表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

悪魔の塔

作者: tuogiz

 まだ、魔法が発見されてから時があまりたっていない時代 

 それは、勇者と呼ばれる冒険者の時代であった。 

 冒険者は、世界各地に残された古代の遺産を巡り回っていた。


「ここが世に言う”天より高い塔”か」

 俺の目の前には、まるで雲まで届くんじゃないかと思うほど高い石造りの塔が建っていた。

 あまりの高さに圧倒される。

「ふ、俺がこの塔の第一の侵犯者となってやるぜ!」

 この塔は、今まで多くの者が登ったが頂上まで登り切った者は居ないとされる。

 今までにこの塔に入った者は誰一人として帰ってきていないのだ。

 入り口は、たいした障害も無く空いている。

「塔を登り切って戻って来たら英雄だなもう」

 そんな事を考えながら俺は、塔に入っていった。


 時々、モンスターが襲撃して来るが大して問題はない。

 ただ螺旋階段が続いているだけだ。

 何故、こんな単純な構造の塔を誰一人として登り切れ無かったのだろう。

 不意に恐ろしくなった。

 もし、俺も帰れない一人となってしまうのではないだろうか……

 いや、そんな事は無い登り切ってみせる。

 登っていると、広い部屋に出た。

 気を付けろ、こういう部屋は、だいたいトラップが仕掛けられてる物だ。

 あらかじめ持ってきた程よい大きさの石をそこら中に投げる。

 よし、何も無いようだ。

 俺は、先に進んだ。

 そしてさっきの様な部屋がまた現れた。

 さっきと同じ手を使いトラップの有無を確かめる。

 よし、進もう。

 その先も同じ様な部屋が続いた。

 もう確かめる必要も無いのだろう。

 この塔にトラップは無い。

 勇者の感がそう言っていた。

 結構登った頃だ。

 そろそろ疲れてきた。

 次の部屋で休もう。

 そして、次の部屋に出た。

 悪臭が鼻を刺す。

「うっ、これは」

 部屋に並んだのは死体の数々だった。

 振り返って戻ろうとした時。

 ガシャン! 今まで無音だったところに音が鳴り響く。

 慌てて振り返るとそこには鉄格子があった。

「うっ……」

 何か堅い物が頭を打った。

「イッヒッヒッヒッ――――」

「久しぶりの獲物だよ」

 俺の頭を打った奴は、笑いを上げながら俺を引きずってく。

「さあて、今回も八つ裂きだ」

 止めろ俺はまだ死にたくは……な、い。

 血が飛び散る様な音が鳴る。


 塔を登る物を殺し続けていたのは、昔から住みつく悪魔だったのだ。

 殺しは、勇者の時代でも後から来る魔導師の時代でも絶えることは無かった。


結構前に書いてあった作品です。

よくファンタジーに出てくる「だれも帰ってこない」を書きたくて書いた様な気がします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ