2nd-ようこそ魔界へ…
「いよいよ、このシステムも我々の手によって本来の役割が果たせるようになるな…」
ここは・・・、魔法を支配している空間。そして、セキュリティの高い空間のはずである。
「やれやれお主、また来おったのかい??あんたにやるもんはひとつもないぞい。ワシに勝てるならの話じゃが…」
「フッ。魔界十天神が一人の者か。だが、それも、崩れる時がくる…」
「何、寝ぼけたこと言ってんだい?あんた毎回現れては何奪おうとしてんだい。あんたには不可能だよ。」
「寝ぼけてんのはお前達だろ…フッ…、次、我が来た時には世界が変わる…元に戻る…」
「何言ってん…、ッチ…。最近の若造は速いな…。見回りに来て大正解じゃ。」
黒いローブを羽織った、少なくとも魔界十天神と呼ばれた老人よりか全然若い青年が一言言い去っていった、いや、姿を消した。それを舌を噛み締めるように老人はその場を後にした。
「―――……っん・・・?ここは・・・?あれ…そ、そうかあんときに…。別に悪さしたわけがないのに…いってぇな…。」
とある魔法訓練広場に空中から黒い時空とともに少年が現れ、そして重力に流された。
その少年は周りを見渡すと、様々なところで、手から口からありえないものを出していた。
「・・・?火起こし??え…?この人達化物か・・・?」
そう、平気で拳で壁を割る者、叫び声と共に天空から様々な気象現象を発っする者など、数え切れないその少年にとってありえない現象を目の当たりにして失神しそうになった・・・その時背後から声をかけられた。
「君が春前悠徒君かね?」
「・・・っふぇ!?うわぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!!!!!ビビッたぁ・・・。あ、すいません。そ…そうですけど…」
背後から自分のフルネームを呼ばれて思わず声をあげてしまった。
「はははははっ。無理もないだろう。すまなかったな。君が唯一あの『惑星』との間にできた時空の狭間に入りこむとは思わなかったわい。それで気になって情報魔法を使わせてもらったよ。」
「あの…、さっきから何をおっしゃっているのかいまいちわからないんですが…。ここは『日本』ですか??辺りを見渡しても極普通の広場にしか・・」
「やはり、疑問になりましたか。ですよね。何故、貴方のいる世界に近いはずなのにわけのわからないマジックをしているのかね…」
突然話しかけてきた老人はどこかのガイドさんのような口調で春前と呼ばれた少年に語り、辺りを見渡した。
「ここは………………-------―――――――」
「『魔界』っかぁ…。どうしてあんな狭間なんかに入ってしまったのだろう…にしてもこのデカイ腕輪どうにかなんないかな…外れないし…。はぁ・・・」
春前はずっと老人から、魔界のこと、魔法、属性、相性など一つ残さず聞いていた。もしかしたら向こうに帰れるヒントが得られると…。しかし、ただここの世界と掟について語られただけで、慣れろでも言うかのような素振りだった。それに絶望しながらつい数時間前のことを思い出していた・・・。
彼が聞いた『日本』のとある廃墟へと侵入していた。現在、21歳。大学を卒業して間もない時期だった。この廃墟は彼が学生時代にお世話になった施設であった。まだ夜も明けていないこの場所で学生時代に恋をした女性を呼び出していた。しかし、夜中こんな時間に呼び出すのは裏心が見え見えである。春前は打ち上げの時酔った勢いで呼び出してしまったのだ。だから、ダメもとで待っていた。
すると、施設内でものすごい勢いのある黒い竜巻のようなものがが見えた。これは?と思い、覗きに行くとそれが時空の歪む狭間のことだった。興味本位で行ってみたら自分までその竜巻のようなものに巻き込まれてしまった。
そして今、こんな現状にいる。
くよくよしていても仕方ない。あの老人の言う通りにするしかない……。そう思い、春前は外れないピンクの水晶玉が嵌め込まれた腕輪を眺めていた…。
そして、また背後から別な人間が話し掛けられるまで気付かなかった。




