!これまで、ゲイっぽいの売りにしていたものたちは、突然、ゲイではないというようになった。


・そもそも生産性とはなんぞや


 生産性というのは、色々な側面があるが、いの一番に掲げられたのは、ひたすら子作りだ。子どもは、人類の宝。男女のまぐわいは、なによりも大切。


少子化に歯止めをかけよ。

産めよ。殖やせよ。


この主張そのものは、間違いではないだろう。隣の国も、一人っ子政策をやめたようだし。


・障害者は、排除されるのかどうか?

心のない障害者は、生きていても仕方がないのか、どうか?

最近の痛ましい事件もあり、その事件を題材とした「月」という小説ならびに映画も上映されており、こちらについてはコメントを差し控えたいし、水田党としても、敢えて封印しているようだった。


今回の生産性は、子作りに特化した政策を全面に出して、国民の熱狂的な支持を勝ち得たわけだった。


水田党の政策、

その1として、なんと重婚罪が廃止されることになった。

そりゃそうだろう。一夫一妻では、どちらかに子種がなければ、子どもはできない。

一夫多妻制の復活かと思いきや、男女平等は、尊重するということで、多夫一妻でも、多夫多妻でもオッケーとのことだ。妻も夫も何人でもオッケーだ。


キリスト教は、一夫一妻、イスラム教は、一夫多妻で、パキスタンでは妻は正式に4人まで良いとされているが、宗教の自由は、引き続き保障されることにはなったので、その宗教の教えに従いたい人は、別に迫害されるわけではないようだ。

江戸時代の大名は、典型的な一夫多妻制で、江戸と国元に、正室やら側室を持っていたようだった。別に日本が昔から一夫一妻の国ではなかったわけだし、妾は男の甲斐性と言っていたわけだし、ただ、甲斐性がないと妾も持てないし、結婚すら危うかったとも聞く。


多夫一妻でも、多夫多妻でも、子どもは、DNA鑑定するので、親子関係は明確になるわけだ。これまで、父親が誰の子かわからないのでという理由で、多夫制は認められなかったかもしれないが、心配ご無用だ。


浮気というのは、概念上、あり得なくなるので、不貞行為による損害賠償、慰謝料請求もありえなくなる。

自由恋愛は、OKとなる。嫉妬は、恥ずかしいこととされた。

夫が若い女を連れ込んでもオッケーだし、女房が若い燕を引き入れてもオッケーだ。

好きな異性に気に入られるだけの財力と人柄があれば良いわけだ。


でも、そうはいっても異性にモテないといけないわけだ。容姿端麗に越したことはないが、そうで無い場合は、男も女も財力と人柄ということになるんだろう。ともかくも財力は間違いなく必要で、何がなんでも稼がなくてはならんわけだ。稼ぐと、GDPは上昇するから、生産性、この場合は国力と言い換えてもいいかもしれない、が上がり良いことずくめになるわけだ。



異性にモテることは、最高に重要なことになった。

芸能人達は、大喜びだった。こそこそ不倫して、文春砲に怯えることはなくなった。


石○純一さんが、再度、不死鳥のごとくブレイクしはじめた。

なんと言っても、「不倫は文化」なのだから。


なんだかとても嬉しい。

早稲田大学卒業、トレンディ俳優、女性にはモテモテ、ニュースキャスターなどやりかけようとしたところの、不倫発覚の大惨事でしたね。

 

「不倫が芸術だの、文化などを生み出して、特に、フランス文学などは、不倫のオンパレード」などと言いたかったのでしょうね。


それがなんと「不倫は文化」と括られて、大炎上!

今や、「不倫は文化」なのだから、再度ブレイク!


次に、水田政策その2

子育てについては、国家の責務とされた。保育園は24時間営業、保育料無料、誰でも利用できる。

国が子どもを育てるので、国民に負担をさせてはならないということだ。


妊娠して結果、子どもが生まれると、それまでの生活はいっぺんして、子ども中心の生活となってしまうのが、これまでの国民生活でした。それでは、子育てが生活の大部分を占めてしまい、子作りができないからだ。


子どもは、基本、国家が育てる。親に、子育ての義務はない。親は、保育園に預けて仕舞えばそれで良くて、子どもと遊びたいとか、授乳したい時だけ会いにいくことができる。保育園は、24時間営業、誰でも入れて、保育料は無料。

一日中保育園に預けっぱなしでも良いし、自分で育てたいのなら、自宅に引き取って、働きに行ったり、子作りしたい時に預ければ良いわけだ。


 このマニュフェストが、どうやら熱狂的に支持されたようだった。

子どもが、可愛いと感じない瞬間は、親なら誰しもあるわけだが、世間的には、そんなことは口が裂けても言えはしない。明らかに人格が疑われるわけだし、そんなことを公然と言えば、世間からバッシング、SNSだの炎上は避けて通れないからだ。

親は、子どもによって得られるものがある反面、失うものもあるし、精神的、肉体的、経済的な負担は少なくないし、これが少子化の大きな原因かもしれない。

自分の人生そのものを楽しむことに特化すれば、子育ての時間は苦行のようなものだと悟っている人も、一定数、いるのだろうなあ。


 その3は、予想通り、ゲイやレズは、重罪とされた。性転換手術は禁止された。子作りのできないことは、罪なこととされた。

でも、女の心を持つ男と、男の心を持つ女の結婚は、奨励された!これなら、子作りはできるわけだ。


その4、子作り手当と、独身税の強化

 独身でいるのは、もちろん、自由だが、税金を課せられることになった。一夫一妻制ではなくなり、人妻との結婚もOKになったので、税金払いたくないなら、何がなんでも結婚だ。

独身だが、子沢山というケースと、重婚しているが、子どもができない場合があるが、その場合はどうなるか?


重婚罪がないので、結婚に支障がないはずだが、ライフスタイルとして独身が良い場合もある。セックスは好きだが、異性と生活を共にするのは嫌だとか、遺産の相続人が増えると諍いが増えるので嫌だとか。

確かに、私も、女の体は好きだし、四六時中セックスはしたいが、女のお喋りやショッピングに付き合うのは疲れる。

おしゃべりより、おしゃぶりをしてほしいし、ショッピングより、スワッピングの方が良い。

子どものいる独身は、独身税の減免が受けられることになった。


結婚していても、子どもができない場合は、当分の間、ペナルティは課されない扱いとなった。子どもが欲しくても、できない体質のものに一定の配慮したわけだ。


女は、妊娠すれば、金がもらえるので、割とセックスには積極的になった。女は余程嫌なことがない限り、基本、避妊することはなくなった。その代わり、性病やエイズへの対策は強化された。

 

金のある男、稼げる男は、天国だ。

金はないけどセックスしたいだけの男も、妊娠したい女たちのお陰で、ただマンやりたい放題。ただ、女に気に入ってもらう必要はあるので、トーク術がいるとか、芸人がもてはやされた。

これでいいのだ。きっと。

 

いや、ちょっと待てよ。

この場合、いい思いができるのは、イケメンか金持ち、話の上手い奴らだよなあ、

どっちでもないなら、ただのあぶれ組だよなあ?!

せっかく妻を得ても、いつ寝取られるかもわからんが、その時は、別の女を探すんだろうなあ。


かくして、日本の少子化は歯止めがかかり、GDPも上昇した。














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