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人々のぼやき…………………  作者: 怨憎会苦
1/1

下町開発について………

下町の開発について、過激に反対運動をする人をどう思いますか?

のどかな大自然の風景の減少と共に少しずつ開発の業者のトラックが見え始めてきた街、

百鳥町。


大型な開発が目下進行中である。


街の人たちは、開発に反対して居座り運動などを進めているけれども時間の問題だろう。


私はあまりそういうのに興味がない。

私たちは現に時代の恩恵を受けていないわけではないのだ。


近代化に伴い、道路が整備され街灯がつけられただろう。


あたかも、開発が破砕しか生まないと うたっている彼らの考え方が、私は理解できない。



まるで彼らが、この地域の総意であるかのように振舞っているのが気に入らない。



その上、腹がたつことには、その運動を支援しようとネットではやし立てる都会人とかいうやつらである。



別に、私は開発企業に勤めているわけでも、

親類にそのような奴がいるわけでもないのだが、開発には賛成である。


彼らからすると、私のような者は「裏切り者」と揶揄されるのだろうが、そのような言は全く耳にいれるつもりはない。


ここに住み、その生活の不便さを痛感している者のつぶやきを批判できるものなどいるはずがない。



薄情者という声に耳を傾け、それに反論することさえも煩わしい。


似非地元愛を掲げている彼らは、開発によるデメリットばかりを見ていてメリットを見てはいない。


いくら下町情緒がほんの欠片ばかり残っているといっても、もうすでに大型スーパーもゲームセンターもあるような街が、昔ながらを売りにした戦略をして生き残れるとでも思っているのだろうか。


何故新たな開発によって、綺麗に整理される町、大型複合施設の建設による需要の拡大に希望を見出さないのか。



ずるずるとこの地に居座り続けた大人たちがまだ右も左も判断できていないような若者を誘導して騒いでいるようにしか見えないのは私だけであろうか。



参加している若者も都会の華やかさに目を奪われ、大都会へと出て行ってしまう。


止まらない若者の流出を止める手だてとしてこれに代わる案を思いついたのか。


実際に心から反対しているものなどほんの一握りなのだ。


それも、純粋にこの町の雰囲気を守りたい一心でやっている者など、片方の手で足りるのではないかと思う。


人件費、材料費、といったコストで圧倒的なハンデを負う弱小な自営業店たちが固まって、画策しているように見え始めている私の目はどうしてしまったのだろうか。



彼らのうたい文句には、次のようなのがある。 “お前ら、よそ者にはそこに住む人間の心は理解出来ねんだよ。”彼らは、きちんと根拠を持ってこの言葉を使っているのだろうか。 そもそも自分たちの方こそ他人の気持ちを出来ていないのではないか。


開発を望む街の人たちの声が拾われ、メディアに流れることは、ほんとうに少ない。



その方が、ワイドショーのネタになるからだ。



この町に苦い思い出を持つ人たちは、自分の気持ちを切り替え心機一転やり直そうとするのに、街がガラリと変わっていた方がスタートしやすいのではないか。


私にも、この町で過ごした思い出である。

小さい頃から見守られ続けて育ってきた。

いくつもの場所に思い出の場所がある。


楽しかったことも、悲しかったことも、苦労したことも。


意外に思いびっくりしたようなところも。


母校だって、感謝してもしきれないほどの恩がある。


青春の甘酸っぱい思い出。

汗水流した努力の象徴


それだけたくさんの思い出があっても。

いや、むしろそれだけの心があるからこそ

開発しても変わらない決意を持てるのではないだろうか。


私はそこまで高尚な域までは、達していないが、開発によって、それら全てを失うようには到底思えない。



一部の住民がヒステリックに陥り思い出の建物の前で座り込みをしているのを見かけるとき、私は、


ならそこの土地を、買えよ!!とか思ったりする。


老夫婦などが老後の生活費の足しにと土地を売り払った時に罵声を浴びせる者たちも同様である。


その土地の相場の額で買い取れば良かったではないか。


そこに思い出を作ったのはこちらの勝手なのに、当事者たちにしてみれば、いい迷惑である。


写真に残し、それを見て懐かしむぐらいで妥協出来ないものであろうか。



断っておくが、地上げ屋のように無理矢理土地を買い取るために色々工作をするのに私は賛成しているわけではない。


あくまで、冷静な位置からの意見で討論したいと望むだけである。



自らの初恋の思い出が色濃く残る場所をいつまでもと願う純真な少女のような願いは、大変素晴らしいものではあるが、

この世界の動きを止める働きを持つには至らないのだ。


ある者が“この町らしさが失われてしまう”と大騒ぎしているのが、今も聞こえてくるが

そもそもこの町らしさとは、何であるのだろうか。


それは、開発によってかき消されてしまうようなものなのだろうか。


もし、そうならその程度の伝統でしかないということになる。


そもそも、国の重要文化財にも指定されていない時点で、その価値を保護するに値すると、国から支持されていないわけで、となるとあの馬鹿騒ぎは、たちまちただの独りよがりな発言に変化してしまうのである。

非常にいい気味である。


そもそも、その町の(いや、町だけにはこだわらないが)象徴というものは、常に同じであるのであろうか。


その町の根幹にある、アイデンティティ、基盤は揺るがないとしても(それもどうかと思うが)それを表に表す媒体とは、その時代の流れに合ったものに自然と移ると私には思われて仕方が無いのである。


このまま進めば、建設会社の予定では、大型ショッピングモールが後ものの数年で完成しそこに新幹線が通るようになり、ニュータウンが形成されていき、今とは全く異なった街並みになることであろう。


その時に今反対している彼がどう動くのか。

どうやって鞍替えをし、もしくは恩恵を受けて人々が潤う中どのような弁で革命を呼びかけるのか非常に興味深く思う。 笑

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