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お……。
「あれは、草原のスライムだ。勉学には努めたんだ、知識はある」
さすがに素手では危険だ。
だが戦闘経験は皆無。
周囲を見回すと、運のいいことに一本の木の枝が落ちている。
先っぽに葉っぱが一枚くっついてる、かわいいやつ。
姿勢を低くして。足音を立てない様に。
そっと近づき、それを手に取ってみる。
剣だったら刃渡り50センチぐらい……木の枝だけど。
ショートソードぐらい。でも枝だから軽い。
まだ草原なのに落ちているんだ。
木々のある森林はもう少し向こうだ。目を向けてそう考える。
勉学に努めたんだ。知識はある。
額から汗がしたたり落ちる。生きている証拠だ。
街の外へ出るのが初めてなだけだ。そういう法律だからな。
風に飛ばされて来た説が浮上。
「べつに、なんでもいい」
持ち手にハンカチを巻き付けておこう。
振り回して、すっぽ抜けた経験は多々ある。
一人遊びのチャンバラごっこ、じつに虚しい想い出だ。
おわるかも。
見つかったらな。




