第7話 悪役を演じる立場
+α/ν'Game-Life 後悔の弱点は「プラスアルファ」!
第7話 悪役を演じる立場
体育祭を乗り切り、そして時は流れ、11月・・・第2土曜日とその翌日の日曜日に学園祭が行われるという情報があった。1日目は出し物の部で、2日目はバザーや模擬店などの部である。なんと、出し物で行われる劇は1年のα組はさるかに合戦である。くじ引きの結果、俺はなんと、まさか悪役であるサル役に選ばれた。そうだ、俺が悪の立場にいたらどうなるだろうか。それを考え、劇の練習を行うことになった。
未生「なんだかちょっと悪役は抵抗があるな。」
俺の演技のぎこちなさに周りは不安に思っていた。
紀里谷「まぁ、これは決まったことだからな、仕方ないだろ。」
里桜「ね、これはもう仕方ないから、頑張りましょ。」
未生「仕方ないか。わかった。とはいえ悪役の演じ方、よくわからなくて。」
悪の立場にいるというのがこんなにも大変だとは・・・正義があれば悪もある。まぁ、これはあくまで演技だからな。実際の物事とは一切無関係だし、ここはあえてうまく演じることだけを考えよう。
未生「うわっ!さすがだな・・・。」
俺はサルがハチに刺され、牛のなんとやらで転ぶシーンでうまく受け身をとる。それぞれの役は栗・牛のなんとやら、臼、ハチの擬人化をイメージした衣装を着ていた。もちろん俺はサルをイメージした衣装を着ていた。悪の立場に立つというのはこういうことだなと実感した俺であった。まぁ、そんなものは珍しくもなんともないが・・・というより1周目で悪魔のコスプレをして劇をやっていたことはあったが。俺はいつも正義にあこがれていたが、悪役も悪くないと思っていた。
未生「ふぅ、やっぱり悪役は難しいな。とりあえずなんとか悪らしくは演じているとは思うのだが・・・。」
紀里谷「まぁ、いつも通りでいいさ。お前自身のやり方でうまくやっていけばそれでいいんだ。」
里桜「私だって子ガニを演じるのは大変だわ。それはみんな似たようなものだからね。」
確かに言いたいことはわかる。だがこれはあくまで演技、この劇はフィクションであり、キャラクター名など実際のものとは無関係。ならばとことんまで演じきってみせる!そう決心し、努力を重ね、悪役であるサル役をうまく演じられるようになっていった。そして学園祭1日目・・・
未生「いよいよこの時が来た。なんだか緊張するなぁ~。」
俺はものすごく緊張していた。とにかく今まで通りうまくやっていくしかない。体育祭の時だってそうだった。何事も今まで通りでいいんだ。そう思いながら本番に挑んだ。
ギャラリー「ほぅ、すごいな、今年の1年α組、特にあの池畑未生という生徒がものすごい演技力だな。」
ギャラリーが俺の演技力を認めている。俺は練習通りにやったまでだ。1周目でも演技力に関しては優れていた。特に中学3年のころは悪魔のコスプレをして地獄の神を演じていたころが全盛期ともいえていた。そう、1周目の演技力をうまく活用したおかげで成功した。
未生「思ったより楽しかったな。えーっと、4年のα組は・・・ねずみの嫁入りか。リンネお姉ちゃんが確かお嫁さん役だったか。そして6年のβ組は・・・シンデレラだったな。そして菊間先輩がまさかの主役とはな。よーし、どんな衣装なのかが楽しみだな。」
紀里谷「やっぱりな、そうくると思った。リンネ先輩や菊間先輩の衣装も演技力も楽しみだよな。」
俺と紀里谷はお姉ちゃんと菊間先輩の出番が楽しみで待ちきれなかった。そして待望の4年α組・・・ねずみの嫁入りであった。俺はお姉ちゃんのウエディングドレス風の衣装に目を奪われた。谷間こそは見えないものの、その密着度によるボディーラインの美しさに思いっきり萌えてしまった。まさか実の姉にさえも萌えてしまうとは・・・まぁ、肉親だろうと女の子であることに変わりはない。成長してどんどん大きくなっていくそのおっぱいは男だったら誰でも気になる。そしていよいよ6年のβ組の出番がやってきた。そう、シンデレラである。俺はもちろん菊間先輩の谷間などをはじめあらゆる魅力的な姿に欲情しまくった。そしてすべての劇が終わり、菊間先輩とバッタリ会うことができた。
未生「菊間先輩、すごくよかったです。その美しい姿に目を奪われました。」
衣装姿のままの菊間先輩に声をかける俺。
北南「あの~、気持ちはうれしいけど、私、これから着替えなくちゃいけないの。御用はあとでね。じゃ、また。」
未生「では、またよろしくお願いします。」
俺はしばらく菊間先輩と別れた。そこで男子たちが俺につっかかる。
男子たち「池畑、お前、どういうつもりだよ、お前は菊間先輩とどういう関係だよ。」
未生「僕と菊間先輩とはただの先輩と後輩の関係だけど、なにか?」
男子たち「ったく、腹立つなぁ、お前ばかり菊間先輩といい思いしやがって。」
女子たち「男子たち、これ以上池畑くんを困らせないでくれる?悔しかったらあんたたちも菊間先輩
とコンタクトをとろうとしたらいいんじゃないの?」
男子たち「ちっ、仕方ねぇなぁ。」
綾斗「ほら、お前たち、ケンカしない!さて、みんな集合だ。」
先生は生徒たちを集めてホームルームを始める。明日の日程によると模擬店は午前10時から午後3時までのようだ。それ以降は催し物が行われるようだ。それから翌日・・・俺は所持金2万円を自室から持ち出した。2日目は自由参加だけに両親も行くことになり、もちろん妹の栗子も同行した。
未生「さーて、今日は待望のバザーだな。さて、どこから行くか。」
美玖「未生ちゃん、すごく楽しそうね。」
尋「楽しむのはいいけど、あんまりハメを外すなよ。」
栗子「お兄ちゃん、私も一緒にいくわ。」
千恵美「ふふっ、私たちもついてきちゃった。こうしてまた未生ちゃんと一緒に会えるなんてうれしいわ。」
ノエル「私も負けてられないわ。ね、一緒に店を見て回ろうね。」
両親は保護者たちと裏で色々と話をして、俺たちは姉と妹、そして幼馴染の千恵美とノエルといっしょに店を見たり色々な展示物を見ることにした。そして6年が担当しているメイド喫茶にて・・・
北南「あら、今日はゲストがいっぱいだね、池ちゃん。」
未生「はい、彼女たちは幼馴染の井上千恵美と大森ノエルといいます。」
千恵美&ノエル「はい、よろしくお願いします。私たちは清瀬市に住んでおり、地元の学校に通っています。」
千恵美とノエルは同時に菊間先輩に語りかける。
栗子「むむっ、それにしても菊間さん、すごく刺激的です。そのメイド服、目に毒です。特にお兄ちゃんには見せちゃいけません!」
リンネ「いいじゃないの。こういう時はいっぱい楽しまなくちゃ。」
なんと、菊間先輩が着ているメイド服は谷間が見える素晴らしいものである!男子たちが大勢来る前に入れてよかった~。
男子たち「おおっ、間に合ったか。よーし、俺たちも入らせてもらうぜ。って、おい、池畑!お前、いつの間に!?」
女子たち「なによ、なんか文句あるの?一斉に男ばかり押し寄せて、池畑くんがかわいそうじゃないのよ。」
女子たちが男子たちに対してにらみつけていた。まぁ、当然の報いだな。その後、俺は注文したメニューをたいらげ、男子共との入れ替わりという形で店を後にした。そしてビンゴ大会・・・
未生「えーっと、1等の賞品は・・・ラジカセか。ラジカセならもうすでにCDプレイヤー付きのものがあるから必要ないか。」
ビンゴの賞品は見るからにほとんど俺が錬金術で得たものばかりであった。まぁ、ビンゴ大会は暇つぶし感覚ということで楽しむとしよう。さすがに不正は許さない。というわけで何も当たらず、参加賞のキーホルダーをもらうことになった。こんな運任せのゲームがなくても廃品があればいくらでも何かを錬成できるからな。錬金術とは本当に便利なものだ。とはいえさすがに人前ではそんなチートはできるはずがない。とりあえずあとは催し物が始まるまでの間、色々と食べたいものをたいらげ、欲しいものをいっぱい得て思いっきり楽しみまくった。そして催し物の時間がきた。
未生「ファッションショーもあるのか。えーっと、菊間先輩は・・・出ないのか。だがもう1人素晴らしいお方がいる。彼女は帯内日法とかいったな。」
紀里谷「帯内先輩も意外とイケてるよな。菊間先輩ほどではないが、意外と立派なモノを持ってるみたいだぜ。サイズ的には菊間先輩と2サイズ下といったところか。」
俺は彼女たちのファッションを見ていた。えーっと、確かファッションショーの参加資格は5・6年の女子だったはず。今年は5年がワンピースタイプの服装と民族衣装系で、6年はウエディングドレスだったはず。さて、どんな衣装でくるか楽しみだな。
未生「やっぱり民族衣装となるとチャイナドレスがエロいよな。あの太ももがセクシーだな。えーっと、彼女は稲塩樹理恵先輩だっけ。」
みんなの色々な服装に萌えまくる俺・・・そしてついにウエディングドレス姿の帯内先輩が登場した!
未生「すごーい!帯内先輩も意外とおっぱい大きいな。えーっと、サイズ的にはリンネお姉ちゃんと同じか。」
もちろん彼女の未来をリードアイ+未来予知で見てみた。なんと、彼女は将来はFカップにまで成
長するようだ。今はDカップといったところか。まぁ、いずれにせよ女の子の未来を見れるとは素晴らしいことだ。そしてファッションショーを終え、彼女たちとコンタクトをはかる。
未生「稲塩先輩、すごく美しかったです。先輩のチャイナドレス姿、素晴らしかったです。すごく魅力的でした。」
樹理恵「ありがとな、あたし、お前みたいな男の子、大好きだからな。」
俺は稲塩先輩にアゴに手を触れられ、緊張する。
未生(ちょ、僕、こういうのはあんまり・・・。)
そうだ、俺もここまでやってくるとは予想外である。しかも彼女、すごくボーイッシュで男女問わず人気があるとか言ってたな。
日法「もぅ、ずるいわよ、樹理恵、この私を差し置いて。あら、すっごくかわいいじゃん、未生ちゃ~ん、いっぱいスリスリしちゃいたいわ。」
未生「ちょ、帯内先輩まで・・・!」
この2人、デキるな・・・!だがこれも幸せだな。こうして新たな出会いができるというのは素晴らしいことだ。
紀里谷「ったく、本当に未生はモテるよな。」
里桜「先輩、私たち、もう集まらないといけませんので、では。」
俺たちは再びクラスのみんなと合流し、残りの催し物を見て楽しむことになった。そして楽しい時間が過ぎ、下校の時間になった。
未生「すっごく楽しかったよ。久々に幼馴染といっぱい楽しめたりして、そしてなによりもファッションショーとかメイド喫茶とか、よかったな~。」
綾斗「未生ってどこまでモテるんだい?そういえば、未生たちの屋敷って、メイドが13人いるって聞いたけど。」
未生「ちょ、先生まで・・・はい、本当です。僕、実家が洋館で、メイド喫茶と併設されています。そのメイドはお屋敷の管理とメイドカフェのスタッフでもあります。」
綾斗「なるほどね。今度家庭訪問をしたいなと思うんだけど、いいかな?」
未生「はい、いつでも構いません。」
大永先生は家庭訪問の約束をした。どうやら俺の家庭の事情を知りたいようだ。これ、どう考えても教師の立場を濫用したプライバシーの侵害じゃないのか?とりあえず両親がどういう反応をするかが問題である。そしてホームルームを終え、母親たちと合流した。
美玖「はい、いつでも構いませんので、どうぞいらっしゃいませ。」
尋「綾斗、俺も待ってるからな。」
綾斗「もちろんだ。僕たちは友達だからね。未生のこともあるし。」
ちょ、何勝手に了承しているんだ!?・・・仕方ないな。まぁ、余計なことを考えず、いつも通りの生活をしていれば問題ないだろう。というわけで家庭訪問は第4土曜日に決まった。帰宅後はもちろん勉強などによる努力三昧であった。こうして楽しい時間を終え、気持ちを切り替えて努力に臨む俺であった。
第7話 おしまい