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ViB  作者: うーまる
9/19

ViB 第1話 濤川 ~可能性~

読み返ししないで投稿しているので誤字脱字ありましたら申し訳ないです。

昨日言われたときに受け取ったメモを持ってきているので貴族街の一番大きな建物の門番を訪ねれば建物内に入れてくれるはずだ。

貴族街は京都の円形の町の中の中央北にある。

私の家は東南にあるため行くには中央に行き真っすぐと北上するか、真っすぐ北上してこの建物の外観を見ながら門へと歩くかのどちらかになる。

貴族街への入り口は私たちの家のある東口と、中央公園から入れる中央口、西町から入れる西口と、北町から入れる北口とがある。


※京都の街並みです。

https://24357.mitemin.net/i292132/


京都には地下街がある。

住宅街でも露店や宿屋、ショップなどがあるが、商業街は京都の地下にあるダンジョンへと入る人たちが主に使う。

市民が全く使わないかと言われればそうでもないけど、武器とか防具とか結構いいものを取り扱っていて、町に住むだけの人にとってはあまり使わないものが多い。

工場街は主に建物へと提供する物の加工や武器などの物の加工、装飾やアクセサリー等の汎用性のあるものを作る場所として提供されている。

昔は商業街で一緒に作っていたが、今は働く人を増やすという目的で工場街で職人が作り、商業街で売る、というシステムを取っている。

また、仕事は一貫して同じものというわけではなく、自分がやりたいものをやり、収めたものによって1か月あたりの賃金が支払われる。

それを管理するのが役場街の仕事だ。

また、役場街ではそれだけではなくダンジョンへと潜る人たちの管理、貴族街や住宅街などの人たちの依頼などが管理されていていわ

ばギルドのようなものが設置されている。

また、ここには学校もあり初等学校、中等学校、高等学校、が配置されていて、初等は6年、中等は3年、高等は3年から6年となっている。

高等は自分の知らない知識を増やすための修業の場としても使われるため、在籍していても週1の定例会合に出席するだけの人もいる。

成人は15歳からで、高等生は成人とみなされる。

また、日本は現実世界と同じ週7日、365日のうるう年があり、月火水木金土日で動いている。

休みは週3になっていて学生は金曜日に定例会合がある。

市民で働いている人たちは休みなどは自由に取れる。

役場街、商業街などで働いている町の運営にかかわる人たちは週3日の休日が固定されていて朝9時から夜17時までの8時間労働を

基本として24時間運営して市民の働ける場を幅広く設けている。

また、賃金は歩合制となっていて商業街で働く人や、工場街で働く人の収入が増減する。

最低賃金が決まっているのでそれ以下になることはまずない。

また、冒険と町の運営とを両立する立場にある人間は上手くシフトを組み役場街或いは商業街で働いている。

手に職を持ち、冒険する人も少なくはないが、そういった人はあまり危険な冒険はしない。


町のシステムはこんなものね。

無理して働いている人もいないし、かといって何もしないでだらだらしているだけの人もいない。

下手すれば魔物に殺されてしまう可能性もある日本ではほぼすべての人が働きながら家族を養ったりしている。


で、私は北町の南町寄り、商業街近くに住んでいるので慎太郎と一緒に商業街を歩き、中央公園へは行かずに貴族街へと向かっている。

目的の英雄たちの家の周りを見ながら門番を訪ねるという算段でいたんだけど、何せ建物も確かに見えるけど、それに続いている道や

庭が広すぎだし、木や塀に囲まれていて中の様子は少ししかうかがえない。

木漏れ日がチラチラと輝いていて、英雄たちの家の周りの塀の下の堀には澄んだ水と色鮮やかな鯉が泳いでいて何ともきれい。

水の流れもしっかりと聞こえるくらいの流れを保っていて、生活排水は魔法で浄化されて中央公園を経由しつついろいろな場所へと運

ばれているのできれいに保たれている。

また、使用する水はこれもまた魔法を使い浄化し、人間の体には影響がない状態で使用できる。

便利な世界でよかった。

もともと日本生まれで京都に生を受けて早10年になるはずなのにこの世界じゃないところから来た、みたいな、どこか他人事のよう

なことを考えながら慎太郎と手をつなぎながら緑の下を歩く。

散歩しながら歩いている人や鯉に餌を上げている人がいてなんとも綺麗な日常。

ここに来る前に商業街で買ってきたおやつ(・・・)を2人で食べながら歩く。

イカの一夜干し、焼きそば、タコ焼き。

ダンジョンへとつながる異界の門がある街なので毎日がお祭りのようなものだ。

ちなみに異界の門へは役場を通して行けるようになっている。

地下街には宿屋、飲食店が広がり、魔法で天井が朝昼晩や天気を見せており、外と何ら変わりはない。

そんなダンジョンからの稼ぎもあるため町は潤っており貴族街は昔の残りで昔からの土地の所有や住宅街の土地の管理、城壁の建設の

管理など、町に貢献している人が住める場所となっている。

肉体労働や細かな作業をして客と接し稼ぐのではなく書類とにらめっこし手続きを済ませるとたくさんのお金が入ってくる仕事が多い人たちだ。


まあ、それはいいとして、朝からたくさんの物を食べながら歩く慎太郎はパンダに似ている。

手足が短くお腹が大きくおっとりとしている。

うまうまとイカを食べながら歩くその様は何とも幸せそうだ。


「慎太郎、今日はどんなことを言われると思う?私それを考えて結構寝れなかったんだけど。」


「え?鈴ちゃんねてないの?ちゃんと寝ないと待ってる間に寝ちゃうよ?僕はあまり気にならない状態だったからすぐ寝れたかな~。

英雄の人からのお話だとしても僕たちはまだ9歳だし、最低でも15歳を超えて成人しないと仕事もできないし、そこまで慌てることじゃないと思うよ~?」


「でも、もし私たちの能力が10歳を超えて飛躍的に上がって行ったら1年もたたずにこの町の中で私たちに勝てる人がいなくなるの

よ?そんな状態で普通の学校に行ってても出る杭は打たれて終わりよ。それに魔法や戦闘に関してももっと応用を駆使したものを習っ

ていかないと工場もしないと思うわ。この町の人たちは朝や仕事終わりに訓練するから基礎はほぼできているとしても、実戦での経験

が無いと小さなミスが大きな事故につながるわ。」


「それもそうだね。でもまだ何も言われてないしこれから起こることに身をゆだねてそれに対して全力で取り組んだり、自分がやりた

いことを見つけてそれに向かって進めば大丈夫だよ。だから、例えば商業街や役場街で働きたいと思っている僕が英雄見習いとして訓

練しろと言われればやるしかないよね。それに向かって全力を出すだけなんだよ。それでいいと思うんだ。この町の人たちの力になれ

るならどんな形でもいい。確かに危険なことしたくないし動くの辛いけど、でも訓練してるしそれなりに魔法も使えるし嫌いじゃない

からできると言えばできるんだよね。だからどう転がっても僕は真っすぐ向かうつもりだよ。鈴ちゃんは考え過ぎなんだよ。今考えた

ところで明日の12時に出てくる昼飯は変えられないんだよ。」


「なんかいいこと言ってる感じだったけど、最後ので大暴落ね。間違ってはいないけども。」




「いらっしゃい。よく来てくれたね。慎太郎君に鈴君。また会えるのを楽しみにしていたよ。どうぞそこへかけたまえ。」


あれから私たちは屋敷の門番へと問題なく会うことができ、メモを見せ中へと通された。

外から見ていた庭園は物凄くきれいで広く、同じ京都にいるのに別の世界に来ているようだった。

今の京都の街並みは魔物への強度から西洋の強度の高い石を使った建物を採用しているが、昔使われていた和の細かい装飾を施したものがこの建物にはたくさ

ん使われているようで、地上から見える屋根の部分は瓦屋根、軒下には昔生息していたといわれている動物や伝説的に強いとされている4神、白虎、朱雀、玄武、青龍、

の4体が1枚の木から削られ飾られている建物がある。

正門から入ると左右に見える高い塔はそれぞれ名前があり英雄の強さを表していると言われている。

4つの建物が均等に配置されていてそこでは各地の英雄たちの世話係の人が料理や掃除、建物の管理のために生活している。

本殿は広く大きく日本でいうところの小学校並みの大きさがある。

5階建てで、英雄が滞在したり各地の重役たちが滞在する際に使われたりする。

今日はその前にある中央殿と呼ばれている会議や話し合いなどで使われる建物で有馬と会うようだ。

目の前にはスーツを着た執事さんのような人と袴のようなものを着た神主さんのような人が並んで歩き私たちを先導していた。

この中央殿も4つの建物に負けず劣らず豪華で掃除が行き届いており、木だと言うのに軋む音もせずかといってツルツルに磨かれ滑りやす

いわけでも無く、隙間風でガラス戸が音を立てるわけでも無く、ただただしっかりとたたずんでいる。

その一室、茶室と言われている小さい中庭が見える、鹿威しや苔石、楓などの和と安らぎを感じられる風景を見れる畳敷きの掘りごたつの部屋で行われる。

そして有馬にかけてくれと言葉をかけられたのだ。

正式な場面ではないが小さな部屋に比較的高い天井、見慣れない高級そうな壁に押しつぶされそうな感覚になり私は少し気圧されていた。


「少し緊張してるようだけどあまり気にしないでくれ。ここは重役との会合で使うにはあまり品が無くかといって英雄同士

で会うにしては身動きがあまりとれずの場所なんだ。私はここが好きでよく来るのだが皆にはあまり受けがよくなくてね。私の知り合いや友人、

身内や仲良くしていきたい人を個々に招いて少し話をすることにしているんだ。私の好きな風景を皆にも共有してもらいたくて。

私が好きだから皆も好きというわけではないだろうが、私はこういった落ち着きのある場所が好きなんだと、少ない自由な時間を私の好きな人と共有したいんだ。

一瞬でもいいからここで心を鎮めたい。そう思うからこそ、ここにいつも足を運んでしまうのだろうね。ーーーおっと、

私の身の上話をいきなり話してしまって申し訳ない。今日は晴れてちょうどよかった。この部屋は晴れているときが一番きれいなんだ。」


「ーーーそうですね。私も入ってきたとき壁に押しつぶされてしまうかと思って委縮していたのですが、確かに個々の部屋は落ち着きますしきれいです。

見える風景もこの香りも小さいながらも存在感のある空間もいい刺激になりそして引き締めた気を楽にしてくれるような安心感もある

。私は好きですよここ。いい場所です。」


「ありがとう。そういってくれると嬉しいよ。慎太郎君はどうかな?」


「僕はこのお茶とお菓子があればどこでも幸せになれます。うまうまです。」


「もう、慎太郎ってば。確かにおいしいけどせっかくの機会なんだからいろいろと堪能しておかないともったいないわよ?」


「ははは。2人ともいいね。まだまだお菓子もお茶もたくさんあるから堪能してくれ。それで、堪能しながら私の話を聞いてほしい。」


子供らしい私たちの会話を笑いながら抱擁してくれた有馬様。

そして今日呼ばれた理由をこれから話すようだ。

さっきまで外の景色に意識半ば持っていかれていたがすべて引き剥がされ、有馬様の後ろの扉が開かれた様子へと持っていかれる。


「ちょうどよかった。昨日も見たと思うが私の養子と迎え入れた芝宗光だ。昨日言っていたが君達はまだ9歳でもうすぐ誕生日だろう?

宗光は少し前に10歳になったのだ。まだまだ子供ではあるが成長が著しくてね。私の本当の子ではないが私の本当の子なのではと思ってしまうほど

の子だよ。仲良くしてやってくれ。」


「芝宗光です。よろしくお願いします。---父さんまたこの部屋での話し合い?確かにいい環境ではあるけど狭いし圧迫されるし外の空気が吸いたくなるよ。」


だろ?というような視線と仕草を私へと送る有馬様。

子供のようなそのしぐさに私は可笑しさと親近感、優しさを感じ緊張が少し和らいだのを感じた。

宗光が来たということは宗光も関係のある話なのだろうか。


「じゃあ、さっそく本題に入ろう。宗光が君の右手首に光が見えると言っていてね。これは絆の光と言われていて私たち9人の時も私たちだけに見えた

光だ。10歳を迎えたその日から見え始め、9人がそろったときにその光からお告げがある。言われた通りの場所へ向かえば神がいてね。

その神に力を授かったというわけだよ。宗光はその光を君から感じている。だから君が10歳になればこの屋敷へと来てもらって戦闘訓練や魔

法訓練などをしてもらおうと思っている。宗光が言うには今回の光は5個で、その周りにはもう5つの光があり、

9個の光と接触しながら輝いているのを夢に見たと言ったのだ。9個の光は私たち9人で、5個の光とその周りの光は鈴君たち5人と慎太郎のような仲のいい

5人のことだと思う。だから2人をここへと呼んだ。慎太郎君も鈴君と一緒に居て並外れた魔力と素質を持っているだろうからね。

どうなるかはわからないがこれから戦闘があるならそれに備えて訓練、修行して強くなってもらって、世界の平和を守ってもらうことにする。

宗光は書類整理などの事務的仕事が苦手でね。だからその事務的仕事は私たち先人9人が行って実践は君たち若者にしてもらおうと思っている。

私たち9人が10年経ってから覚えた魔法をもう使いこなしているところを見るとそれがいいだろうと思ってね。」


どうやら土魔法を駆使して精密な装飾を行うのはかなりの難易度らしい。

それが英雄たち9人が10年かけてやっと覚えた魔法だったらしい。

私は好きだからやってただけなんだけどね。

もしかしたら好きなことだから伸びているだけかも、と言ってみたが、一般市民ではそこまでいけないらしい。

それに5年かけて覚えた飛行魔法を使うのも素質があるというか先行し過ぎていて危機感を覚えてしまうくらいの能力だそうだ。

べた褒めである。


「まあ、学校としての機能も果たすつもりだからね。すぐにでもここに通ってほしいんだ。教師はここの執事をやっているものに任せるつもりだよ。京都は日本の中でも重要なところだから毎週とはいかないけど9人が入れ替わりで来ることになっている。だから私たち9人には実力を惜しまずに発揮して、そして対戦の仕方を学んでほしい。貴族街の地下には専用の闘技場があってそこは即死無効魔法と跡形もなくなるような強い攻撃を受けて消え去っても復活するリライフがかけられている。だからどんな訓練をしても町の崩壊や死人が出るなんてことはない。ただ、実力があり相応の働きをする覚悟があるのであれば過激な訓練をしていくつもりでいる。だから2人とも。どんな教育や訓練になるかわからないし、将来君たち精鋭部隊の子たちが戦いのいらない状態になるかもしれない。できれば私たちがそうしてあげたいところだけど今はまだわからない。だが、もし戦いが必要なくなったとしても日本の土地で働けるだけの技術を身に付けれるような教育をしていくと誓おう。もしこの教育に参加する意思があるなら明後日までに私のところへ来てくれ。いつでもってわけではないんだが、明日の12時から14時、明後日の11時から13時まではそれぞれ時間が取れる。自由にその時にまたここへ来てくれたらいいよ。その時はご両親と一緒に来てくれ。詳しい話をしようと思う。日本の未来を背負ってもらうんだ。教育に関して心配が無い状態で他の面で心配があるようなら私が話を聞いて打開しようと思うのでそのあたりも話しておいてくれ。君たちの存在が未来を豊かにして皆を守ることにつながる。いい返事を待っているよ。」


話を聞いていてびっくりしてしまいちゃんとした受け答えができない状態だったので一方的に話してもらってしまった。

私と宗光がやっぱりつながっていたこと。

10歳を迎えると力を徐々に付けていける可能性があること。

今後の教育は日本の英雄たちの京都の側近が直々にしてくれるということ。

心配事があればできるだけ対処する、即ち、どうしてもこの制度で教育を受けさせたいということ。

それぞれが私の頭の中で繰り返され有馬が、ところで私は甘いものが好きでね、私が来たときは作らせておくんだよ。お土産として持ち帰りなさい。とケーキ、和菓子を人数分包んだものを渡してくれるまで心ここにあらずという感じで流れに身を任せていた。

隣で慎太郎が、飛び跳ねるほどはしゃいでいて、君にはこれもあげよう。夕食の分なんだが少し多めに作っておいてもらっていたからね。と、帰りの分のお菓子をもらいほくほく顔でうまうましてたのを見ても私は一人でパニックを起こしていた。


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