【番外編】花言葉は『心に秘めた愛』
リニア王国の王妃マデリーンはアリシアからもらったブレンド茶をしげしげと見つめていた。
ルイボス、ローズヒップ、そしてリコリスのブレンド茶らしい。
毒のせいで寝込んでおり、体の気だるさと胃の不調が治らないと言ったところ、アリシアが自らブレンドしてくれたお茶だった。
(しかし……、アリシアがこんなに薬草に詳しいとは知らなかったな)
ユミリーナの毒が鈴蘭の花と言うのにも驚いた。
アリシア曰く、鈴蘭の根を薬効目的で利用することもあるそうだが、花や根、茎すべてに毒素が含まれており、ましてや花を水に入れるなんてありえないとのことだった。
このあたりでは鈴蘭の花はほぼ見ないので、香水の可憐な香りしか知らなかったマデリーンは、まさか鈴蘭のせいで娘が苦しんでいるなんてわからなかった。
ましてや、侍医の指示なので、不審に思うことなどあろうはずもない。
アリシアのおかげで、ユミリーナは徐々に体調が回復し、ベッドから起き上がって庭を散歩できるまでになった。
アリシアに不名誉な噂が立ち、冤罪で処刑までされかけたというのに、ここまでしてくれたアリシアにはおそらく一生頭が上がらないだろう。
マデリーンは美しい赤色をしたお茶を口に含んだ。
リコリスを入れたから甘くておいしいはずだとアリシアが言っていたが、確かにこれはいける。医者が処方した苦い薬よりもよほどいい。マデリーンは満足して、ティータイムを終えたら久しぶりに剣の稽古でもしようかと思った。
落ちた体力を回復するには、少しでも体を動かした方がいいだろう。
マデリーンがそんなことを考えていたときだった。
コンコンと扉が叩かれて、見に行った侍女から「陛下がいらっしゃいました」と報告を受ける。
そう聞いたマデリーンは、こっそりため息をついた。
(また来たのか、暇なのか?)
マデリーンが離宮から城へ戻って来てからと言うもの、国王は毎日のようにマデリーンの元へやってくる。
というのも、今回、勝手にアリシアの処刑を決定した国王ブライアンに怒ったマデリーンは、一緒に使っていた夫婦の部屋を使わず、使われていなかった東の日当たりのいい一室を勝手に王妃の部屋としたのだ。
ブライアンはもちろん反対したが、マデリーンがひと睨みするとおとなしくなった。
しかし、部屋のことは渋々ながらに了承した夫だが、今度は毎日のように妻の顔を見に来るようになったのだ。
ブライアンは人としては情けないし疑り深いし頑固で我儘でどうしようもない男だが、なぜか執務は妙にい。
執務の合間に暇を作ることにかけては天才的で――、そのせいで、マデリーンは仕事を理由に夫を追い返すことができなかった。
「マデリーン、調子はどうだ?」
「優しいアリシアがお茶をブレンドしてくれたからすこぶるいいよ」
チクリと厭味を言ったつもりなのだが、この男には通用しない。
そうかそうかとニコニコ笑って、マデリーンの隣に腰を下ろすと、赤いお茶をじっと覗き込んだ。
「……なに、飲みたいの?」
「い、いや、紅茶とはまた違った赤だと思って……」
「ルイボスってこういう色らしいよ。異国のお茶らしいけど、アリシアが輸入品を扱う城下の店で探してきてくれたんだ。一緒にブレンドされているローズヒップは健康だけじゃなくて美容にもいいらしいよ。いいことを教えてもらった」
美しいマデリーン王妃だが、さすがに四十九にもなると目尻の皺や頬の小さなシミが気になってくる。自分ではそれほどではないと思っていても、化粧を施してくれる侍女の口から聞けばさすがに落ち込んだ。
アリシアにそれとなく聞いたところ、今回ブレンドしているローズヒップは美容にも効果的だと教えられて、ブレンド前のものも分けてくれた。飲みにくければ、ほかのハーブとブレンドしたり、紅茶に混ぜて飲むといいというアドバイスまでしてくれたのだ。
今度から困ったことがあればまずアリシアに聞こうと思ったマデリーンである。
「そんなものを飲まなくとも、お前は充分美しいだろう」
「………」
ブライアンはいつも、さらっとこんなことを言う。どう返答していいものか困るので、できればやめてほしいと思いながらも、マデリーンは照れてしまった。
男として非常に情けなく、国王としてもどうかと思うが、マデリーンがブライアンのことを憎めないのはこういうところだ。
今回のアリシアのことも、ただ、家族を――娘を守ろうとする思いが暴走した結果だと言うこともわかっている。わかっているが、もちろん、許されることではないが。
(……はあ、結婚しちゃったんだから、この辺はあきらめるしかないんだろうなぁ……)
マデリーンは残りのお茶を飲み干しながら、ふと、昔のことを思い出した。
☆ ☆ ☆
それは、まだマデリーンが、マデリーン・ステボールト公爵令嬢だったころのことだ。
マデリーンは生まれたときに王太子ブライアンとの婚約が内定していた。正式な婚約発表は、マデリーンが十六歳になったときに――と言われていたことを知っている。
だが――
「何を考えているんだ!」
顔を真っ赤にして怒る父親である公爵の顔を平然と見返して、十五歳のマデリーンは同じ言葉を繰り返した。
「ですから、騎士団に入ります」
「ふざけるな!」
「ふざけてなどおりません」
マデリーンは昔から体を動かすことが好きだった。教養の一つとして剣を習っていた兄について、幼いころから剣を振り回していた結果、すっかりそれにはまってしまって、さらには護衛としてつく騎士たちのきりりとした格好良さに感動したマデリーンは、十を過ぎるころから騎士団に入りたいと思うようになっていたのだ。
(婚約発表されてからじゃ遅いんだ)
次期王太子妃が騎士団へ――なんて、認められるはずがない。
押し通すなら今、婚約が正式に発表される前でないとだめなのだ。
そもそも――これを言えば父が卒倒するかもしれないが――、マデリーンは王太子ブライアンが好きではない。
マデリーンより五歳年上で、今は二十歳のブライアンだが、マデリーンはあんな情けない男は願い下げだった。
顔を合わせてもいつもへらへらと笑っていて、マデリーンに話しかけるときはおどおどする。確かに、美形ぞろいの王家に生まれているだけあって、容姿は格別だったが、ブライアンの価値はそれだけだと言うのがマデリーンの評価だ。
辛辣な評価かもしれないが、結婚するのなら自分より強く、たくましい男でないといやだと常々思っているマデリーンにとって、ブライアンは対象外中の対象外なのだ。
つまり、論外。
「貴族の令嬢が騎士団など――」
「前例がないわけではありません」
リニア王国で女性騎士は珍しいが、いないわけではない。姫の護衛につく際に、女性の方がいいこともあり、団員数は十二人と少ないが、第五騎士団は、女性騎士のみで構成されている。
確かに貴族令嬢が騎士団へ入団することは稀だが、今の第五騎士団の団長は男爵令嬢だ。公爵令嬢は――、まあ、前例はないだろうが。
「反対するなら、勘当していただいて結構です。騎士団への入隊志願はすみました。試験も合格。来週から行くことになっています」
「な、な、な―――」
公爵はあんぐりと口をあけて、わなわなと震えはじめる。
「未来の王太子妃が騎士など、許されるはずがないだろう!」
「でしたらどうぞ――、婚約破棄を」
「ふざけるな――!」
父は今にも卒倒しそうだった。
だが、仕方がない。こればかりは譲れないのだ。今まで父の顔を立てて、行きたくもなかった王太子とのお茶会やパーティー、ピアノやダンスの稽古、その他もろもろ面倒なことにつきあってやったのだから、このくらいの我儘は許してほしい。
(まあ……、このくらいどころか、とんでもない我儘だろうけど)
しかしマデリーンは譲れない。どうしても譲れないのだ。
騎士になりたいのは本当だが、ブライアンとも結婚したくない。あんな男と一生を共にするなんて、考えられない。きっと三日も耐えられない。
王太子の離婚なんて不名誉な結果になるくらいなら、今のうちにさっさと婚約はなかったことにして、王太子はもっと気立てのいい優しい姫と婚約するべきだ。
結果、マデリーンは意地でも譲らず、挙句の果てに「お世話になりました」と公爵邸を出て行こうとして――、最終的に、令嬢の家出という不名誉な噂を恐れた公爵が折れて、マデリーンは晴れて騎士団入りを果たしたのだった。
☆ ☆ ☆
晴れて王太子との婚約破棄に成功し、騎士団入りを果たしたマデリーンだったが、しかし、ここで誤算が生まれた。
(おかしい……)
マデリーン十七歳。
騎士団入りから二年が経った頃のことだ。
もともと剣の腕は申し分のなかったマデリーンは、あっという間に騎士団の中で団長の右腕にまで上り詰めた。
第五騎士団長であるベルタは二十七歳。マデリーンよりも十も年上で、独身を貫いている。すらりとした肢体は小鹿のようで、マデリーンは常々、こんな風になりたいと憧れていた。
さて、そのベルタに呼び出されたマデリーンは、とんでもないことを聞かされた。
それは、マデリーンを王太子ブライアンの専属の護衛に任命するというものだった。
(なぜだ? わたしは、むしろ、ブライアン殿下の妹のフロランス姫の護衛だろう?)
ブライアンには、第一や第二騎士団の、屈強な男を護衛につけておけばいい。繊細な姫に屈強な騎士を貼りつかせると息が詰まるので、ここは自分の出番だったはずだ。
マデリーンが納得のいかない表情を浮かべていると、ベルタは言いにくそうに説明した。
「それが……、これはブライアン殿下の希望なのよ」
「なんですって?」
マデリーンは目を剥いた。
二年前に婚約破棄をしたブライアンは、この二年間一度も会っていない。もちろん、騎士の仕事中に遠目に姿を見かけることはあるが、話は一度もしていなかった。
そのブライアンだが、マデリーンと婚約を破棄したあとも、なぜか別の令嬢と新たに婚約関係を結ぶこともなく、二十二歳を迎えている。王族――特に、男性の王族は結婚が遅いこともしばしばなので、急ぐような年ではないのかもしれないが、婚約の噂くらいたってもよさそうなものだった。
「その……、マデリーンは気心が知れているから、と言われてね」
気心が知れている? 何を寝ぼけたことを。マデリーンはまったくブライアンに気を許していない!
マデリーンは苛々したが、一国の王太子の希望を簡単に退けられないことくらいわかっている。
ここでぐずぐず言って、ベルタを困らせたくはない。
マデリーンは盛大にため息をつくと「仕方ありませんね」と渋々ながら了承した。
☆ ☆ ☆
マデリーンがブライアン王太子の専属の護衛騎士になって二週間がたった。
ブライアンの朝の散歩につきあって城の中庭を歩いていると、彼は突然、四阿でお茶を飲みたいといいだした。
茶くらい部屋の中で飲めばいいのにと心に中で毒づきながら、マデリーンも渋々ブライアンとともに中庭の四阿へ向かう。
四阿の周りには蔓薔薇がたくさんの黄色や白の花をつけていた。
すでに侍女へ連絡していたのか、四阿の白い大理石のテーブルの上にはティーセットが用意されており、それが二人分あったことにマデリーンは首を傾げる。
「どなたか、いらっしゃるのですか?」
何気なく訊ねれば、ブライアンはにこにこしながら答えた。
「私と君だけだよ」
「『君』?」
「うん。私とマデリーン、君だ」
座って――と言いながら、用意されていたティーポットから、自らカップへお茶を注ぐ王太子を、マデリーンは唖然として見やった。
「おっしゃっていることが、わかりかねますが。わたしは殿下の護衛です。もう、婚約者ではございません」
一緒にお茶を飲む理由はないとマデリーンは突っぱねたが、ブライアンは困ったように笑う。
「でも――、一人で飲んでも味気ないからね」
では四阿でお茶を飲むなど言い出さなければいいだろう――、マデリーンは喉元まで出かかった文句をごくんと飲み込むと、やれやれと肩をすくめて、ブライアンの向かい側に腰を下ろす。
こうしてブライアンと一緒にお茶を飲むのは、およそ二年ぶりだ。騎士団へ入団する前は月に一度の頻度でブライアンに城に招かれて、こうして一緒にお茶を飲んでいた。
それこそ、五、六歳のころは、ブライアンに手を引いてもらい、庭を走り回った記憶もある。そのころは、ブライアンのことはただの優しいお兄ちゃん、くらいの認識だった。
「マデリーンは、ドレスもいいけれど、そういう騎士の服もよく似合うね」
フルーツとクリームがたっぷりと挟まっている、一口大のサンドイッチを、ブライアンがマデリーンの皿に取り分けてくれる。
王太子に食事を取り分けてもらうなんて、と普通なら恐縮しそうなものだが、二年前までこれが普通だったので、マデリーンは特に疑問を持たなかった。
「ドレスは動きにくいので、こちらの服の方が性に合っています」
「まとめ髪もいいね。君の銀色の髪はきれいだから、少しもったいない気もするけれど、よく似合っているよ」
「はあ……」
「君が騎士になりたいと聞いた時は驚いたけれど、以前よりずっと生き生きしているから、きっと君には今の方が気が楽なのだろうね」
そう言ってブライアンが少し寂しそうに視線を落とすから、マデリーンは何も言えなかった。
それにしても、どうしてブライアンはマデリーンを専属騎士に指名したのだろう。一方的に「騎士になりたいから婚約をなかったことにしてくれ」と言い出した失礼な元婚約者とは顔も会わせたくないのが普通ではないだろうか?
何らかの罰まで覚悟していたのに、好き勝手したマデリーンに何のお咎めがなかったことも、今思えば不思議だった。二年前はラッキーくらいに思っていたが。
(相変わらず、にこにこしてるし)
二週間前、マデリーンが専属騎士としてブライアンに挨拶へ行った時も、彼はにこにこと笑っていた。
この身にかえても守ります――、と儀礼的な挨拶をしたマデリーンの手を取って、嬉しいけれど無茶はしないでほしいと言ったブライアンの顔は、子供のころ、庭で転んだマデリーンを助け起こしたときの彼の顔に似ていた。
心配で心配でたまらない――、そんな顔。
マデリーンはもう立派な騎士で、剣の腕がからきしのブライアンよりもよっぽど強いのに、どうしてそんな顔をされるのかわからなかった。
だからマデリーンはついつい、「これがわたしの仕事です」と冷たく答えてしまった。
ブライアンはその時も淋しそうな表情を浮かべていたが、マデリーンにはその表情の理由もわからない。
だた、騎士としての腕を信用されていないのではないかと、少しムカッとしただけだ。
マデリーンはフルーツサンドを口に運びながら、優雅な所作でティーカップを傾けている王太子を盗み見る。
彼はいつも、護衛の騎士とこうしてティータイムを楽しんでいたのだろうか。
(騎士を、友人か何かだと勘違いしているんじゃないか?)
彼の優しさは美徳かもしれないが、臣下との距離の取り方を間違えては、為政者として今後困ることになるだろう。
一度注意してあげた方がいいのではないかとマデリーンは思ったが、すでに婚約関係にない自分がそこまで口をはさむのはいかがなものかと思いなおす。
それほど長くないティータイムの時間を終え、四阿から立ち去ったマデリーンたちだったが、花壇の前で、ブライアンが突然足を止めた。
花壇にはマーガレットの白い花が無数に咲き誇っている。
(きれいだな)
可憐な花に目を奪われたマデリーンの目の前で、ブライアンが、花壇から一輪、マーガレットの花を摘み取った。
それを、無言でマデリーンに差し出してくる。
「……え?」
マデリーンが驚いて目を丸くしたが、ブライアンは少し照れたように、にこりと微笑むだけだ。
マデリーンがおずおずとそれを受け取れば、彼はホッとしたような表情を浮かべて、また歩き出してしまう。
マデリーンは彼の半歩うしろを歩きながら、手渡されたマーガレットの花に視線を落とした。
(なんで、急に……?)
マデリーンは知らなかった。
このマーガレットの花が持つ花言葉の意味も、ブライアンの真意も。
ただこの時、微かな胸のざわめきを覚えたことには気がつかずに、マデリーンは小さく首をひねるしかなかったのだ。
☆ ☆ ☆
(まさか、あのあと、結婚することになるなんてね)
人生ってわからないものだと、王妃マデリーンはしみじみ思う。
「それで……、お前は、いつまでこの部屋にいるんだ?」
ブライアンの目の前のティーカップはすっかりからっぽになり、剣の稽古をしたいからそろそろ帰ればいいのにと思っていたマデリーンは、唐突な夫の言葉に驚いた。
「え?」
「だから、いつまでお前はこの部屋にいるんだ? もういい加減、戻って来ても……」
どうやらブライアンは、家庭内別居中の妻に、いい加減に夫婦の部屋に戻って来いと言いたいらしい。
「わたしはまだ怒っているから」
マデリーンがそっけなく言えば、ブライアンの眉尻がしょんぼりと下がった。
「わ、私だって、反省したんだ……」
「そんな言葉で、アリシアにしてきたことがすべて許されると?」
「う……」
「わたしがあれほど言ったのに、一向に耳を貸さなかったくせに」
「うう……」
「挙句の果てに、わたしがいない隙によくも処刑しようとしてくれたよ」
「うぐ……!」
「はあ、今度という今度は、わたしも愛想が尽きたかもしれない」
「マデリーン……!」
ブライアンが悲鳴のような声を出す。
かわいそうなくらい真っ青になったブライアンに、マデリーンはやれやれと肩をすくめた。
結局、マデリーンもこの情けない夫に甘いのだ。
「――冗談だよ。そろそろ体調も問題なさそうだし、部屋に戻るよ」
すると、わかりやすく、ぱあっと満面の笑みで喜びを表現したブライアンが、安心したのか、執務に戻ると言って立ち上がった。
だが、ふと何かを思い出したように足を止めると、ジャケットの内ポケットから何かを取り出した。
すっと無言で差し出されて、マデリーンは瞠目する。
差し出されたのは、一輪のマーガレットの花だった。
「……本当に君は、マーガレットが、好きだね」
マデリーンが小さく笑ってマーガレットを受け取ると、ブライアンは昔と変わらずホッとしたような笑顔を浮かべる。
ブライアンが部屋を出て行くと、マデリーンはマーガレットの白い花を見下ろして目を細めた。
――心に秘めた愛。
マーガレットに、そんな花言葉があると知ったのは、はじめてマーガレットをもらった日からだいぶ経った日のこと。
あれ以来、ブライアンは何かあるたびにマーガレットの花をマデリーンに贈るようになった。
結婚してからは、それこそ喧嘩をした翌日には花束で届くほどだ。
(君は全然タイプじゃないけど――、結婚したことは後悔してないよ)
マデリーンはそっと白い花びらにキスを落とす。
結局、王妃マデリーンは、こうして花をもらうと嬉しいと思うほどには、夫である国王ブライアンを愛していた。







