入学したら こうなった
終わる事の無いと思っていた冬休みが終わって、辺りは桃色の幻想的な世界へと変貌していた。俺包み込んでいる桜並木から桃色の雪が舞い降りてくる。この桜並木の先に建っている学園ルシファー、この学園は偏差値140で倍率は200を超える超難関中学校で有名なのと同時に完全学寮制をとっている数少ない中学校としても有名だ。そしてこの学園に入学した俺の名は、竜善際須。キーンコーンカーンコーン‥聞き覚えのある響きが耳に響いた。「やべっ、急がなきゃ!」そう心の中で呟き、桜並木の中を猛ダッシュで走り出した。
「はあはあはあ‥何とか間に合ったみたいだな‥」また心の中で呟き席についた。さっきまで焦っていて気づかなかったがこの講堂はかなり広かった。別の物で例えるならば映画館が一番合っているだろう。それからしばらく建ってこれはまた広大な舞台の上に校長が歩いてきた。「何か梅干みたいだな」心の中でクスクス笑っていた。そして校長の話が始まった。「皆さんこんにちは」誰も返事をしない。だが校長は話を続ける。「この学園は世界から見ても飛びぬけて頭の良い学園だ、この学園に入学した君達はこれからの日本を担う人間に育ってもらいたい‥と言うのは世間への出任せだ」「え?」と際須は思った。際須に限らずこの講堂の進入生全員が思ったことだろう。刹那で会場がハテナで埋め尽くされた。だが校長は話を続ける。「この学園は政府の経営する、学園型研究施設なのだ、そこで君達にはこのカプセルを飲んでもらいたい」校長はカプセルをちらつかせた。そうすると教員からカプセルが配られた。いきなりそんな事を言われても飲める人がいるのだろうか?もし飲んだ奴が居たならばソイツを勇者と呼ぶと同時に馬鹿と呼ぶだろう、と際須は思った。ゴクリ‥「早っ!飲んじゃったよ!飲んじまったよ!隣の奴がいきなり飲んじゃったよ!こいつには警戒心というものが無いのか?コイツは勇者だ!いや、馬鹿だ、勇者でもなんでもない、馬鹿だ!」そうコイツに言いたくてしょうがなかった。そんな事を考えていると、講堂に叫び声が響いた。「うああああああああああ」音源は隣のコイツだ。「大丈夫か?」と際須は聞いた。「凄いぞ‥」「何て言ったんだ?」コイツの声があまりにも小さかったために聞き取れなかった。「凄いぞこの薬!」そう言うとソイツはシャープペンシルを赤い絨毯に落とした。そしてそのシャーペンに手を向けた。コトン、という音と同時にそのシャーペンが宙に浮かび上がったように見えた。際須は目を擦ってシャーペンを見た。シャーペンは宙に浮かんだままだ。もう一回目を擦ってシャーペンを見たが宙に浮かんだままだ」際須の心の中は警戒心と好奇心が混ざり合っていた。ゴクリ‥好奇心が警戒心を打ち負かした瞬間だった。「うああああああああああああああああああ」
激しい頭痛と眩暈が際須を襲った。その痛みは気が遠くなるほどの痛みだった。しばらくしてそれらが収まった。左手がやけに重い。そして左手を見ると左手には、蒼い剣が握られていた。