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ViB  作者: うーまる
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ViB 第1話 濤川 ~誕生~

今回からViBの世界に入っていきます。

ここは日本の京都。

私、濤川(なみかわ) (りん)は京都に生まれた。

この世界は私が作った世界なのだけれども舞台は私たちの先祖が住んでいた地球の日本。

地名も地形も当時と同じものを使っている。

他の4人がどこに生まれたのかはわからないけどだいたい見当はついている。

で、地名は一緒だけど大きな町があるのは当時の市庁舎が置いてあるところ周辺が栄えているみたい。

学校もあって経済、戦闘、魔法、歴史、文学などの教科に分かれていて最低限の知識を付けてからそれぞれの興味のある分野へと進んでいくことになる。

この世界では魔物が出るので孤児が多かったりする。

それは町が総出で守ってあげる。

個々のつながりがとても強い街の中では孤独におびえるというのは大都市でない限り無いみたい。

犯罪者は街づくり、移動経路の確保等の強制労働をさせられて人を殺すと投獄され幽閉される。

犯罪者に人権は無いというわけではないが、モンスターの囮とされることもあるらしい。

そんな世界に私が生まれて6年。

この世界では早いころからの自立が義務付けられていて学校に通いだす6歳からある程度の教育をし始める。

文字もそうだが通貨、時間、計算、化学、歴史など広く浅く教育をはじめる。

体力づくりもこのころから始められ魔法も同時に行なわれる。

大抵この頃から自分は冒険者がいいのか市民として町に貢献するのがいいかを意識し始める。

6年間教育をしその後2年やってみたいことを掘り下げて教育を受けたりする。

その後1年間は生きるための戦闘教育をする。

戦闘に関しての教育は能力値によって振り分けられる。

戦闘特化型の人は小型の魔物を討伐したり実践訓練も受けられる。

そこまで戦闘に特化していない人は逃げるすべや護身用の魔法陣などでの戦闘の回避方法等を学べる。

魔法に特化した人は魔法を主に練習していく。

使えば使うほど慣れていき習熟していくことができる。

ただ、限界値がある。


で、私はこれから学校に上がる。

もちろん私は設定なんてものは知らないから知るのには後4年はかかるのよね。

10歳ですべて思い出すのではなくて徐々に覚醒していくようにしてある。

この年頃の子達の戦闘能力は1000程度だけど私たち5人は徐々に解放されていくので1日で1000程度は増えていくんじゃないかしら。


「鈴。そろそろご飯よ。明日の支度は終わった?」


「終わった!明日がとても楽しみ!」


私は孤児。

親はいない。

幼いころに町が襲われその時に私の盾になり両親は死んだ。

あまりにも幼いとはいえ、温もりも笑顔も覚えている。

大好きだった両親がなくなったのはすごくショックだった。

でも町のみんなも悲しがってくれて両親を亡くした私より泣いてくれた今のお母さん達が可笑しくて涙が引っ込んでしまったことも覚えている。

両親はお店をやっていた。

お父さんが鍛冶職人でお母さんがお店に立ち物を売っていた。

それもあってか私は金勘定には特化していて武器の扱いや護身用の戦闘もお父さんに教えてもらっていた。

当時は3歳だったが賢く強く育っていたらしい。

それを見て今のお母さんとお父さんも褒め称えていた。

ーきっと賢くて町1番の美女になる。ー

それが私のお父さんの口癖だった。


「そういえば慎太郎君も鈴と同い年だったよね?慎太郎君とは仲良くしてるかい?」


「しんたろーは私より少し弱いの。だから私が守ってあげなきゃいけないの。お父さんやお母さんのように何でも教えてあげてるの。

しんたろーは魔法が得意だから代わりに魔法を教わってるよ。」


「そうなんだね。本当のお父さんとお母さんが生きていたら鈴のことは誇りに思うだろうね。」


「えへへ。ありがとう。でも本当も何もないの。2人とも私にとってお父さんとお母さんだもん。今もとても幸せだよ?」


「ありがとう。鈴は本当にいい子ね。寂しい思いもたくさんしただろうけど、仕方ない世界ではあるけど私たちが守ってあげるからね。」


「ありがとう。でも2人は私が守るの!私は町一番なだけじゃなく世界一強い戦士になるんだもの。そしてこの世界を平和にするの。」


「楽しみにしてるわ。」


この2人に育ててもらって本当に感謝している。

もったいないくらいあふれ出た愛情をぶつけてくれ時には叱ったり怒ったりすることはあっても消して見捨てない素晴らしい両親だ。

何があっても守ろうと、自分にできることを精一杯こなしていく毎日だった。

これから学校へ行って教育も受ける。

ひと段落というか新たな旅立ちというかステップアップだからこそ本音で語り合うチャンスだよね。

言葉にして決意を新たにして6歳ながらももう12歳程度の精神年齢の私が学校に通う前の記念すべき日の夕食だった。





「鈴ちゃんちょっと待って。疲れたから休憩にしようよ~。」


そういって私の後をノロノロと付いてくるのは幼馴染の慎太郎。

私たちは今9歳になった。


「さっさとしないと間に合わないじゃない!せっかくの演説なのに。」


「でもまだ1時間もあるじゃない。そんなに急がなくても大丈夫だよ~。」


「何を言ってるの。早く行って一番前でその姿を目に焼き付けるの!私たちに止まってる時間なんてないわよ!」


「もう、じゃあ回復魔法かけてよ~。」


「ん~。慎太郎は少し痩せないといけないから足を速くする魔法をかけてあげる。そうすれば私と同じ速度で走れるわ。」


「え~。いいよ~。僕はお店で装備品を売るんだから体力なくても大丈夫なんだよ~。」


「ダメよ。もしお店が火事になったり魔物に襲われたらどうするの?走って逃げないとでしょ?そんなことじゃ逃げ遅れちゃうわ。」


「大丈夫だよ。魔法ももう13歳くらいの人たちには負けないくらい使えるし。もっと使えばもっと強く守れるし。」


「そうよね~。いつのころから私に教えてた魔法が偏り始めて守備系の魔法だけが伸び始めたのよね。私が殴り過ぎたからかしら?」


慎太郎と2人どこに向かってるかというと今日は世界の英雄といわれている戦士の大剣豪、有馬宗十郎がこの京都に来るのでその会場

である町の広場へと向かっているのだ。

この町は巨大な円を描いていて侵略されないように迷路のような作りになっている。

日本は統治されているので人間の侵略は無いので昔の名残だ。

緑の都市と言われていて家の屋上には必ずと言っていいほど木が植えてあったり植物を育てている家が多い。


「後どのくらいだっけ?」


「この道を真っすぐ100メートルくらい行ってから左に500メートルくらい直進できれば着くわ。」


「え。ちょっとまって、飛躍の魔法は使わないで。あれを使うのはダメなんだよ~。」


「大丈夫よ。今回は飛躍じゃなくて飛行よ。それに水路の上を飛んでいくからそんな高くないし。その方が早いしね~。」


「ひゃーーーー。」


私は慎太郎の腕を握りしめ飛行した。

慎太郎は泣きながら早い早い!と喚いていたけど無事に会場についた。


「ちょっと~。もう少しゆっくり進んでくれてもよかったじゃん。空を飛ぶのは僕も楽しみにしていたのに。」


「今日はちょっとした例外よ。後でゆっくり飛んであげるから。あ。ちょっと飲み物買ってくるわね。ここで待ってて。」


もう。鈴ちゃんは鈴ちゃんなんだから。という小言を後ろに聞きながら私は飲み物を買いに行く。

私の英雄でもある有馬様がこの町に来るんだもの。

私のテンションは限界突破して空を突き抜けて地球を3週くらいしたって収まらないんだから。

そんなことを思いながら2人分の水を店主さんからもらい、1度お替りしながら、慎太郎の元へと戻る。


「ありがとう鈴ちゃん。僕たち水の魔法使えないから屋台はとても便利だよね。」


「そうね。屋台が無いと死んじゃうわ。とてもありがたいわよね。」


ベージュをベースにした石畳と花壇、私たちのいるところからすぐそばに大きな噴水があり噴水の上には浮き時計がありどの角度からでも時間を確認できる。

講演会はこの広場で行われる。

巨大な広場では街を統治している領主さんが情報を公開するときにも使われる。

この町には10万人ほどの人間がいる。

ほとんどの人がこの広場に集まり、広場に面した建物から顔を出したり屋上からこの広場を見たりする。

演説台の正面に噴水が来てその裏は演説が見えないので屋台の人たちが使うことになっている。

屋台の人たちからも見えるように噴水よりも少し幅広く屋台設置場所が設けられている。


「まだかなり早いけどこのステージだと最前列は少し見にくいわね。でも一番近くで見守れるならここでもいいかな。ってことでここに後一時間滞在よ!」


「え~。何してればいいの?なにか暇潰し的なことある?」


「こんなことになると思ったから有馬様の書物を持ってきたの。後は今日の講演会のパンフレットとも2つあるわ。パンフレットは貸

してあげるから後で返してね。それは鑑賞用、私のはサインしてもらって保存用にするの。あ~楽しみ。」


「そ、そうなんだね。僕も楽しみだけどね。あ、そうだ。せっかく土系の魔法使えるんだしこの前とってきた粘土使って有馬さんの像

を作らない?魔法の訓練にもなるし。」


「そうね。パンフレット読みながら形を作れば、ながら作業の特訓にもなるわね。賢者様のようにダブル詠唱なんてこともできるかも!」


「さっそくやってみよう!」


私たちの歳での魔法は最弱魔法でも使えて3、4回。

でも私と慎太郎は3歳からの特訓のお陰で100回は軽く越えて使うことができる。

また、持続放出もできるようになり例えば料理するときの火を連続で点けていたりもできるようになった。

本来は木を使えばいいのだけど訓練のためにお母さんにお願いしたりしている。

土魔法の持続放出は形の形成や強化等ができるようになった。

さらに上達すると鍛治屋さんの様に鉄を鍛えることができる。

火、水、土の魔法が使えれば1人でも鍛治を行えるが大抵三人一組で行っている。

私の父は魔法に頼らず完全に手だけで作っていたので強度に関しては魔法よりは劣るが切れ味に関しては誰にも負けず、生活や建築等

に使う刃物としては重宝されていた。


「父譲りの器用さとこの土魔法で素晴らしい有馬様を作ってやるんだから!」


「僕も負けないよ!僕は火と土と光しか使えないけどね。」


2人はパンフレットを読み、時に語らいながら目の前に浮かんだ像を作り上げていく。

鈴は自分で持って来た本の表紙を参考に、慎太郎はパンフレットを参考に作っていった。

30分もしないうちに作り上げ完成度の具合を確かめる。


「私のもなかなかにいいけど慎太郎のもいいね。今度は私がパンフレットので慎太郎が表紙のを作ってみようよ。」


「うん。じゃあ交換ね。なるほど鈴ちゃんの像はなかなか強度もあるし躍動感があるよね。動き出しそう。」


そして会場に人が集まり始め講演開始10分前には像ができていた。


「完成よ!なかなかいいできよね!有馬様~。」


「あはは。いい感じにできたよね。じゃあ鞄にいれとくから。これケースね。硬質化させた?」


「もちろん!じゃあよろしくね!この箱にもサインもらえないかしら?」


「足元に置いておこうか?そうすれば気が付いてくれるかも。」


土魔法の形形成などできる人は少なく更に細かな作業となると尚更注目の的になるのだがこの時は気が付いてなかった。

ステージの上で幕や椅子等の準備がされるなか、司会者が拡声器の前に立ち話始める。

ちなみに拡声器は小型メガホンのようになっていて中に拡散と伝播の魔法が取り付けられていて会場のすべてに聞こえるようになっている。


「さあ、皆さん、今日が晴天に恵まれたのも伝説が来町したからではないでしょうか?さあ、我らが英雄、有馬宗十郎様が御見えです。」


司会がそういったとたんに割れんばかりの声援と拍手が送られる。

本来は罠に使われるはずの煙玉も風魔法を使い派手な演出とともに現れたのは有馬宗十郎とは違いまだ幼く私と同じくらいの歳のにへらと笑っている男の子だった。


次回辺りからところどころに開設の画像入れていきます。

自分が作った設定上の画像ですしペイントで作ったので粗いとは思いますが、よろしくお願いします。

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