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度々すまない、おわってなかった。
おわってなくて申し訳ない。
ダラダラダララッラダラ────♪
ギルド内にドラムダラーが鳴り響く。
背後に楽団員が配置されていて。冒険者誕生の度に演奏するようだ。
なぜかニヤけ顔を見せている。腹が立つほどに。
皆が僕を嘲笑している。
僕は、
ギルド長の声にハッとして前を見る。
「きみのスキルは、『オワコン』です。おめでとう、ロイドくん!」
ドラムダラーがピタリと止む。
「なんですか、それ?」
効能を尋ねると、ギルド長は思いっ切り「知らぬっ!」と言った。
一瞬視線を僕から逸らし、向き直ってから。
仕事を忘れて「つい本音が」と小さく漏らした。
非常に悔しい。いまは感情を押し殺すのだ。
感傷は後だ、それは後回しだ。
いつものように誰も居ない所で藁人形を死ぬほど握りしめ、泣くとしよう。
「ああ……いや。でも店に行けばなにか貰えるのかも知れない。そんなラッキーなスキルじゃないかな。畑仕事を頑張るんだろ?」
ごまかす様に適当な激励文句を並べたてる。
畑仕事にありつけるなら当然、それは精を出すつもりだ。
ギルド長はボディビルダーのような、ごつごつのおっさん。
問われたら真摯に向き合い、お応えせねばならない。
なんといっても雇い主だからな。
おわり。




