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第4話 さずがに草生えるわ

数ある物語の中から選んでくださりありがとうございます!



 

 アレクと別れた次の日、オレはさらなる情報を集めるためにオリヴィエのギルドへと向かっていた。


 まあ情報はそこかしこから聞こえてくるのだから、ギルドへ向かう目的と言えば昨日減った分のお金を溜めるという目的の方が強いのだが。



 情報と言えば昨日の夜、さっそくリューナさんから連絡があった。

 彼女たちは三族領の要所へと根ざした情報ギルドを設立したそうだ。



 彼女たちの下にも魔王の復活に関する情報がいくつか入ってきていて、連絡をくれたみたいだ。


 大まかな内容はアレクから聞いた話と同じ内容だったが、一つだけ気になる情報が入ってきた。



 曰く、引退した高名な占い師が予知した未来では「今の世界は滅ぶだろう」とのことだ。


 そして驚くことにその占い師は世界が滅ぶのは魔王のせいではなく召鬼道士のせいなのだという。



 オレか?

 オレが滅ぼすってか??


 いやいや、ないない。

 さすがに草生えるわ。


 オレはそんな世界の運命を左右する様な大それたことなど考えていないのだからありえない。


 リューナさんは怒っていたが、オレは笑ってしまった。


 だが、まあ。


 そういう占いがあったということはやはりオレのジョブを人に見せない方がいいという訳で。

 やはり早いところ人目に付かないところでひっそりと暮らせるようにならなければなるまい。


 オレはそう意気込むとギルドの中へと入った。



 ◇


「おお~!!」


 ギルドはイプケアの街のものとは比べ物にならないほど大きく立派な建物だった。

 それに沢山の冒険者で賑わっている。


 オレは真っ直ぐに冒険者用の受付へと向かう。


「すみませーん」

「はいよ! ん?どこだい?」

「ここ!! ここです!!」


 またしても受付が高すぎてオレの姿が隠れてしまい、オレは仕方がなしに手を上げて居場所をアピールする。


「お、ああ。すまない」

「いえ。あの依頼を見たいんですけど」

「ああ、わかった。今持ってくるから冒険者カードを見せてもらえるか?」

「はい」


 首に掛けていたカードを差し出す。

 このカードは冒険者カードと言って、前世で言うと身分証みたいなものだ。


 この中には冒険者のランクや実績が組み込まれていてギルドにある読み取り機にかざすことで情報を取り出せる。


 オレは受付でしばらく待機だ。


「おい、見てみろよ。子供が来てるぜ」

「おお、あんなチビがモンスターなんて狩れるんかねぇ」

「だっはは無理だろ」



 やはり始まった。

 もはやこのパターンはお決まりなのかもしれない。


 チビだとは分かってはいるが知らないやつに言われると腹が立つな。

 まあいいさ。オレは大人なんだ。


 オレは聞こえてくるあざけりの言葉を聞き流してただ待つことにした。

 無駄に絡んで面倒ごとになっても嫌だからだ。


 ぼうっと待っていると掲示板の方が騒がしくなる。

 何だろうか。


 気にはなったが今は受付中だ。

 下手に動けない。



「お待たせいたしました!」


 ギルド員が戻ってきた。

 口調が丁寧になっている。


 さっきまでは子供に話すような口調だったのに。

 恐らくオレのランクを見て驚いてのことだと思うが、そこまで露骨にされるとなんだかなぁと思ってしまう。


「こちらが現在ある依頼の詳細資料です。どれかお受けになりますか?」


「そうですね……。そういえばあっちの方ちょっと騒がしいですけど、何かあったんですか?」


 オレはやはり掲示板の周辺の騒ぎが気になる。


「ああ、最近は各国から腕の立つ冒険者が集まってきていましてね。ですが血の気の多いものがおりまして。よくああいうことが起こるのですよ」


「ふうん」


 つまり要はただの馬鹿がバカ騒ぎをしているということか。

 そんなに血気が余ってるんだったらさっさと他の依頼をこなせばいいのに。


 そういうことでオレは無視を決め込んだ。




 おっ、これなんて報酬もいいし簡単そうだ。

 よし、これにしよう。


「すみません、これを「おやあ? ここにも子供がいるなぁ」」


 ギルド員に依頼を受ける旨を伝えようとしたとき、後ろからガラの悪い声が聞こえた。


 こいつも血気盛んな若者の内の一人だろう。


「ここはいつから保育所になったんだ?」

「ぎゃはははは。おい坊主。ここはな、大人の冒険者が依頼を受けに来るところなんだよ」

「それにお前のランクじゃそっち受けられねーのも知らねー様だ」


 違った。全然若くないわ。


 オレはため息をついて主犯っぽい男を見上げる。

 見かけは盗賊のようで片目だけ眼帯をしたマッチョのオッサンだった。



 うーーん、この間倒した山賊の方が強そう。


 オレは率直にそう感じた。

 見た目だけ強そうでも中身がたぶん伴っていない。


 マッチョはマッチョだけれど上半身だけ鍛えて下半身を鍛えていないのか足だけやけにほっそりしていてアンバランスだし、すばやさはそこまで無いだろう。


 速さで圧倒してしまえば簡単に狩れると思う。


 オッサンの後ろにいる手下たちも世紀末か? と思うような出で立ちで、どう見てもただの輩である。


 うん。知能はあんまりない奴だな!


 オレはゆっくりと頷いた。





ここまでお読みいただきありがとうございました!


「面白そう・面白かった」

「今後が気になる」

「キャラが好き」


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