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第10話 オレたちの勝利だ

数ある物語の中から選んでくださりありがとうございます!


 




『来たれ』


 ばちばちと音を立てて渦を巻くオレの影。

 ウィンドサーバルは何かを察知したのか、オレに狙いを定め、襲い掛かってきた。


 ――ガキイイン!!



 はじき返されるウィンドサーバルの爪。


 父さんだ。

 見た目は人間の様になっているが、固さはそのままだった。


 次いで母さんの拳が放たれるが、ウィンドサーバルはひらりとかわし宙へ逃げる。


「っち」


 やはり機動力に差がありすぎるか。

 だが手数が多い分誘い込みやすい。


 それに機動力のある子ならこっちにだっているのだ。


「アグニル!!」

「プウ!!」


 オレの影からアグニルが飛び出す。

 大きな体からは想像もできないほどのスピードで、尖った角をウィンドサーバルに打ち込んだ。


 鋭い角はウィンドサーバルの前足に突き刺さりウィンドサーバルがたまらず悲鳴を上げる。



 アグニルには【脱兎】という固有スキルがあった。

 宿にいるときに確認してみると、五分間だけ時速七十キロで動けるというものだった。


 加えてウサギの基本的な力である脚力で高いところにいる得物にも届く。


 まさに対ウィンドサーバル戦にはもってこいの戦力だった。


「えええええ!!? なに!? 何なの!?」


 突然の戦力にアレクが驚きの声を上げる。


「アレク! それは後で説明する! 今はウィンドサーバルに集中して!」

「わ、分かったぁ!!」


 そう、今は戦闘中。



 気を反らしていては勝てるものも勝てない。


 オレはクロスボウを背負うとサバイバルナイフを取り出し構える。


「オレ達が追い込むからアレクが仕留めてくれ!」

「了解ぃ!!」


 そう言うが早いか、オレはアグニルに飛び乗りウィンドサーバルの下へと向かう。


 途中で風の鎌が放たれるがアグニルは壁を蹴って方向転換をして避けウィンドサーバルの頭上へと躍り出た。


 オレはその瞬間にウィンドサーバルに飛び乗り翼を切りつける。


 刃渡り十五センチ程度のナイフの根元までぐさりと突き刺さった。


「ギャオオオオ!!」


 ウィンドサーバルはオレを乗せたままバランスを崩し、地面に落ちていく。

 オレはナイフを残したまま飛び退いて着地した。


 落下したウィンドサーバルに父さんと母さんが打撃を入れようとするが、まだ相手の方が起動力が上回っており避けられてしまった。


 だが、避けたその先にはアレクがいる。


 彼は待ち構えていた剣を素早く抜き放ち切りつけた。

 その剣はゴロゴロと転がるウィンドサーバルの首を的確にはねた。


 ウィンドサーバルの体は司令塔を無くして戸惑ったように揺れると、その場にどさりと崩れ落ちた。


 オレたちの勝利だ。





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