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3 信仰 × 一通のメッセージ

気づいたら家に着いていた。




まさにそんな状況だった。




いつものルーティーンでは、パソコンを起動させるのが一番最初だが、とりあえず椅子に座り込んでしまう。




英人は、この行動で自分への衝撃度が、半端なかったことを理解した。




しかも、さっきもう一度、冷静にその動画の視聴回数を見たら二度見、いや、三度見してしまった。




驚きすぎて、目が飛び出すかと思ったが、既に30億回も視聴されている。ただただ、驚きしかない。




今の世界人口は90億人を越えている。


貧困世代や、貧困国と言われる地域でも、携帯が一家に一台は持てる時代にもなった。




だが、全世界人口の約1/3の試聴回数とか本当に現実か疑うレベルだ。




しかも動画がアップされてから、三日間でこの数字をたたき出している。





圧倒的……





ちなみにだが、あの動画一本でどれだけ稼いでいるというのだろうか?




英人には、チャットで話す内容は、夢見心地で意見していた内容や、非現実的である気持ちが強かった。




それは英人にとっては仕方のないことだ。




なぜなら、英人は、仕事では閃きを大事にしながらも、少なからず現実に出来ることを提案しようとしていた。




それでも、仕事では自分の提案は『突拍子もない』『妄想族だ』と言われているから、唯一の息抜きの場所で、会話した内容が実際に映像化されるなんて、当然、思っても見なかったことだった。




しばらくして、英人はハッと我に返り、いつものルーティン作業に入ることにした。




いつものようにパソコンを起動し、チャット画面を2つ開く。




『ピロンッ』




通知音が英人一人の部屋に鳴り響く。




メッセージの通知音だ。




このチャットは、相手がログインしていないときはメッセージを送れる仕様になっている。





『!!!』





『eightersワンより御礼と信仰のお願いについて』




メッセージの題名で確信した。やはりこのチャットには、『ワン』なのかはわからないが間違いなくeightersの誰かが会話に参加しているのだ。




英人の予想が確信に変わっていく。




ん?




ここでやっと冷静になれた英人は当然、引っ掛かった言葉があった。


『信仰のお願い?』




なんだそれは?




いったいどうゆうことなのだろう?




これは悪戯メールの類いか悪魔の誘いか…




そもそも開くべきではないのでは?




様々な憶測が脳裏をよぎる。




めちゃくちゃ躊躇する。




熟考した結果、とりあえず冷蔵庫から缶ビールを取り出し、カシュッと開けて、一気に流し込む。




小休止。




まだ開くか悩む……




それでも悩む……




一時間……




二時間……




あっという間に夜明けを迎えてしまった……




結論。


一旦今日は忘れて、仕事の準備をしよう。




英人はそう思い、シャワーを浴びるのだった。


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