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第6話 秋風と体育祭

+α/ν'Game-Life 後悔の弱点は「プラスアルファ」!


第6話 秋風と体育祭


 あっという間に夏休みが過ぎ、2学期に突入。それから1ヶ月後・・・


未生「いよいよ体育祭か。どれだけこの時を待っていたか。」


紀里谷「未生ったら、いつも体育祭が楽しみだったよな。」


里桜「未生ちゃん、体育が好きだっていうから。特に水泳の時間、いつもテンション上がってるっていうからね。」


 体育祭が近づくにつれて俺の努力はさらにヒートアップしていく。暇さえあれば走り込みなどを欠かさず、当然勉強は小学1年生~6年生、中学1年生の分をすべてやっていた。まぁ、後悔のないよう努力をすると決めたから当然のことか。そして第2土曜日・・・


未生「さて、今日は休みだし、いっぱい走って体育祭に備えるとしよう」


瑠衣那「僕も手伝うよ。いーっぱい体動かそうね。」


 瑠衣那さんとともに体育祭にむけていっぱい練習を重ねることになった。今度こそ競技系で1位を取ることを決意し、猛練習に励むことになった。まぁ、演技系は男女別になっているがな。先生に聞いたところ、演技系の男女別は選り好みをさせないための措置だとか言ってたが。まぁ、そんなことはさておき、とにかく練習に取り組む。


紀里谷「よぅ、未生、ずいぶんと楽しそうだな。」


里桜「体育祭、すごく楽しみだね。今日も体育祭の練習や合同体育などがメインみたいね。」


 体育祭は10月の第4日曜日、俺は日頃の練習を活かし、演技系も仲間たちと息を合わせ、問題なくこなしていった。そして帰り・・・


未生「さすがにこの時期になってくると秋風が強くなってくるな。そのうち寒くなっていくから、寒暖差には気を付けないと。」


紀里谷「そうだな、未生、風邪ひかないようにな。」


里桜「またね。」


 いつも通り友達と声をかけ合い、真っ先に帰宅する。もちろん自宅近くの公園に行って走り込んだり、暇さえあれば小学1年生~中学1年生の勉強すべてをこなし、スイミングスクールでも相変わらず上位の成績であった。とにかく自堕落になることは避けなければならない。そして時は流れ、体育祭当日・・・


未生「プログラムによると僕たちの演技は・・・6番目か。新体操に関しては午前の部の最後か。えーっと、11番目か。」


紀里谷「へぇ~、もしかして菊間先輩のレオタード姿、楽しみなのかい?」


未生「まぁね。リンネお姉ちゃんの演技の衣装も楽しみだけどね。」


紀里谷「リンネ先輩も意外とイケてるよな。羨ましいよな、素晴らしいお姉ちゃんがいてよ。俺なんて1人っ子だぜ。」


里桜「2にとも楽しそうね。未生ちゃん、私、女子の控え場所に行ってくるから、またね。」


未生「うん、またよろしくね。」


 そして俺は男子たちの控え場所に向かう。それから、演技の用意をしてそれぞれの学年の演技を見ていた。午前中は演技系で、競技系は午後か。午後の部になればまた女子たちと合流できる。その際には集まる際に紅白に分かれることになる。俺が選ばれたのは白組であった。1年の白組をまとめているのはβ組の清霜英十郎きよしもえいじゅうろう先生であった。


英十郎「どうした?緊張しているのか?まぁ、そうだよなぁ、綾ちゃんから聞いてるよ。おいらも期待しているよ、未生くん。」


 清霜先生・・・このお方はあんまり慣れない・・・クラスが違うくせになれなれしいからあんまり関わりたくないんだけどな。まぁそれは仕方ない。決まったことだし。とりあえず今は体育祭を楽しむことを考えよう。そして我々の出番がくる。


未生「いよいよだね。日頃の練習を思い出してしっかりやらなくちゃ。」


男子たち「もちろん、池畑の言うとおりだよ。期待しているからな、池畑。」


 男子たちに期待される俺・・・練習どおりやっていけば問題ないだろう。そう思って挑んだが、特に問題なく終わった。


未生「終わったね。はじめはどうなるか緊張したけど、うまくいったね。」


紀里谷「へへっ、これも未生のおかげだな。未生の奴、タワーパートで頂上でしっかりと決めポーズ

をキメてたからな。俺なんて扇とか自身なかったけど、それでもうまくいったかな。」


未生「そうか、それはよかった。さて、あとはみんなの演技を見るだけか。えーっと、4年の女子は10番目で、午前の部の最後である11番目が新体操か。」


 俺たちの演技を終えたあとは他の学年の男女の演技を見るだけであった。そして10番目・・・


男子たちA「見ろよ、あれ、リンネちゃんだろ。確か未生のお姉ちゃんだよな。」


男子たちB「本当に4年かと思うくらいおっぱいデカいよな。さすがに菊間先輩には及ばないけどな。」


 なんと、4年の女子はチアリーダー系のマスゲームだった。チアガールの衣装のセクシーさに見とれる男子たち。周りの女子たちの視線があまりにも痛かったが、俺はそんなものは気にすることはなかった。そして午前の部の最後、ついに新体操が始まろうとしていた。


男子たち「おおっ、きたぞきたぞ!菊間先輩の乳揺れ、これを見たかったんだ!」


 まぁ、言うまでもなく菊間先輩のおっぱいに目がいくのはわかっていた。もちろん俺も菊間先輩の艶姿あですがたに見とれていた。さすが未来のグラビアアイドル志望、成長が激しいおっぱいに目がいくのは言うまでもない!


紀里谷「すっげー良かったな、未生、やっぱり菊間先輩といえばおっぱいだよな。あの揺れ具合はやっぱり絶景だよな。」


未生「もちろん、僕も菊間先輩の艶姿に見とれちゃったね。おっ、菊間先輩が来た!菊間先輩、すごくよかったです。素晴らしい演技、見させていただきました。ありがとうございます!」


北南「ありがとね、いっぱい私たちの演技、見てくれて。」


6年の女子たち「へぇ、君が池畑未生っていうんだ。ふふっ、すごくかわいい子ね。菊ちゃんのこと、気に入ってるんだね。」


未生「はい、もちろんですともっ!では、これからもよろしくお願いします!」


 俺は菊間先輩に、そして6年の女子たちにあいさつをして持ち場に戻った。そして昼食時・・・


美玖「あの菊間北南っていう女の子、すごく気に入ってるのね。」


未生「すっごく美しかったから・・・演技が終わって退場したところであいさつしてきたよ。そしたら6年の女子たちがみんな僕のところに寄ってきて・・・。」


尋「お前、すっごくモテるんだな、未生。」


リンネ「もぅ、未生ったら、女の子たち相手にデレデレしちゃって・・・ほんっとスケベね。まあいいわ、私の演技もしっかり見てくれてたし、許すわ。」


栗子「私もお姉ちゃんや菊間さんの演技、すごく良かったわ。もちろんお兄ちゃんの演技もカッコよかったわ。」


 みんなで昼食を楽しむ池畑家・・・そして午後の部が始まる。午後は競技の部である。よーし、ここからが我々の腕の見せ所だ!


未生「おっ、もちろん100m走もあるな。そしてリレーの選手にも登録されて・・・というより走り込み系はすべて選ばれているけどね。最後は綱引きと大玉送りか。午後の部の前は応援団による演技か。」


 俺たちは応援団の演技を見て思いっきり盛り上がっていた。なんと、菊間先輩も白組であった。そう、俺たちと同じチームに選ばれてなによりであった。しかしリンネお姉ちゃんは赤組であり、実の姉との対決になる羽目になるとはね。だが今の俺ならもうそんな抵抗はない!そして、競技が始まる。


未生「やった!ついに念願かなってゴールテープを切ることができた!」


 そう、1周目ではまったくもってゴールテープを切ることができなかったが、今回は余裕でゴールテープを切れた。さすがプラスアルファニューゲーム、本当に便利だな。そして努力も兼ねれば後悔も無効化できる。勉強も運動も努力でどうにかなるものだな。そう思えた。


未生「よし、僕ももっとがんばるぞ!さて、次は障害物競走か。」


 もちろん俺も障害物競走に出ることになっていた。当然ゴールテープを切って1位になった。競技系全般はすべて私が1位を独占していた。


生徒たち「マジかよ・・・あいつ、1年でここまでやるとは・・・!」


教師たち「さすがだな・・・池畑未生、1年の彼がこんなにも好成績をあげられるとは思えないが。」


 何度も1位をとりまくる俺に対して周りの反応は疑心暗鬼になっていた。さすがに本気を出し過ぎてしまったか・・・だが本気でやらなければ勝負にならない。何事も勝負ごとは本気でやらなければ何も面白くない。だが周りはあまりにも不自然ととらえ、審議がかけられた。そして各競技のVTRで俺の活躍ぶりが放映された。


校長先生「ふむ、これが彼の実力か・・・なんと恐ろしい!」


生徒会長「本当にこれが彼・・・だと!?」


未生「えーっと、私、なにをやらかしましたか?私はただ実力を発揮しただけですが・・・。」


校長先生「いえ、なんでもない。君は本当によくやってくれる生徒だ。いつもやることをやってくれるし、課題も勉強も運動も、みんな努力しているって評判が全校に回っているから。」


生徒会長「まぁ、アレだ。君は本当にすごく優秀な生徒だからさ。これからも頑張ってくれよ。あとは綱引きと大玉送りだけだから、お互い頑張ろう。」


未生「はい、こちらこそ。」


 そして俺は残り2種目である綱引きと大玉送りに挑む。さすがに綱引きや大玉送りなどのような全体競技はみんなと息が合ってないとうまくいかない。綱引きは問題なくクリアしたが、大玉送りはさすがにキツかった。惜しくも赤組に負けてしまった。だが今までの競技で1位をとった分白組に多く得点が入っていた。そのため白組が勝った。


リンネ「やっぱり未生は努力家だね。私、負けちゃったよ。そういえば、校長先生や生徒会長に呼び出されていたけど、何かあったの?」


未生「ちょっとね、色々と1位とってばかりだったから色々と疑いをかけられて・・・。」


 これはあくまで実力であり、ドーピングも何もしていない。翌日は代休のはずだが、俺だけ登校する羽目になった。そう、先日の体育祭での1位をとりまくったことでドーピング等の疑いがかけられていた。


綾斗「校長先生から聞いたぞ。君、昨日の体育祭の競技の部で全競技1位をとりまくったそうだな。その実力が本当かどうかを証明するために今からスポーツテストをしてもらう。君にはドーピング等の疑いがかけられているからな。」


生徒会長「僕も付き合うよ。僕と勝負してすべて連勝できたら無実と認めよう。」


綾斗「彼は生徒会長の君塚逸未きみづかいつみだ。彼は成績優秀で文武両道の優等生で、それをきっかけに生徒会長に選ばれた。そういうわけで彼と勝負してもらうことにするから。」


 俺は生徒会長と勝負することになった。相手は成績優秀で文武両道、まさかとは思うが、彼も2周目の人生を歩んでいるに違いない!


未生「はい、お互い正々堂々頑張りましょう、君塚先輩!」


 そして君塚先輩との勝負が始まる。まずは100m走、もちろん俺が1位になった。そして走り高跳び・・・俺は120cmを飛び越えることに成功、彼も同じ記録であった。障害物競走でも俺が1位になった。とはいえ彼もわずかな差で張り合ってる。今回ばかりは油断できない!そしてすべての競技が終了し、


逸未「すごいな、君・・・池畑未生、君の実力は本物だ。おめでとう、僕もいっぱい張り合えてよかったよ。」


未生「こちらこそ、疑いが晴れてなによりであります。これからもよろしくお願いします、君塚先輩。」


 こうして俺は君塚先輩とも仲良くなった。そして実力が本物と認められてものすごくテンションが上がった。あとはそのまま下校し、自宅にて母親が作ってくれたラーメンを食べることになった。


未生「いっぱい動いた後のメシはうまいな~、まさか生徒会長の君塚先輩とも仲良くなれるなんて、

素晴らしいな。」


美玖「よかったね。さすがに努力家も楽じゃないわね。」


未生「まったくだよ。あんまり実力を発揮しすぎても色々と疑いをもたれてしまうからね。」


リンネ「未生ちゃんったら、1度何かを始めたら努力をやめられなくなっちゃうからね。」


栗子「お兄ちゃん、あんまり無理しないでね。私、すごく心配だから。」


尋「いいんだ。未生も男の子だからな。俺も未生の頑張り、すごく楽しみだからな。」


 家族たちは未生を心配しつつも努力を認めている。だが俺はそれでも努力を欠かさない。そうでなければプラスアルファニューゲームを始めた意味がない。だからこそ自堕落になることを許さない!これからも努力を惜しまず、前に進むことを決意しつづける俺。とにかく俺はもう1周目みたいにみじめな思いをしたくない。あとはこの世界に平和が続くことを祈るだけである。


第6話 おしまい

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