第三十二話 武器屋
バエカトリにやって来て三日が経った。
今のところ、街に怪しい気配はない。
モリスも欠かす事なく感覚察知を起動させているが、これと言って物騒な気配を垂れ流している輩はいないらしい。
さらに言えば、ここバエカトリは観光都市に数えられる。
治安が比較的良いのだ。
鉄錆や火薬の匂いが染み込んだ服を着た危ない奴なんていないらしい。
確かに、ウォーモルと違って、バエカトリは街全体が平和な雰囲気だ。
故に、ここのユニオンも管轄は、ボトムユニオン。
所謂、何でも屋さん的な依頼を多く扱うユニオンである。
それに伴い、ここバエカトリに駐在するサーチャーは、大体が低ランクの者ばかりだ。
雰囲気で例えると、ミドルユニオンのサーチャーが仕事の出来る強面職人のおっさんなら、こっちは頼りないバイトの大学生ってところだろうか。
この三日の間に、ユニオンにも顔を出して来たが、ウォーモルとは違い、どこか呑気な感じだった。
こう、ピリピリとした何かを感じない。
少なくとも、己の腕で生き残って来た荒くれ者の集う場所、っていう空気感はない。
ウォーモルでは、屈強なヤツらばかりだったのに、こうも違うのかと思った。
ちらっと掲示板を見たが、討伐依頼は一、二件程度しか無かった。
全てモーグリ討伐だ。
それ以外は、地球のバイト情報誌とあまり大差がない。
『調理担当募集中』とか『簡単な運搬作業』とか、書かれているものばかりだ。
平和だな。
ポアロイルの馬車も少し改造した。
主に、おれのベットを作っただけなのだが。
今現在は、車両前方の長椅子二つはモリスとホワイトがベッドとして使っている。
車両後部の対になってる二段ベッドにはジェフとソルダット、対面にセレシアとアカネが寝ている。
もちろん、女性のベッドはカーテンで区切られているがね。
そしておれは床に天幕を広げて寝ている。
改造したのはジェフとソルダットの方だ。
二段ベッドの高さを変え、三段にしたのだ。
天井の高さは変えられないので、下のベッドを少し位置を変えて、間にもう一つベッドを追加する形だ。
ベッドと言えるほど立派なものじゃないが、それでもベッドとしてちゃんと機能する。
この改造に伴い、少し手狭になったが、許容範囲内だ。
とにかく、これでおれの寝床は整った。
そしてこの三日間、サイババは一向にして訪ねてこない。
ということは、未だ情報を集めに汗を流しているのだろう。
ポアロイルとは昔からの知り合い、とか言っていたが、どうやら丁度100年前くらいに知り合ったらしい。
この世界では、人間の体は老いないというが、ソルダットとホワイトは単純計算で100歳以上ということになる。
実際本人に確認してないから、具体的な年齢はわからない。
100歳と言っても、出現してから、ということであって、見た目は二人とも二十代後半から三十歳って感じだ。
今まで尋ねた事はなかったので、100歳を越えている事に驚いた。
それよりもジェフが出現してから30年も経ってる事に、もっと驚いた。
全然ガキじゃなかった。
てか、むしろおれより年上じゃねーか。
人は見た目によらない、ってことですね。
さらにもっとビックリした事がある。
セレシアだ。
なんと、アイツはフォトムだそうだ。
今まで隠していたつもりはなかったそうだが、別段取りあげて言う事でもないと思っていたらしい。
おれ以外のみんなは当然知っていた。
確かに、わざわざ言うような事じゃないかも知れないが、出来ればもっと早くに教えて欲しかった。
ポアロイルはびっくり箱だ。
ちなみに彼女の年齢は十六歳。
三十歳が寿命と言われるフォトムでは既に中年だ。
何というか、おれ達があと何十年も何百年も生きるのに比べたら、彼女の命は儚い。
いつも強気で喧しい彼女とは正反対の運命だ。
その事を知った時、やっぱり切ない気持ちになった。
こんな世界に来ても、避けられない別れを考えると、やるせなくなるもんだな……
こんな感じで、おれたちはバエカトリでの四日目を迎えた。
「今日で四日目だな。早く情報を持って来てくれたらいいのに」
「まあ、確かにこの街は退屈っすね。ユニオンの依頼も簡単なのばっかりですし……」
朝の一階の食堂。
サイババ亭の朝はビュッフェ方式だ。
まだ醒めきらない目を擦りながら、コーヒーだけ持ったおれとモリスは、適当なテーブルに腰掛けた。
窓の外は既に活気に溢れているようで、明るい喧噪が聞こえてくる。
ズズッと熱いコーヒーを啜れば、口の中に爽やかな苦さが広がる。
ふう、とため息を吐き、机に肘を立てると、奥のほうからアカネがやって来るのが見えた。
「なんかあんた達、最近いつも一緒ね」
寝巻き姿のアカネは、コーヒーとサラダが乗っているトレーを机に置くと、おれの隣に着席した。
モリスの隣も空いているのに、おれの隣に座った。
別に彼女にしては、何の考えも無いだろうが、おれは少し嬉しい。
「そりゃ相部屋なんで当たり前っすよ」
「あ、そうだったわね」
アカネも一緒になってコーヒーを啜った。
あれこれと三人で雑談してると、奥の方から騒がしい声が聞こえてきた。
「食い意地ハンパ無いっすね……」
振り返ると、ビュッフェのあるコーナーでガキんちょが喚いていた。
ジェフだ。
手のトレーには、あらゆる料理がてんこ盛りになっていた。
あれ、全部食いきれるのか?
その後ろには、すらっと細長いブラックな影が笑っている。
失礼、ホワイトだ。
ジェフは他の客に何か言いがかりをつけているようだ。
「おまえ! そんなに取ったらボクの分が無くなるじゃないか!」
ジェフの前にいる客はたじろいでる。
「ギャハハハ! いいじゃねえかジェフ、違うのもあるぞ」
「良くない! ボクはこのグラタンが食べたかったんだ!」
首根っこをホワイトにつまみ上げられ、ムスっとした表情のまま、こちらにやって来た。
出現して三十年経っても、精神年齢は見た目と一緒だな。
もしかして、外見と一緒で中身も年を取らないのかもしれない。
この世界は不明なところが多い。
「まったく、朝食は脳の重要なエネルギー補充だっていうのに、どいつもこいつもわかってないな!」
ホワイトは、つまみ上げたジェフをモリスの隣の席に下ろすと、隣から椅子を持って来て座った。
不機嫌な顔のままむしゃむしゃと食事を始めるジェフ。
「まあまあ、あっちに美味そうな魚のソテーがあったぞ」
おれがそう言うと「本当か!?」とニカッと笑顔を作り、席を立った。
ふっ、ガキだな。
「それにしてもサイババのヤツ、いつになったら情報持ってくんだ?」
ホワイトはトレーに取ったパスタ的な物を頬張りながら言った。
みんな退屈だと思ってんだろうな。
「おれの予想だと、多分今日も何も無いぜ」
残りわずかなコーヒーを飲み干し、おれはホワイトを見る。
ホワイトも渋い顔で頷いてた。
「しかし、敵襲も無いっすからね」
「そうよね」
モリスのレーダーには、自分たちの周辺を嗅ぎ回ってる刺客の気配は全く入ってこないらしい。
なにを根拠にしているのかはわからないが、襲撃は100パーセント無いと言い切れるとまで言っていた。
「……」
誰もが何を言うわけでも無く、時間がゆっくりと過ぎてゆく。
なんだかダランとした雰囲気になってきた。
その時、モリスがポンっと手を打つ。
「あ、そうだ。シゲルさん、もしよかったら今日一緒に武器屋に行きませんか?
おれボウガンの矢、追加しようと思ってたんすよ」
ふむ、武器屋か。
なんだかんだで今だに行ったこと無いな。
行ってみるのも悪くなさそうだ。
ていうか、武器を見るって、なんだか年甲斐も無くワクワクするし。
おれも何かちゃんとした武器が欲しい。
こんなウォーモルの農地で拾った棒切れなんかじゃなくて、マトモな物が。
あ、でもこんな平和な街にマトモな武器なんて置いてあんのかな?
ユニオンの討伐依頼もモーグリしかなかったし。
この街の雰囲気としては、全く武器を必要としてない感じだからな。
品揃えに心配があったが、ホワイトが言うには問題ないそうだ。
この街自体は平和だが、一歩街の外に出ればどこにでも魔物がいるこの世界。
武器屋は常に、その地その地で最高の品揃えをしているらしい。
それに、街というのは旅人にとって補給地点でもある。
遠くまで旅する旅人には、頼れる相棒(武器)が必須だ。
どんな街にでも、旅人相手だけでも商売が成り立つほどに、武器屋は繁盛してる。
「そういうことなら行ってみるか」
おれはニンマリしながら答えた。
「ハハハ! じゃおれも行くぜ!」
「みんな行くの? なら私も行こうかな」
「今日の予定は取りあえず決まりっすね!」
モリスがパンっと手を叩いて、みんなを見渡した。
ここの四人の今日の予定が決定したところで、後ろの方から大きな声がした。
「おい! 二つも取ったらボクの分が無いじゃないか!」
魚のソテーの前で、またしてもガキんちょが喚いている。
ジェフは、再び目当ての料理を逃したようであった。
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一旦部屋に戻って支度をすると、一階のロビーで待ち合わせた。
みんないつも通りの普段着で降りてきた。
セレシアはまだ寝てるらしい。
ジェフも買いたい物があるようで、一緒についてくるそうだ。
表に出ると、タバコを吸いながら宿に戻ってくるソルダットに出くわした。
タバコを買いに出てたようすだ。
「どこに行くんだ?」と聞かれたので、武器屋に行ってくると言ったら「おー、わかった。じゃあな」と、いつも通り覇気の無い返事をしながら手を振った。
そのやる気のない後ろ姿は、戦闘時からは想像も出来ないくらいダラけっぷりだ。
オンとオフの差が激しい。
道を聞きながら、武器屋に向かう。
通行人の話では、バエカトリは大小様々な武器屋が結構な数あるという。
おれたちはその中でも大型の三店舗に的を絞り、回ることにした。
一軒目は西二区にある店。
歩いて十五分程かかっただろうか。
確かに言われた通りの大きな店だった。
武器屋の前には、旅のサーチャーのような風貌の者がたくさんいた。
軒先に出されたワゴンの上には、様々な形状の武器が乱雑に積まれ、
『銀貨一枚均一! この機会を逃すな!』
と書かれたポップが出ていた。
そのワゴンを漁ってるのはみんな頼りなさそうな奴だった。
多分この街のサーチャーだろう。
やはり貫禄のある旅の者は店の中で、いい品物を買うのだろう。
命を預ける物だしな。
おれたちは店に入った。
入った途端、ジェフは一目散に駆け出すと、店内を物色し始める。
オモチャ売り場の子供じゃあるまいし、慌てなくてもいいのに。
高い位置に明り取りの窓がたくさんあり、店内は思ったより明るかった。
入ってすぐの所にある棚には、何に使うかわからない金具とか、正体不明の工具が陳列されている。
ここまでは地球で言うところのホームセンターみたいな雰囲気だ。
しかし奥を覗けば、大小様々な武器が並んでいる。
小さなダガーから、大人一人分くらいの大きさのある大剣まで。
もちろん剣だけじゃない。
横を覗けは、斧や薙刀、ハルバートに至るまでの品揃え。
その一つ一つがカッコよく、男の持つ少年の心を擽る。
た、楽しい……!
これなら一日いても退屈しないだろう。
明日もサイババ来なかったら、ここに来ようかな。
「おれはあっちっすね」
モリスは真っ直ぐボウガンのコーナーに向かう。
ボウガンのコーナーは、既製品から弦やトリガーなどの交換パーツ、様々なアタッチメントが豊富に揃っていた。
おれには何に使うかわからない。
モリスはサンプルの矢をじろじろと見比べて、そのまま店の奥の方に消えて行った。
ホワイトとアカネも各々の物を物色してる。
おれも色々見てみよう。
やっぱり、男のロマンとしては剣だろ。
ということで、剣のコーナーに移動する。
やはり剣が一番人気らしく、剣コーナーは店の大部分を占めていた。
壁の上の方にはかなり立派な物がかけてある。
中には実用的じゃなさそうな、ド派手な物まであった。
儀式用だろうか?
値段は書いてないが、上に陳列されている物はかなり高そうだ。
下に行くにつれて、作りもシンプルになり、より実用的な型の物が増えていく。
どれどれ、実際に持ってみよう。
金属製の直剣を手に取ってみる。
やはり、木の棒とは比べ物にならないほどのズッシリとした重さが返ってきた。
トレーニングを積んだおれには全く重くないが。
でも、おそらく地球にいる頃のおれだったら、片手で構えるのは無理だったと思う。
「それにすんのか?」
背後からの声に振り向くと、物色を終えたホワイトがいた。
「両刃は危ねえぞ。剣にするなら片刃にしとけ」
そう言って、サーベルっぽいのをおれに渡してきた。
ふむ、確かにそうだな。
いくら対人戦闘の訓練を積んだとはいえ、おれみたいな素人は両刃を使って自分を切ってしまう可能性だってある。
さらに言えば、おれは馬鹿力だ。
剣の軌道を読み違えて、自分の腕を切り落とすかもしれない。
……うん、両刃はやめよう。
「でも、鉄製は魔撃がなぁ……」
ホワイトが腕を組みながら気になることを言った。
「鉄製は魔撃が何だって?」
「……鉄は魔力が入りにくいぞ」
そうなのか。
素材によって魔力の通りが違うのは想像していたが、やはりあるのか。
だったら魔撃が得意のおれとしては、避けたいところだ。
「骨素材とか堅木ならいいんだけどな」
ふと隣に目をやると、かなりデカイ剣が立てかけてあった。
クリーム色の刀身からは、容易に骨製という事がうかがい知れる。
ただ、デカい。
超重量の大剣だ。
多分、身体強化を併用しながらだったら、問題なく使えそうだが……
「これを扱うのは、技術が必要そうだな」
こんなデカイ物を振り回すのだ。
隙も大きくなるだろうし、重心を常に意識しないといけなそうだ。
これを使うのであれば、その欠点を補って余る程の技量がなければ、扱うのは大変そうだ。
もちろん、おれみたいな素人が使うような物じゃない。
「もう少しお手頃なサイズは無いのか?」
「普通は魔物の骨とかで作るからな、デカさが無いと強度が心もとないんだよな」
ホワイトはなかなか物知りだ。
確かに、さっと見たところ骨素材の武器はどれも大型だった。
「竜骨だと小さいのもあるんだけどな、流石にここにはねえかもな……おーい、店員!」
竜骨ってのはドラゴンの骨だろう。
小型な物が作れるって事は、やはり強度が違うのだろうか。
奥から結構可愛い女の子の店員さんがやってきた。
流石に大きな店だけあって、スタッフも何人かいるようだ。
「はーい。お待たせしました……ッ!」
小走りで来た店員さんは、ホワイトを見てギョッとした顔を作る。
そして頬を紅く染めて
「……ホ、ホワイト・マリシオクネ!」
さすが、有名人は違うな。
人気者で羨ましいぜ。
こちとら殺し屋に人気だがな。
「おう、竜骨剣って置いてあるか?」
「竜骨剣ですか? 今は無いですね……あのぅ、握手してもらってもいいですか?」
「じゃあ二軒目行くか?」とか言いながら、ちゃんと握手してあげてるホワイト。
店員さんの顔は、うっとりしている。
いいなー! 人気者いいなー!
モテモテいいなー!
そこに若い男の声が聞こえてきた。
「竜骨剣は無いですけど、素材ならありますよ」
店の奥の方から、若い男の店員さんが出てきた。
彼は煤汚れた厚手のエプロンをして、手には皮のグローブとハンマーが握られていた。
職人っぽいな。
ってことは、この店の奥が工房になっているのかな?
「マジか? 何の竜骨だ?」
「フェルダイルの下腿骨ですね。一昨日入ったばかりで、まだ加工して無いんですよ」
フェルダイルってのは竜の名前だろうか?
この職人っぽい男は、額の汗を拭いながら続けた。
「二週間もあれば、好きな型に加工してお渡ししますよ」
二週間。
その言葉におれもホワイトも顔を顰めた。
おそらく二週間もあればサイババは情報を持ってくるだろう。
剣を待つために、二週間もここで足踏みするのはよろしくない。
モリスが木箱を抱えて戻ってきた。
買い物が終わったらしい。
アカネとジェフもやってきた。
「荒削りだけだとどのくらいかかる?」
「そうですね、型を特定しないなら明後日にでも」
多分、そのままの意味だと思う。
荒く削りだして、大まかな形だけ取るのだろう。
「別の店も回ってみるわ! ワハハ!」
全員揃ったところで、ホワイトが店員さんに手を振った。
やっぱり二週間は待てないよな。
「またいらしてください」という声を背に、おれたちは表に出た。
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他の大型店も回ってみたが、どこも竜骨は扱ってなかった。
竜骨ってのはドラゴンの骨ってだけあって、なかなか出回らない代物らしい。
値段もかなり高いが、そこはポアロイルの大蔵大臣であるアカネからはゴーサインが出ているので心配ない。
そして何故竜骨が良いかというと、魔力の通りが良く、小型でも強度があるからだ。
魔撃を攻撃の第一手段として考えているおれにとって、竜骨は必要不可欠に思える。
この街で仕入れられないとなると、次の補給地点まで、棒切れで過ごさなくてはいけない。
そこらへんの魔物なら大丈夫だと思うが、ジャノバスの刺客とかが相手なら、この棒では心もとない。
やはり一軒目の店で竜骨だけでも手に入れた方がいいだろう。
加工は後からでも出来る。
正直、荒削りだけでも鈍器としては十分に使えるだろう、という打算的に考えもある。
「そんじゃあ、一軒目んトコに戻るか!」
結局、ぐるりと北三区まで来てとんぼ返りだ。
モリスが買った荷物が重かったので、一軒目の店に置いてきたのだった。
どちらにせよ宿もそっちだし、帰るだけなら、もう少しここら辺を見て回ってもいいけど。
「あー、アレ見て! 美味しそー!」
珍しく興奮気味の声でアカネが指差す。
その先には、『バエカトリ・スイーツ』の看板。
可愛らしい感じの店の外には、テラス席が出ている。
ちらほらと座っている客の手には、薄黄色の柔らかそうな物が握られている。
クレープだ。
そういえば、アカネ昔からスイーツとか好きだったよな。
彼女をちらっと見ると、だだっ子の少女みたいな表情で、バタバタと足踏みをしながら銀髪を揺らしている。
そんな彼女の仕草にドキッとしてしまう。
「くぅぅぅぅッ! アカネ! よくやった!」
ジェフの中腰になるくらいのガッツポーズ。
おお、そんなに嬉しかったのか?
「ねえ、みんな、食べていこーよ!」
「そうだ! この機会を逃したら、しばらく食えないんだぞ!」
二人は返事を聞かずに走り去っていった。
その場に残されたおれたちは三人は、顔を見合わせて笑った。




