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ViB  作者: うーまる
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ViB 展開 ~練習~

ここで元の世界のお話は一時終了です。

これからViBの世界に入ってみんなで冒険していきます。

ではお楽しみください。

「じゃあみんな、このデバイスを付けてくれる?これは頭につけるデバイスなの。接続していることがわかるように接続中は現実世界

からの干渉はできないわ。このデバイスがダークマターシールドを展開してくれるの。これは今この世界で行われてる発掘作業で使わ

れてる装置の光線を浴びても砕けることはないわ。」


「ふぇ~。現在で一番固い鉱石おも砕くって言われてるあれでしょ?」


「そう。芝生の言う通り。そのくらいにしっかりと守られていないと仮想世界に入ってる間に何かをされてしまう可能性が出てくる。

何にでも応用できるダークマターがあれば何でもありよね。」


「そうだね。それなら僕たちが仮想世界に行ってる間も安心だね。まあ、無いとは思うけどこのゲームが悪用される可能性もあるしね。」


「神崎が言ってくれたけど、それを一番危惧してるの。私は開発支援されながらでもソフトウェアを開発したいわば開発者よ。今のこ

の惑星で悪事を働く意味はないだろうけど何があるかわからないからね。」


「まあ、このステーションは隕石が落ちようと地割れが起きようとこの場に留まり続け、破壊はおろか、分裂すらできない構造になっ

ているのだから外的要因は安心だな。」


「そうね。」


「ん~。じゃあ内部じゃなくて外部からの犯行に危惧しての対策?それは頼もしいよね~。この惑星の他にも移住した人たちがいるわ

けでしょ~?ならその人たちからの嫉妬で~ってこともあるわけだ。」


「そうね。白タヌキの腹の中が白か黒かなんてのは誰にもわからないからね。」


「僕のお腹の中?黒くはないと思うけど…。」


「あら、どうかしら。この前私があなたの好物のマグロを食べたとき怒り狂って1週間お風呂にワカメ入れ続けてたでしょ?そんな悪

質で回りくどいことする人が居るのよ?寝てる間に崖下にポイだなんてことになったら洒落にならないわ。」


「り、鈴ちゃんそんなこと思ってるの?僕はそんなことしないよ!寝てる間に洗濯バサミを顔中に付けるかもしれないけど、いくらな

んでも崖下に落とすだなんてことはしないよ!」


「…え。」


「エグいな。」


「いつものことだ。」


「腹黒いというか復習の仕方が可愛らしいわよね。」


「あ、いや、でも、人の嫌なことをした人にはそれがどれだけ嫌だったのかを身をもって味わってもらわないとなんだか嫌じゃん?」


「まあね。そういえば神崎も敵か見方かハッキリしたらとことん追い詰めるわよね?」


「ぼ、僕はそんなことないよ。洗濯バサミを顔中に付けるとか恐いよ。」


「あらそう?よくWMS内のCPUに畑荒らされたりしたらお返しにほぼ壊滅状態にしているでしょう?私も何度もやられたわ。」


「俺も俺も~。神崎ってば容赦なくメテオ放ってきてさ~。せっかく城下町の町が栄えてきたのに離れ小島の2家族だけ残すんだもん。嫌らしいやり方だよね。」


「い、いや、ゲームじゃないか!それに他の人の領土を荒らすのはよくないよ!」


「それはお主であったか!私らは北の実験棟の出だからここからは離れているのだがWMS内の破壊神がいると聞いていた。仁が目指している人でもある。」


「神崎君だったの!?世間は狭いね~。まさか僕の目指している敵には容赦しないというスタイルが神崎君だったとは~。嬉しいな~。」


「あ、ありがとう…。」



「まあ、おふざけはこの程度にして、早くチュートリアルやっちゃいましょ。」


「そうだそうだー。もう服装とか戦闘スタイルとか検討つけてるから早く試したいんだよ~。」


「はいはい、まったく、芝生はホントにお花畑ね。まあいいわ。じゃあみんなそれぞれこのデバイスを付けてくれる?」



そういって僕たちは濤川から頭に乗せるタイプのデバイス、ライドデバイスを渡された。

ちなみに濤川の部屋は10畳程の部屋にベッド、デスク型パソコン、テーブルにペーパーテレビ、玄関付近には風呂、トイレ、キッチン等がある1K。

彼女の部屋は人類が地球にいたころをモチーフにしている。

ちなみに僕の部屋は現代風にしていて10畳ほどの部屋に空気洗浄室、トイレにカウンターキッチン。

ペーパーテレビに内蔵型PC。

昔から好きな大きなベッドに感触のいい毛布やクッションを置いてある。


まあ、僕の部屋の内装はいいんだけど、今僕たちは皆川の部屋にいて、皆川がベッドに入り背を壁にもたれながらクッションを抱いて

身を任せていて、仁がそのベッドへと寄りかかり胡坐をかき座っている。

修は皆川のPCチェアを使い座っている。

足をぶらぶらさせながらライドデバイスをいじくりまわす様はまさに熊。

僕は部屋のテーブル、こたつに入りみかんを食べながら、テレビを左手に白熊の仁に横目を使っている。

白熊は今自分のクリエイトワンパソコン、COを使い音楽を作っている。

白熊の左脇には先程家にお邪魔した時に出されたお菓子類が山のように積まれている。

芝はテレビを背にして座っており僕の左斜め前に座っているのだがステーキ御膳を食べている。

皆川の内装は昔をイメージしてるが食事は一応最新型の分子構造機が使われているらしい。

分子構造機とは空気中にある分子とダークマターをつなぎ合わせ食事を作る機械のことだ。

だからこそ芝がステーキ御膳を食べているのだが。



「ちょっとまって。まだあと~~~300グラムくらい残ってるから。」


「あんたね、私食事は済ませてくるように言わなかった?」


「いやいや、今家に最新型のレトロ型PCが来てたんだよ~。組み立ててたら食べる時間なくて。それに俺ら3人で集まるといつも喋

ってるし2人増えたところでそれは変わらないだろうなって思ってさ。食べる時間あるだろうって思って。それにうちの分子構造機ち

ょっと旧式でね。おろしポン酢が無いんだよ。鈴の家にはあるのにどうしてだろう。」


「ああ。それはね。私がViBを作ったのと同時に改良したからよ。おろしポン酢のほかにも少しマニアックなメニューを増やしてみ

たの。WMSでも料理の研究はできたでしょ?昔の料理を覚えるのもそうだけど、料理の研究もしてみたの。それでいろいろな料理を

作って味を研究してメニューに追加しておいたの。私は日本人の血を受け継いでいるから日本食系の味が好みだったわ。だからおろし

ポン酢を入れたの。トレーニングするときも肉はとても体にいいって聞いてるし。」


「僕、鈴ちゃんちの隣に住もうかな~。修と同室なんだけど3部屋式の部屋とか近くにないの?」


「ないことはないけど今の技術であれば1部屋分の範囲でも3部屋構造にすることはできるわ。それじゃあだめなの?」


「そっか。そういうやり方があったか。それなら僕たち引っ越せるね。」


「いや、仁よ。それならばメニューのデータを転送してもらえばよくないか?まあ、私も鈴達の家の近くに住めるのであればいいのだが。とてもいい人たちだしな。」


「ありがとう。それはとても嬉しいわ。変なのが一人いるけどいい人たちっていうのは嬉しいわね。まあ、メニューは転送ができるか

らそれは心配いらないわ。研究等のほうから引っ越ししても問題ないの?」


「それは大丈夫だよ~。父さんはどこにいようととがめてこないし母さんも問題視しないよ。というか鈴ちゃんの家の近くなら父さんも母さんも大賛成だよ。」


「間違いないな。」


「そうなの?ならいいんじゃないかしら。この5人でしばらく行動することになりそうだし。まあ、実際私たちは現実世界では数分止まってるだけなんだけどね。」


「そうだね~。芝くんの食事もまだそうだしViBの詳細設定を教えてくれる?例えば僕たちが世界を作り出して世界に入ったとして

、始まる際の年齢や性別、言語や声色、服装や両親。ほかにもいろいろあるけどその辺はどうなってるの?」


「そうね。その設定は私たち創成者に委ねられるの。私は年齢は今の年から。性別も同じよ。言語は私たちの言語に合わせているから

作った世界も私たちと同じ言語を使っているわ。声色も同じ。服装はこれから始めるチュートリアルで個々作ってからにしようと思っ

てるわ。それぞれの思っている服を着た方がいいでしょう?」


「そうだね。そういったのもいろいろとあらかじめ考えていたよ。ぼくたちが作る世界でも同じような服装とかで旅できたらいいんだけどね。」


「そうね。そういったこともできるし、0歳から始めて神のお告げということにして10歳程度になってからみんなが再開するってい

う設定もできるわよ。記憶は再開してから復活するっていう方がいい気がしない?そうした方がなんか伝説の英雄って感じしない?」


「おお。それはいいね。それまでの僕たちはどうするの?呪文とかステータスとかチュートリアルで決めたようなものになるのにどの

くらいの時期からどのくらいの期間を経てそのステータスになるのか。その辺も決めておかないといけなさそうだよね。」


「そうね。それはチュートリアルに含めておくわ。だからその時に個人で設定してもらっていいかしら。で、私たちが一様に集合する

のはチュートリアルの最初だけよ。その後は姿かたち、声何かは今と同じになっていてゲーム中は歳を取らないわ。じゃないと誰が誰

だかわからなくなっちゃうしね。ということで芝生の食事も終わったことだしさっそく始めますか。」


そういって僕たちは皆川から乗せてもらったデバイスを起動させた。






「個々がチュートリアルの世界よ。」


目を開けると濤川が少し前に立っていてその後ろに仁、僕、宗光、修の順番で立っていた。

景色はまるで僕らの立っている透明の板が飛行しているような状態で通り過ぎていく。

それに伴い風が吹いていて春先の心が躍るような、体の奥から湧き上がってくる高鳴りを感じられるような感覚が僕の体を包み込んだ。


「じゃあ、さっそく始めましょうか。決めるのはそこまで多くないわ。まずは服装。体に関しての変更は今回は行わないわ。性別、

声、外見、それらはそのままね。だから急遽決まったけど記憶が戻り始める10歳から旅を始める私たちの最終的な服装をここで決め

ることになるわ。それから今から行く世界は魔法も使えるの。それぞれのステータスも決めておかないといけないわ。基準はその世界

で生活している市民の体力、精神力、筋力、頭脳、運の総計の平均を5000とした時に私たちは最低でも50万以上にしようと思う

の。だから最低値は50万で設定してちょうだい。あとは、モンスターも出てくるけど一般市民、冒険しない人が5000だと

して冒険者は1万から10万くらいとして少し強い人がそれ以上だとしても私たちは余裕で勝てるようにするの。

なぜならこの世界はあくまでもViBのテストだからよ。ただ、敵が現れてその敵に対して何もせず力だけでねじ伏せることができて

しまったらつまらないからモンスターに関しては私たちが覚醒した後、集結し、倒す敵は少し強いのも出てくるわ。この世界で死んで

も確かに現実世界では死ぬことはないわ。でも痛みなどはリアルに体感できるようにしてるから死なないでね。」


その他にもいろいろと細かい設定があるようだけどそれは濤川が決めたり、僕らが個人で設定できるみたい。

少し手ごわい敵も僕らの戦闘能力の総計よりも少ないからちょっとだけ力を出せばみんなでちゃんと討伐できるみたい。

また、それを世界の人たちが見ていて世界が終わった後も世界を稼働させるとして彼らにとって僕たちは英雄化してずっと語り継がれていくらしい。

変なことできないね。


「これが私たちの大まかな決定事項よ。それじゃあ、あとは個別で設定していってね。私はもうどのような姿なのか、ステータスなの

かすべて決まっているの。あ。そうだ。例えばお花畑芝生が戦闘能力を1億とかふざけた数値にしたとしたら私たちも軒並み揃えられ

るし敵の戦闘能力も軒並み揃えられるわ。ゲームによって違う能力値のようなものね。0があるかないかの違いよ。」


「え~。一人だけ100億とかにしようかと思ってたんだけどな~。まあいいや。」


「芝生殿は面白いくらいにチートスキル系のゲームが好きのようだ。私も嫌いではないが。ということでひとつ提案なのだが、

こういった心を揺さぶるゲームには覚醒して能力を底上げするという設定が付きものだろう。そしてそれは怒りを覚えているときや感情的になっているときのほ

うが引き出されやすい。だから私たちも覚醒する能力とやらを載せておいてもいいのではないかと思うのだが。」


「そうだね。それいいね。僕と修は2人で1つみたいなところがあるから合体秘術みたいなのを設けようよ。」


「そうね。面白そうね。じゃあ、それも入れておきましょう。それに関してはViBシステムが設定の時に聞いてくれるからそこ

で設定してちょうだい。じゃあ、そろそろ解散する?」


「そうだね。じゃあ、会うのは10年後だね。それまでそれぞれがどうなっているのか楽しみにしているよ。じゃあねみんな。」


「わかった~。またあとでね~。」


「うん。またね。」


「ああ。10年後に。」


「そうね。また会いましょう。----じゃあ、システム、初めてちょうだい。」


ーかしこまりました。これから個々の設定を始めます。ー


僕たち5人の世界にそう響いたかと思うと僕たちの体が光だし光が収まった時にはチュートリアルと目の前に表示されていた。


ー初めまして。私はViBシステムです。これからさっそくシステムを構築していこうと思うのですが、よろしいでしょうか?ー


「うん。かまわないよ。」


ーではまずはステータスの設定から行います。ー


こうして僕らは10年後再開する運命を背負って、それぞれの人生を歩み始める。

ちなみにViBが製品としてリリースされたらチュートリアルではハード、ノーマル、イージーと選べるそうだ。

ハードが突然変異なども生み出しながら困難を乗り越えていく本当の物語に近い設定で、ノーマルはけた外れの強敵を生み出さないタイプの設定。

イージーは今回のようにチートを利用したゲームになる。

親設定はこうなっているが、これだけにとらわれずハードだがチート能力も使えるし、自分で能力を設定できたりシステムに振ってもらったりと変更もできる。

自由度は無限大ということらしい。


ちなみに途中濤川から連絡があり


「私はもう終わったんだけどみんなはどう?一応みんな揃って中に入るように設定してるから自分の能力の確認や特技の演出の設定も確認しておいて。あと、

一応必要になるかなと思ったから念話は必修スキルにしておいたわ。あとステータスの総計は500万で統一したわ。

それぞれに違うと面倒だしこれから行く世界にはそこまで強い人はいないもの。だから500万を限界値としてそれぞれを振り分けてね。」


「わかった。」


「おっけ~。」


「わかった~。」


「了解した。」


これは楽しみなゲームができたね。

このチュートリアルも自分の攻撃の仕方、その攻撃の効果、魔法の威力、演出、効果、スキルなども自分の思い通りに設定できるみたい。

そのスキルをもとにしてこの世界の人たちの能力を設定していくみたい。

例えば俊足のスキルがあったとしたらその下位種を設けて市民に付けたり。

市民は完全に僕たちのステータスの劣化版ってことだね。

そうすれば僕たちのステータスが際立つわけだ。


あと、さっきの通信の間に1人ずつモンスターを傍においておけるようにすることも付け加えておいた。


次話はViBの世界に入った物語です。

しばらく元の世界とは離れます。

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