サンタさんのクリスマスギフト(プレゼント)が欲しい~旦那ちゃんと嫁ちゃん~
大人だって・・・おじさんだって・・・。
12月も下旬のことです。
お風呂からあがって寝室に戻って来た旦那ちゃんは開口一番こう言います。
「ねぇ、嫁ちゃん、今年こそサンタさん来るかなあ?」
「・・・何言ってんの」
「来るかな、サンタさん」
「さあ、おじさんには来ないんじゃない?」
「こんなにボクおりこうさんなのに」
旦那ちゃんはキラキラした目を嫁ちゃんに向けます。
「ふう」
嫁ちゃんは溜息をつきます。
「・・・アナタいくつよ」
「3っちゅ」
旦那ちゃんは、とびっきりの笑顔で返します。
「はいはい。精神年齢がね」
「う〜ん、いけずう」
「はいはい」
「だって、もうウン十年とおりこうさんにしているのに、サンタさんプレゼントくれないんだよ、おかしいと思わない?」
「・・・別になんとも」
「くうーん」
「そんな寂しそうなワンワンの目をしても、あなたはおじさんなのです」
「さよけ。むかし子どもの頃は枕元に、欲しいプレゼントがクリスマスにはあったのに・・・いつの日からか、サンタさんのプレゼントが来なくなってウン十数年、アタイさみしい」
「あーたが正体を突き止めて大人の階段を登ったからでしょ」
嫁ちゃんは的確なツッコミを入れます。
「こんなにボクいい子なのに」
旦那ちゃんはこの夫婦寸劇を進めます。
「人の話聞いてる?」
「聞いているようで、聞いてないような」
「・・・・・・」
「ボクいい子だよ」
「だから、その目はやめい・・・って、あーもう、そうね、きっと、まだ自分がそう思っているだけで、本当はいい子じゃないんじゃない」
嫁ちゃんは仕方無しに旦那ちゃんの話に乗ります。
「あーそっか・・・でも嫁ちゃん、ボキュやっぱりいい子だよね」
「さぁ・・・これからの行い次第じゃない?」
「クリスマスまでお利口さんにしていたら来る?」
「来るんじゃないの、多分」
「じゃあ、嫁ちゃんお願いね」
「なんで、私は旦那ちゃんのサンタじゃないわよ」
「え?」
「え、じゃないわよ」
「じゃあ、嫁ちゃんにはサンタさん来るの?」
「私は良い子だからね、来るわよ」
「ふーん」
「ねぇ、旦那ちゃん、いつまでこんな不毛なやりとりする訳?」
「毎年っ!」
「そっか、毎年やってるよね・・・クリスマスに、このくだり」
「うんっ!」
「・・・来年もか」
「来年もよろしく〜」
「その言い方、仕事納めみたいだね・・・ふう」
と呆れ疲れ、溜息の嫁ちゃんなのです。
さて、旦那ちゃんと嫁ちゃんに今年こそサンタさんはやってくるのでしょうか?
メリークリスマスっ!
ちゃん、ちゃん。
夢見る旦那ちゃん。




