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なんと僕屋が雑草狩りのついでに、スライム討伐をしただと。
ギルド内にいた中級冒険者たちもそんな声を漏らしてざわつく。
めずらしい話でもないが、なんといっても「僕屋」だからな。
引っかかる言い方を聞こえよがしにいう。
「おい、僕屋。武器はどうしたんだ?」
「まさか素手だなんて言わないだろうな」
さっきまで野次を飛ばし、囁きをしていた連中が僕にそう尋ねてきた。
僕は草原で偶然拾った木の枝を手に取って見せた。
連中は「ほほう」と一応納得する。
そしてギルド長に声をかけた。
「ガンズの旦那、僕屋はすでに登録者だからEXPを入手したことに──」
「ああ。わかっているさ!」
ガンズ。ギルド長の名だ。
冒険者が親切にガンズに伝えてくれたことは、経験値のことだ。
連中が問いかけると、皆まで言うなとばかりにガンズは返事をした。
僕は勉学に努めたからその知識はある。意味は分かるさ。
でも、相手はスライムだ。
過度の期待はしない方がいいだろう。
能無しのビギナーズラックなんて、たかが知れている。
おわり。




