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プロローグ
私にとって
彼は神様であり 憧れであり
手の届く筈のない人だった
あの人はいつだって 一際輝いていて
私を 周りを惹きつけて止まない
冷静で どんなに 不利な状況でも
ポーカーフェイスを崩さず
一番良い解答を導き出して
逆転させる
かと思えば
困難に直面したとき
それが難題であればある程
まるで 小さな子供が
おもちゃを渡されたときみたいに
瞳をキラキラさせて
そんな彼に
心は囚われたまま
今日も 私は
彼の残像を追いかける
どんなに冷たくされて
嫌われていたとしても
たとえ彼が私のことを忘れていたとしても
私は
彼を忘れることなんて
出来なかった




