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転生人形の世直し記  作者: 脱穀事件
魔境からの脱出編
7/13

簡易的言語理解光線克服研究室

図書館で文字の解読を本格的に始めよう。

そう思い立った私は、四階に向かった。

ただ、問題はどうやって解読するかだ。図鑑とか見たらわかるかな。共通の文字探しながら頑張るしかないか……

さて、ここは黙々とやるしかないかな。じゃ、行ってきます。


そのとき本棚の後ろに潜んでいた影に、私は気付かなかった。



結論から言おう。

一般的そうな単語はわかるようになりましたー!パチパチパチー!

まあ「犬」とか「本」とかだね。接続詞は難しいね……ポエムっぽいやつとか本当にやめてほしい、変な表現技法やめてほしい。

だから単語を拾いながら意味をやっとこさ理解する感じだね。専門用語もわかんないし。

でも、この体になってから格段に記憶力が良くなってる気がするのが助かる。睡眠時間もそんなに要らないしね。


読んだり絵を見てて分かったのは、この世界には普通に魔法があるってことと、人間と魔族が存在すること、人間の器官は地球とほぼ同じだけどいくつか臓器が増えてるってこと、岩のような知能を持った生き物もいるっぽいこと、などなど。地図も発見した。


でも地球と人間の体の作りがほぼ同じなのはどういうことなんだろうね?

偶然でそうなるってこと……あるのかな?

ちなみに増えてる臓器は肺の下に2つずつ、肝臓から分岐して1つって感じ。どういう役割なのかまでは書いてなかった。


文明はやっぱり相当発達してるみたいだね。トイレとかは魔法的な何かで代用してるみたい。何かまでは分からなかったけど。

固有名詞っぽいやつは本当に分からない!

そもそもこの国の言葉が右から左に読む形だから勘違いしやすくて……他の言語の文献とかは縦書きだったり左から右だったりして親しみやすそうだったんだけど一番多いのはこの言語だったから。


単語を頼りにこの建物がどういう施設だったのか調べてみたところ、冒険者ギルドの中規模バージョンみたいだった。中規模でこれって……大規模はどうなのか気になるところだけれども。

つまり最初に見た張り紙は魔物の討伐依頼だったってことみたいだね。辻褄が合っていく感じ。

それと、図書館で本を読み漁ってるときになんか変な物音が聞こえて怖かった……この建物に他に誰かいるのかな?私の兄弟とか?なんか変な夢見るしさ。


そしてね。

見つけちゃいましたよ、ひっそりとあった禁書庫。

偉い人の部屋に落ちてた本を本棚に差し込んだらまた本棚が出てきて、そこに図書館にあった本を差し込むと鍵穴が出てきたから、そこに拾った鍵を挿し込んだら、あった。

ただ問題はあまりにも専門用語が多すぎて、魔法系の何かと統計系の何かってことしか分からなかったね。

あと、めちゃくちゃ大きいけどあんまり発光してない輝玉があった。やばげな魔法陣のど真ん中にあったから壊しちゃダメなやつだと思って壊してない。


あと、試しに結界の外に干し肉を置いてみたんだ。

すごかった。一瞬のうちに肉が植物に絡め取られて地面に沈んでいったんだよ?

大きめのものを置いても同じような感じだった。いや、ここ魔境すぎるじゃないですか……結界張ったのも納得だし、逃げ出したのも納得だ。

図書館でこれっぽいのあったんだよね……固有名詞だからわかんなかったんだけど、モンスターで、地面に這うように潜んで上に乗った生物を食べるみたいな感じだった。

……滅んでる、らしいけど。


一回だけ強そうな魔物が空を飛んでここまで来たことがあったんだけど、物凄い勢いで植物が伸びてこれも沈められた。

この中規模ギルドの周りの建物は食われたんだろうな……恐ろしいの一言に尽きる。


いや、脱出困難すぎないですか?

結界もじりじりと小さくなりつつあるし、逃げないといずれ死ぬのは確かなんだけど逃げ方が分からなさすぎる!

本に書いてあっても難しすぎて分からない。どうしてくれようこの詰み状況。


ここで私は思い出した。思い出してしまった。

私が唯一行っておらず、解決策があるかもしれない部屋。レーザービーム部屋、文字が読めるようになった今は改めて、研究室だ。



レーザービームを間一髪で掻い潜りながら中間地点までたどり着いた。ここまでに布をもう8枚使った。でもまだ中間地点……

まあレーザービームは実際は恐らく光魔法とかそういう系なんだろうけどね。


さて、次はレーザービームが出そうな穴がない。つまりは攻略方法が違うということだ。試しに持ってきたボールを転がしてみる。


重しが落ちてきて潰れた。なるほど、そういうタイプか。

足の本体の濃度を濃くしていく。そして……全力で突っ切る!

……猫の尻尾部分がちぎれたけどまあこれくらいは許容範囲だ。お待ちかねの研究室内に進む。


うん、やっぱり本が多いね。あと薬品なのかカラフルな液体と洗われていない食器、くたびれたローブ、杖……あ、輝玉がある。


……ん?なんか戸棚が今動いたような?

まさか幽霊!?でも今私似たようなものだし、だったら……もしかして、もしかして彩葉だったり……!?


戸棚の扉をバンっと開く。

そこにいたのは……


薄青い肌に白い髪、青い目を持つ少年だった。


えーと、その。ぶっちゃけ可愛い。というより美しい?

でも目がめちゃくちゃ絶望って感じだな……なんでかな…って、自立駆動のぬいぐるみに隠れてた戸棚の扉開けられたらそりゃ怖いか。

大丈夫だよー、怖くないよーと言いたいが、声帯がないもんで厳しい。どうすれば……


「◯◯◇△◇◇△◇◯……」


……ああ、そういえばこの国の言葉聞いたことないわ。

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