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第5話 あああああ腹立つぅうぅう!!

数ある物語の中から選んでくださりありがとうございます!


 



 それをどう解釈したのかは分からないがオッサンたちはニタニタと気持ちの悪い笑みを零している。

 周囲に目をやると、周りの冒険者たちは我関せずという態度だった。


 それはそうだろうな。

 オレもさっきそうしたし。


「怖いんだったらおうちに帰りなあ!!」

「そうだ。さっきもお前とよく似た背格好のガキがいたなぁ。ありゃ兄弟か?」

「だっはははは。ばっかおめぇ。アレクのガキに兄弟なんている訳ねーだろ」


 ん?

 今アレクって言った?


 オレの疑問をよそにオッサンたちは傍にあった椅子にどかりと腰を掛け掲示板の方を指さした。


「お前もああなりたくなきゃ早くけつまくって帰るこったな」



 オッサンの指さす先には見知った顔がいた。


 アレクじゃないか!


 彼は床に散らばった木の実を拾い集めている。


 なんてこった。

 オレがさっき無視していた騒ぎにはアレクが絡んでいたのか。


 それならそうと言ってくれれば助太刀すけだちに入ったのに。



「……あれやったのオッサン?」


 オレは目線をアレクからそらさずに尋ねる。


「口の利き方に気を付けろよガキ。お前なんかなこの俺がその気になればいつでも殺せるんだ」

「ふーん」



 オレの興味は既にオッサンにはなく、アレクのところへと向かう。


「やあ、アレク。今日はどうしたの? ああ木の実拾うの手伝うよ」

「あれ? ヴォンだぁ! えへへ、ありがとう」


 床に散らばっていた木の実は様々で、どれだけ苦労して取ってきたかが分かる。


 こんなに小さい子が、どれだけ苦労して集めたのだろうか。

 それを想像してオレは目頭が熱くなったのを感じた。


 泣いてない。泣いてはないぞ!

 ただ三十を過ぎたあたりから急激に涙もろくなっただけだ。


 え? 今は十代の体だろうって?

 いいんだよ細かいことは。




 木の実を拾い集めるオレとアレクのもとに先ほどのオッサンがやってきた。

 そしてあろうことか拾った木の実のかごを蹴飛ばしたではないか。


「そんなに物拾いが好きならいくらでもやらせてやるよ!!」

「ぎゃははははそりゃあいい!」

「やっちまえ~!」


 あああああ腹立つぅうぅう!!

 もうこいつら邪魔ぁ!!


 拾おうにもこいつらが邪魔でできない。


 仕方がないから少しお灸を据えてやろうではないか。

 オレは立ち上がりオッサンの方を向く。


「そんなことでしか自己顕示欲を発散できないなんて可哀そうな人ですね」


 にこり。


 笑顔は大事だ。

 とりわけ相手をあおる時には。


 オレの狙い通りオッサンは激怒した。


「何だと!? その減らず口を潰してやらあ!! おい、お前ら! やれ!!」

「「へい!!」」



 まずは手下が二人、オレにつかみかかろうと向かってくる。


 それにしても遅いな。


 オレが召鬼道士の修行をしているときに相手取ったモンスターの方が断然早いぞ。

 

 これで冒険者なんてできるのか?

 もしかして、オレが思っているより冒険者の質が悪い?



 オレはそんなことをのんびり考えながら掴みかかってくる二人をひらひらと避けると、後から来たモヒカンの足を引っかけて二人まとめて転がす。


 面白いくらいに転がってくれた。


 そのまま神通力で床にぬい付けておく。


 早くも三分の二離脱だ。


「さて、来なよ。オッサン。相手してやるからさ」

「っこのクソガキ!!」


 満を持して飛び出してきたオッサンは鈍い動きで力任せに拳をふり回す。


 だがそんな動きではオレを捕えることなどできはしない。


 二撃三撃と続くがどれもオレには当たらない。

 確かに一撃の重みはあるのだろうが、当たらないのでは意味がない。


「ほらほら~。どうしたのオッサン。息が上がってるよ?」


「黙れクソガキっ!! ちょこまかとうっとうしいんだよ!!」

「あはははは~」


 オレはだんだん楽しくなってきて笑ってしまった。

 久しぶりに戦っているって感じがする。


 思えば修行をしていたころ以降、オレ自身で戦っていなかった。


 やっぱり少しは体を動かさないといけないな。


 そうこうしているとオッサンは遂に剣を抜いた。





ここまでお読みいただきありがとうございました!


「面白そう・面白かった」

「今後が気になる」

「キャラが好き」


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