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第8話 獲得と代償

+α/ν'Game-Life 後悔の弱点は「プラスアルファ」!


第8話 獲得と代償


 体育祭も学園祭も思う存分楽しむことができ、そして第4土曜日・・・この日は家庭訪問が行われる。そして午前11時ごろ・・・


綾斗「よっ、未生くん、最近調子はどうかな?」


未生「はい、ものすごく楽しい日々をおくっています。具体的にはメイドさんたちと勉強をしたり体

をいっぱい動かしたり、しまいにはスイミングをも楽しんだりもしています。」


綾斗「そうか、それはよかった。とりあえず応接室に行こうか。そこで両親たちと話がしたいからね。」


 俺は先生と応接室に向かった。そして、両親と先生による面談が始まった。


綾斗「お宅の未生はどうやら努力家のようですね。試験もすべて100点満点で、運動神経も抜群で、まさに文武両道であります。ただ、あまりにも過剰な勉強が行われているとの情報も得ているようですが。」


未生「それはあくまで私自身が望んだことであります。小学校1年~6年、そして中学1年の勉強も取り入れていますので。何事も努力が必要と決心しましたので。」


綾斗「すまないが、少し黙っててくれるかな?未生くん、今、親御さんと大事な話をしているから。」


尋「そう硬いこと言わないでくれよな、綾斗、未生の言うことにも一理はあるとお思うんだけどな、そうだよな、未生。」


未生「その通りだよ、父さん、みんな僕自身が望んで取り組んでいるからね。」


美玖「その通りです。私の息子さんは、誰よりも努力家で誰よりも人にやさしく、そして何事にも積極的で素晴らしい子供であります。ただ、女の子のことになるとちょっとスケベ心が目立つけどね。」


 ちょ、それ、今言うことか!?まぁ、否定はしないけど。こればかりは1週目からずっとだし。確かに性癖も人それぞれだよな。だが今度ばかりはさすがに引き際をわきまえないとな。


綾斗「過剰性癖か。そういえば、いつも未生くんはモテるからなぁ。特に未生くんの姉のリンネちゃんとか、そして6年の菊間北南ちゃんとか、彼女は小学生とは思えないくらい魅力的だからね。」


未生「はい、僕、菊間先輩のこと、すごく気に入ってます。もちろん、好きだという気持ちは心の中にとどめておきますので。」


綾斗「いいかい、好きだと思う気持ちはあんまり外に出しちゃダメだよ。過剰に接しようとすると嫌われちゃうからね。」


 先生の一言に関しては一理あった。本当にごもっともである。まぁ、恋愛に関しては1周目で失敗ばかりの日々を送っていたからな。小学生の時は主張しすぎた、中学生のときは追い求めすぎた、高校生のころは対象の人物と比べすぎた。オンリーワンよりもナンバーワンばかりを求めたせいで恋愛失敗を繰り返してきたからな。だが今回ばかりはそうはいかない。今度こそ過剰性癖を出さないように努力せねば。


綾斗「じゃ、またな。これからも家族たちやみんなのこと、よろしくな。」


 そう言って先生は帰っていった。さて、今後はどのように過ごしていくか。もちろん勉強や体育関連の努力は継続として、何を楽しめばいいことやら・・・色々と悩んでいた。そして午後1時半ごろ、昼食時に食堂にてテレビを見ていたところ、インコ真実教とかいう悪徳宗教に関するニュースがやっていた。確か1周目では1995年の3月ごろに地下鉄にて大規模テロなどの悪行をやっていたとか。だがもうすでに奴らの顔は1周目から把握している。顔さえ思い浮かべれば奴らを事前に生け贄にできる。食後に俺は自室に戻り、奴らの顔を思い浮かべ、未来の加害者であるインコ真実教のメンツを生け贄にすることになった。当時は加害者が8人ほどだったはず。1人目の寿命は36年、2人目は42年、3人目は36年、4人目は18年、5人目は21年、6人目は33年、7人目は19年、8人目は21年、そしてリーダーである麻屋場翔朗まやばしょうろうが寿命21年か。よし、顔や容姿はすでにわかっている。こいつらを生け贄にすれば地下鉄でのテロ事件もなかったことになる!そして俺は奴らを生け贄にすることを決意した。


未生「よし、これでもう奴らによるテロは阻止できた。」


 これで大量のAPを稼げる!今のAPが2300だから、3600+4200+3600+1800+2100+3300+1900+2100+2100=24700、そして2300を足すと27000!よーしいっぱいAPを稼げたぞ!そしてニュースにて・・・


ニュースキャスター「今、新しい情報が入りました。なんと、高速道路を走行中のワゴン車が転落し、搭乗者全員の死亡が確認されたとのことです。この事故で死亡が確認されたのはインコ真実教の・・・。」


 俺はテレビのチャンネルを変え、ほほえみを浮かべた。しかし、その直後・・・


未生「な・・・うわあああああああああっ!!」


 突然苦しみだす俺・・・いったい何があったんだ!?なんだかかつてない恐怖感や精神的苦痛に追いやられる。これは何がどうなっているんだろうか!?


尋「未生、何があったんだ!?」


美玖「未生、大丈夫!?って、いない!?」


 そして俺は再び夜空のお花畑の空間に飛ばされる。


エルダール「やっちゃったわね。一度に大量の人間を無理やり生け贄にしたせいで自身にもダメージが返ってきたみたいね。」


未生「それはいったい・・・どういうことだ!?」


エルダール「実は人間を生け贄にすることで精神的なダメージを負うことになって、1人くらいを生け贄にする程度なら何も感じないかもしれないけど、今回ばかりは9人も生け贄にしたからね。5人以上も一度に生け贄にすると相当なダメージを受けることになって、尋常じゃない精神的苦痛や恐怖感に追いやられるわけよ。」


未生「やっぱり、何かを得るということはそれなりの代償があるってことか。だがそれでも僕はこの能力が欲しいと願っていた。」


エルダール「今回はどうしても未来の地下鉄でのテロ事件を阻止しようと思ってインコ真実教とかいう組織の奴らを生け贄にしたんだね。まぁ、正義感が強いあなたのことだからそうすると思ってたけど。結果的にテロ事件は阻止できたし、これを機に少しは精神ダメージ耐性をつけないとね。」


 俺は精神的ダメージ耐性をつけることにした。精神的ダメージ体制付加に必要なAPは3000か。ならば即座に付加するとしよう。そして残りのAPは24000。


エルダール「よし、精神的ダメージ耐性は無事に付加できたようだね。だけどね、ダメージ耐性は完

全じゃないわ。防げても生け贄15人分までが限界ね。一応生け贄にする人物は一度に少人数に抑えた方が無難ね。とりあえず生け贄は時と場合を選ばなくちゃ。」


未生「ありがとう、助かったよ。」


エルダール「それと、明日、日曜だよね。その日は松山緑地保全地域の前に来てね。11時ごろに当該地区前に待ち合わせよ。」


未生「了解。じゃ、またね。」


 そして俺は部屋に戻った。明日の11時ごろか。さすがに小学生1人でどこかに行くのは抵抗があるが、それでも俺は行くことにした。デートのお誘いか?それとも、何だろうか?とりあえず俺は明日までずっと家で勉強したり運動したり、そして趣味に没頭するなり、色々やりながら過ごしていた。そして翌日、午前11時ごろ・・・


未生「なんだ!?松山緑地保全地域がキャンプ場みたいになってる・・・これはどういうことだろうか!?」


エルダール「お待たせ。この場所、気になるの?」


未生「1周目では森林地帯になってたから。それがキャンプ場みたいになっていて、それでびっくりしたよ。」


エルダール「ちょっとね、今後池畑くんみたいにアビリティホルダーが現れたときのことを考えてここを監視所にすることにしたわ。森林地帯だったらエルフの楽園にはもってこいだわ。そこでね、せっかくだから池畑くんに会わせようと思うお方がいるの。ついてきてもらえるかしら。」


 俺はキャンプ場みたいな場所に足を踏み入れる。そしてバンガローだかキャビンだかの小屋がある。その中の大型の施設に案内される。おそらくここが集会場とおぼしき場所であろう。俺はエルダールに案内される形でその大型の施設に入ることになった。


フィンダル「ほぅ、お主が池畑未生か。わらわはフィンダル、この監視所の所長じゃ。以後よろしくな。」


 彼女の名はフィンダル。人類監視所の松山緑地保全地域支部の所長を務めているエルフであり、黄緑色のおさげで身長144cmほどであり、バストはBカップほどである。語尾に「~じゃ」とつけたり一人称が「わらわ」である、いわゆるのじゃロリである。


未生「フィンダルさん、ですよね。これからもよろしくお願いします。」


フィンダル「なぜ敬語で対応するのじゃ?我々エルフはフレンドリー精神がモットーじゃからな。だからタメ口で話すがいい。」


未生「了解した。フィンダル・・・でいいんだよね。」


フィンダル「そうじゃ、これからはフレンドリー精神にのっとり、タメ口かつ呼び捨てで統一するがいい。どうしても抵抗があるなら「ちゃん」付けでもいいぞ。」


未生「ありがとう、それで、昨日大量の人物を生け贄に捧げたことで異常なまでの精神的苦痛をうけてしまって・・・。」


フィンダル「それか・・・どうやらお主のアビリティホルダーの特徴はAPの取得方法が人間1人の生け贄で、対象の人物の残り寿命×100のAPを得られるようじゃな。じゃが、一度に多くの人間を生け贄にすると多大な精神的ダメージを与え、異常なまでの恐怖感や精神的苦痛を負うというわけじゃな。今、リードアイで調べさせてもらおうかのう。」


 俺はフィンダルのリードアイで自身のアビリティを調べてもらった。フィンダルはエルダールとの契約によるアビリティホルダーであることに驚いた。


フィンダル「なんじゃと!?お主、このままでは驚異的な存在になるかもしれん。お主がアビリティホルダーとバレたら間違いなく排除の対象になりかねんぞ。」


エルダール「その件なんだけど、どうか定期的にこの監視所にて調査を行うということでいいかな?一応彼に精神的ダメージ耐性をつけさせたけど、それがどこまで持つかどうかが問題みたいね。」


フィンダル「まぁ、あとはお主次第じゃな。池畑未生よ、お主が無事でいられることを祈るぞ。それと、わらわの監視所の情報を渡しておく。人類監視所に関しては飯能のほうに本部がある。お主の身

にもしものことがあったら本部のほうに連絡するがいい。その時は相談員を派遣してやろうぞ。」


エルダール「わかったわ。それじゃ、これからも彼のこと、よろしくね。さ、帰りましょ。私はここに残るから。つらかったらいつでも私のところに来てね。」


未生「了解。大事おおごとにならないうちに相談に来るから。それと、僕のことは未生ちゃんでいいから。」


 俺は人類監視所を後にし、帰宅する。例によって自宅では勉強と運動による努力三昧であった。俺は思った。いずれ俺みたいにアビリティホルダー(能力持ち)が出現することはあるかもしれない。あとは今後世の中がどのように動くかが問題である。そうなったときはまた考えよう。今はひたすら努力を重ね、自身の歴史を修正するのみ。とにかく今はこれからに備え、自身がやるべきことをこなす!


第8話 おしまい

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