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部屋
気付かないことは幸せですか?
ホラー注意
多くの人が眠りにつく時間、その人は一人で自分の部屋のベッドにうつぶせになり、スマートフォンを見ている。部屋の中は静かで、たまに車の音が聞こえるくらいだ。
そんな中、カタリと何かが落ちる音がした。
その人はスマートフォンから目を離し、辺りを見回す。だが、部屋のものが落ちた気配はない。再びスマートフォンへと視線を落とす。
ピシッ、カタッ、パキッ
時間を空けて、軽い音がする。しかし部屋には変わった様子はない。いつもの家鳴りだろうと思えば、確認する必要もない。
ふと、肩が凝り首を振ると、視界の端で何かが動いたように感じる。しかし、その先には何もいない。よく見れば、光沢で反射した自分の姿がそこにあった。
そろそろ目が疲れているのかもしれない。
そう思えばスマートフォンを消し、掛布団をしっかりかけ、目を閉じる。
耳につく呼吸音を聞きながら、眠る。
目を閉じたあなたの横に立つのは、誰でしょう?