表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/66

第6話 泣いてはいないぞ!!

数ある物語の中から選んでくださりありがとうございます!


 


 オレはアジト内にいた裸の女性にマントを着せながら外で行われている戦いを見ていた。


 オレは攻め入る前に裏手に捨てられていた死体を呼び起こした。


 そしてアジトをぐるりと囲み、誰一人として逃がさないようにしたのだ。


 その結果が今現在繰り広げられているバーサーカーパーティーだ。


「うわあ……」


 死んだはずの女性と子供たちが山賊たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げ(物理)を繰り返している。


 動きはゆっくりだが体は固くナイフ程度では傷もつかないし、力も大男を投げ飛ばせるほど強い。

 やはりというか、一度死ぬと強くなる法則があるらしい。




 それはあまりにも一方的な戦いで、次々と山賊たちは倒れていった。



 心なしか、呼び起こした村の人たちも生き生きとしているように思う。

 ……死んでいるから生き生きも何もないとは思うが。


「ひっ」


 オレが触れたことで女性が悲鳴を上げた。


「ああ、ごめんなさい。怖がらせちゃいましたね」


 オレは努めて穏やかな声を出す。

 年頃の娘がさらわれ犯されそうになり、怯えるなという方が無理な話だ。


 オレは前世の娘を思い出し……いやいないから思い出すも何もないな。


 うるさいぞ、そこ。

 モテないやつは可哀そうだとか言うんじゃない。


 オレはいないんじゃなくて作らないだけだ。

 例えそれが年齢=彼女いない歴であったとしても、決してモテないわけではない。


 要は自分の意識の持ちようなんだ。

 泣いていない……泣いてはいないぞ!!


 オレはリアルに涙が出そうな気がしたので慌てて笑顔を張り付ける。


「山賊はオレたちがどうにかします。貴方は裏手に逃げてください」

「ま、まって! ここに居て! お願い!!」


 女性は瞳を潤ませながらお願いしてくる。

 だがオレは奴らの残りがいないか確認せねばならない。



「すみません、オレにはまだやらなくてはならないことがあるので」


 オレの服の裾を掴む女性の手をやんわりと外す。


 ここに来るまでに生存者は保護していた。

 死んだ女性たち数名に見てもらっている。


「母さん」


 オレは母さんを影から呼び出す。

 一先ず村娘を生き残った皆さんの下に移動させてもらおう。


「ひ、ひぃ」


 娘が息を呑みこむ悲鳴を上げた。

 母さんのビジュアルに怯えたのだろう。


 すみません……。


 オレは心の中で土下座した。


 若い女性のこう言う反応が、今のオレには一番キツイ。



 こればかりはオレもどうにかしたいのです。でも、どうにもならないのです。


 まあすごく人を襲いそうな見た目ではあるが、オレの意にそぐわないことは絶対にしない。

 それだけは様々な実験を重ねてきたから確実だ。



「大丈夫です。貴方に危害は加えません。皆さんのところまでは母さんが守ってくれるので、早く移動を」


 オレはそう言い残し外へと出た。




ここまでお読みいただきありがとうございました!


「面白そう・面白かった」

「今後が気になる」

「キャラが好き」


などと思っていただけた方はぜひともブックマークや下の評価機能(★★★★★が並んでいるところ)から評価をお願いいたします!


皆様から頂いた時間や手間が作者にはとても励みになりますので是非とも!宜しくお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ