アコースティック
目覚めて、歌って、そして死ね
脳みそが豆腐みたいで、そんな感じの夜もあって、
オロナミンCで誤魔化した不幸せも
ハーゲンダッツで塗り替えた悲しみも
キャンバスの奥にはしっかりあって
宇宙みたいにとても汚いね。
ひもじく、寒く、眠たく、
僕らは塾で勉強している。
くだらないけど嘘じゃない笑顔をして、
けれど一番は早く帰りたい。
分かれて、一つになって、もう一度分かれて、
これを幾度繰り返すのだろう
失って戻らないいくつかのカケラは
枕や、君や、金魚に預けて、
僕は誰かによってまた分かたれる。
さよなら、はじめまして、ありがとう
たくさんの僕たち。
誰も取るに足らない一生を過ごして、
そのなかで取り返しのつかないちょっぴりの後悔をして、
みんな汚い宇宙を抱えながら最期の息をつくのだろう。
君の宇宙を見せてくれよ、
暗くて汚い闇の中に、
どんな美しい星があるか見せてくれよ。
信じてもいないのに安心のために神に祈って、
なんだか自分が特別なような気分でいて、
けれど背もたれに体を預けなければしんでしまうの。
血も涙も同じようなものじゃない。
僕らの体は涙でいっぱい。
僕の言葉が誰かの中で
どこで見たかは思い出せないけど、なんかいい感じだった言葉」になって、
つめたい夜とかに脳裏をよぎるなら、
それより素敵なことは無いね。
僕は僕でなくていい、
世界の一部で、もしかしたら夢の中の話だったかもしれない、みたいな
そんな存在でかまわないのさ。