15
あー、あー。
ただいまマイクのテストちゅう。
おわってなかった。おわってなかった。
あー、あー。
能無しと呼ばれ続けた冒険者の、いや僕の初日のクエストが完了した。
ドンと、カウンターの上に採取物の雑草を置く。
暇そうにしていたギルド長が僕を見る。
手招きで採取したものをここに置けといった。
「ギルド長! 採ってきたよ。雑草100だよ。報酬をください」
「ああ、やるじゃないか。確かに雑草100を受け取ったぞ」
報酬を金袋から取り出して、カウンターに置いてくれた。
その額は言うまでもなく非常に乏しいものだった。
「ほれ、受け取れ!」
手に取り数えてみると、たったの50CGだった。
スライムの出現もあって、手間取った。かれこれ2時間は浪費した。
僕だって初級の仕事だから愕然とまではしていないが。
「おいおい、汗水たらしてこんだけか。……などと思ってないだろな?」
「……え。そんなことはないですけど──」
そんな表情を見せたかな。
ギルド長が初心の冒険者へ向けるセリフも相場が決まっているようだ。
そして、
「雑草の仕事で良けりゃ、山ほどあるぜ?」とやらしい笑みを含んで言った。
「その前に、これも買い取ってくれませんか」
僕はスライムを偶然倒せた話を切り出して、その証拠をだした。
もちろん雑草狩りの仕事なら僕にも務まるから、沢山あるなら嬉しいことだ。
ギルド長がスライムの戦利品を見て、
「ひい、ふう、みい。……な、七個もあるってことは──」
やらしい笑み含みの態度をブロックしてやった気分だ。
ギルド長の驚く顔が新鮮に映る。
僕は「たかが草原のスライムじゃないですか」とドヤ顔をみせる。
嬉しい、快感だ。
おわり。




