私が髪を切った理由
髪を切ろうと思った。別に、失恋したわけではない。そもそも、失恋して髪を切るのなら、そんなの、もっと昔にやっているはずだ。それに、失恋して髪を切るなんて、少女漫画の世界じゃあるまいし、ロマンチックすぎる気がする。まぁ、けれどきっと、他人が聞けば「くだらない」と、そうバカにされる理由なのだとは感じている。
何の理由もなく、ただ伸ばし続けていた髪。一時期は腰あたりまで伸ばしていたそれを切ろうと思ったのは、大好きなシンガーソングライターが髪を切ったことを知ったから。
あれから、十年。
一度短くした髪は、肩を少し過ぎるくらいまでしか伸びなくなった。結んでなお、背中に手を伸ばせば届き摑めた髪は、今では指先で触れることさえ叶わない。そんな短さに、慣れてしまった私がいた。今ではもう、長い髪はうざったいだけにしか思えない。元々が面倒くさがりな性分で、そのうえ、身なりに気を遣うという気はほとんどない私には、今の肩上ボブのヘアスタイルが似合っている気がする。
それでも、時々後悔するのだ。
髪の長かったあの頃を、後ろ手に触れた髪を――懐かしく、切なく、愛おしく、そう思うときがあるのだ。
こんにちは。葵枝燕です。
『私が髪を切った理由』のご高覧、ありがとうございます。
この作品は、今から二年ほど前、二〇一七年十月十五日(多分日曜日)に書き始めたものがベースとなっております。Twitter上で「#私が髪を切った理由」というハッシュタグを見かけ、それに惹かれて書いたのがきっかけなのですが……投稿する決心つかず、二年も放置しておりました。それを今さら投稿したのは、投稿した日である二〇一八年二月十三日(水)に、美容室に髪を切りに行ったからです。二ヶ月に一度、近所の美容室でカットとカラーをしてもらうのが、昨年十月くらいからの習慣みたいになってます。
中身は実際私のことを書いたので、ジャンルは「その他(エッセイ)」にしました。本当に、好きな歌手が髪切ったのを見て、バッサリ髪を切ったんですよ。あれがなかったら、今も胸元までは伸ばしてたかもしれませんね。今は肩上ボブが楽ですけど。
そんな感じで、これが今年二〇一九年の初投稿となるわけですが……いいのかこれで。
ではでは、今回はこのへんで。
拙作のご高覧、ありがとうございました!
葵枝燕でした。