15.重要なこと
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意外と反応の多かった兄貴股間致命傷事件(え?)
誰か~病院に連れて行ってあげて~
動物病院じゃない病院に~
『もう一度確認するけど、すでに顔合わせが済んでるのは魔導師長と専属近衛騎士、第一王子で間違いないのね?』
「間違いないよ」
呆れと不貞腐れたような気分を引きずりながらも、姉貴の質問に答えていく。
俺のこと心配してるって言葉は嘘じゃないと思うけど、最後の……なんて言ってた? リアル推しキャラ?に会いたいんだって主張が絶対本命だ。経験則だ、間違いない。
『じゃあまだ主要なイベントは一つも起こっていないのね』
「イベント?」
『そう。イベント。攻略キャラとの関係性が変わる、親密なイベントよ。スチル回収にどれだけ苦労したかわかる?』
「いや知らんがな」
そもそもスチルって何だ。親密なイベントとやらの内容を聞くのが滅茶苦茶怖ぇよ。
「イベントはどうでもいいから、複数あるバッドエンドとやらを聞かせてくれよ」
『何言ってんの! スチル回収こそ乙ゲーの真骨頂でしょうが!』
「いやだから知らんがな」
『ネイトとレナルドは早い段階で好感度上がるけど、セオドアが意外と上がりにくくて、好感度高そうなのにあのお色気イケメン、あんな態度取っててスチル回収率低いってどういうことよ』
「言うなよ! 知りたくねぇわ!」
『なんでよ! キスシーンだってたくさんあるんだからね! どうだったか教えなさいよ!』
「それこそ知りたくねぇわ! 俺男! 姉貴の弟! 野郎とそんな事態になってたまるか!」
ネイトとセオは大丈夫だと思いたいが、残念王子は駄目だ。あれはすでに一歩踏み込んでる。スチルだかイベントだか知らないが、徹底的に阻止してやる!
『まあいいわ、今はね』
「永久的に諦めろ」
『そんなこと言ってるとバッドエンド教えてあげないんだから!』
「弟の命より推しキャラ命かよ!」
『うるさいわね! 教えてあげるからあんたも協力しなさい!』
「鳥肌ものの恋愛方面じゃなけりゃ協力してやる」
『なんでよ! それじゃ意味ないじゃない!』
「セオとネイトに会わせてやる。それで満足しとけ」
姉貴の目の色が、変わった……こわっ! 完全に獲物を見つけた肉食獣の目だ。
『本当ね? 約束よ? 約束破ったらどうなるか、分かってるわね? お姉ちゃん本気よ?』
「こっわ! マジでこっわ!」
『明日、この時間にネイト・ギャレットとセオドア・ティアニーを連れてきて。オシャレして待ってるから。ちゃんと優しくて麗しい最高の姉だって紹介するのよ』
「最早誰だよ。俺にそんな姉はいないぞ」
『イヤね居るじゃない、目の前に、今まさに、その麗しのお姉様が。ねえ?』
眼力が怖ぇよ! ただでさえデカイ目を見開くな!
「や、約束はできないぞ。この水魔法だって、どうやって地球と繋がる通信機の役割を果たしているのかわかんねぇし。また繋がるっていう保証はない」
『そんな……!』
母さんが蒼白になった。ごめん、母さん。俺も頑張ってみるけど、確約はできない。俺だって会えなくなるのは、話せなくなるのは嫌だ。
そう強く思った時、父さんが真っ直ぐと、真剣な面持ちで断言した。
『大丈夫だ。父さんは由輝を信じてる』
『あなた……』
『父さんは知っているからな。由輝が努力家で不屈の精神の持ち主だって。一度や二度の失敗なんて気にしないだろう? 出来るまで諦めないだろ、由輝は。だからきっと大丈夫だ。由輝なら出来る』
「父さん……」
そうだ。俺はずっとそうしてきた。父さんが信じてくれてるんだ。俺が俺自身の努力を信じないでどうする!
「うん。俺頑張る。例え繋がらなくても、力尽きるまで何度だって挑戦するよ。明日連絡する。約束だ」
『よし、よく言った! 攻略キャラをちゃんと連れて来なさいね!』
台無しだ。その一言で父さんとのやり取りがすべて台無しだ。
何とも言い難い視線を両親と共に向けているのに、姉貴の意識はすでに明日へと飛んでいる。ブレないな、姉貴。そして放置されている兄貴は大丈夫なのか。ピクリとも動かないんだが。
『あのね由輝。たぶん今はセオドアから魔法講義受けてる最中だと思うけど、三日以内に新たな攻略キャラと知り合うことになると思うの』
「新たな攻略キャラ?」
『そう。名前はクラウド・ウォルドロン。第一王子レナルドの側近で、宰相の息子。そしてレナルドの婚約者、ビアトリクス・ウォルドロンの兄。気をつけてね。この男、妹至上主義者だから、ビアトリクスの恋敵になる聖女には殊更辛辣なの。攻略キャラの中で一二を争う難易度だったわ。クラウドにとって最上なのはビアトリクスだから、好感度めちゃくちゃ上がりにくいの』
「また面倒臭そうな濃いキャラが関わって来るのか」
『そういうことね。まあ屈服させてからは忠犬のように変わるから、その後からはイベントこなすの楽なんだけど』
「うわ~……さらに面倒臭い事態になりそう……」
妹至上主義なら、最後まで妹のために初志貫徹しろよ。なんて中途半端な。
『それでね。クラウドとの最初のイベントが終わったら、聖女としての最初の試練が課されるの。選択を誤ると一気にバッドエンドに傾くから、気を抜かないようにね』
「えっ。たった一度の失敗でバッドエンド路線なのか? 聖女に厳しすぎじゃないか、この世界」
『両手放しで喜ぶ人ばかりじゃないってことよ。いろんな思惑が絡んでくるから、ネイトとセオドアだけは何が何でも好感度上げておいて。彼らが側にいることが数あるバッドエンドを防ぐ防波堤の役割を果たしてくれるの』
それから、と告げられた内容に、俺は目を見開いた。
今朝工事の音がうるさくて。
聞けば電柱の取り換え作業らしい。
十分ほど停電しますので、ご迷惑をお掛けしますと言われた。必要なことだから、気にしないでくださ~い。
真夏じゃないから冷蔵庫、冷凍庫の中身もきっと無事。
お昼過ぎたけど、未だ停電なし。
ちょっと。お昼ご飯食べるタイミング逃しちゃったんだけど!
ご飯炊いてないよ!
レンチンして食べようかなp(`ε´q)ブーブー




